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増澤信一郎の心模様

2017年02月06日

2016年中部建築賞住宅部門入賞作品・西伊豆の家

● その2 西伊豆の家
 
西伊豆と言えば、伊豆半島でも駿河湾に面し、富士山と南アルプスの山並みが望め、夕日が美しい風光明媚な処である。夜になると遠く対岸に沼津、富士、焼津の街明かりが灯る。
個人的には、富士山の眺めはこの場所が日本一と思っている。

 かつて半島の付け根の山麓に、住宅を設計したとき、居間から望む夕日に赤く染まる湾曲した駿河湾と、それに連なる山並に燃えるようにそびえ立つ富士山を眺め、その偉容さに “ 天地創造 ” とはこんな状態だったのだろうと、深く胸を打たれ、小さな生き物としての自分を思った記憶がある。

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 富士と山並、海と空、ゆたかな自然のままの植生に包まれたこの場所では、透明な温湿度調整された膜に覆われた空間さえあれば、他に何もいらないとさえ思えた。
 シャープな軒先深い屋根庇と、コンクリート打ち放しの水平線が、透明なガラスに囲まれたファサードと相まって、中空に浮いたような感じの外観は美しく、納得できる。
 五年にわたる長い設計期間を通じ、「 四季の変化、一日の時の移ろいを体感しながら、自然景観とのマッチングを考え続けた 」 という設計者の言葉に、 「 思い入れ深く、心が形に表れている 」 と感ずることができた。

 平面計画は富士の眺めと、海と空、非日常の景色を最大限に生かすべく部屋の配置がなされ、水廻り等は日常的使用に十分に耐えうる的確な機能性を有し、伊豆・戸田の大自然に向けて、空間を解き放つように瀟洒なこの建物は在る。
特に寝室付きの外部バルコニーは、先端に仕込まれ、普段は全開放しているガラス戸と網戸を引き出すと、緩衝空間として、内部縁側にも虫除けの自然通風空間にもなる設えは気が利いていてありがたい。
別荘とは言え、よく考えられた贅沢で美しい空間である。

オーナーは東京から毎週末駆けつけて、悠久の刻(とき)を過ごしているという。




Posted by masuzawa05 at 06:00│Comments(0)
 
心を形に表す
建築空間にはいろいろの「想い」がある。
具体的な平面から容積のある空間へと立ち上げるさまざまな作業の中で、オーナーの使い勝手や心情が、私の心を通して色づいていく。
思い入れ豊かに熟成された建築空間には、オリジナルでしなやかな空気が息づき始める。
豊潤で美しく、時に凛々しい。
機能的であることは大切なことですが、美的な創意工夫も大切な要素です。
そう思いながら設計しています。


増澤信一郎
S22年10月11日生まれ
芝浦工業大学建築工学科卒業
静岡県伊東市宇佐美在住
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