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増澤信一郎の心模様

2014年05月08日

動物行動学・その3 「 動物の予知能力 」

 秋、カマキリが高い所に卵を産むと、その冬は雪が深い、とか。
 雪国ではあちこちにこのような言い伝えがある。

1









 日高さんのエッセイ集の中の動物の予知能力の項に、酒井さんという人の十年以上にわたる研究のことが載っている。そこからの抜粋である。

2









 酒井與喜夫さんは酒井無線という通信工事関係の会社の社長さんで、いわば全くの素人である。その酒井さんはまさに素人の情熱で、徹底的にカマキリの卵嚢の高さを調べて歩いた。しかも、吹きだまりか吹きさらしかというような補正法を考案してそれを加えながらデータを集めていったのである。
 十年あるいはそれ以上にもわたるそのようなデータの集積を丹念に見ていくと、どう考えてもカマキリはその場所の来るべき冬の雪の深さを予知し、その雪に埋まってしまわないような高さに卵を産んでいるとしか思えないのであった。
 何でもいいから五メートル、六メートルもの高さに卵嚢を産んでおけば、その冬にどんな雪が降っても大丈夫なことはきまっている。けれど、そんな高い草はないし、潅木でもそれほどの高さに達するものは少ない。雪の深さを予知して、最低限の所に産むほうが、産卵場所の選択はずっと広まる。カマキリはそれをやっているのではないだろうか。

 いつも雪の深い土地、あるいはいつも雪の少ない土地に住んでるカマキリを何十匹かずつもってきて、新しく造成して木を植えた、つまりそれまでカマキリのいなかった場所に放して卵を産ませる実験の結果、カマキリたちはほんとうにそうしていることが明らかになった。長岡工業高専の湯沢先生による数学的手法の助けも交えて、今やこのことは確かである。

 今年(1997年)の五月、学位審査の為の公聴会が開かれ、六月には酒井さんは工学博士(博士・工学)となった。前々からカマキリ博士として地元ではよく知られていた酒井さんは、いよいよ本当の博士になったのである。日本の雪氷学界ではすでに有名だったカマキリの積雪予知能力は、これで疑うべからざるものになったといってよい。

 けれど、カマキリはどうやって来るべき雪の深さを予知できるのであろうか?

 この地方でカマキリが卵を産むピークは十月の初旬から中旬である。実際に雪が降り出すのは十一月の末。根雪になるのは十二月に入ってからだ。卵を産んだカマキリはもちろんすぐに死んでしまう。死んでから二ヶ月先のことを、いったいどうやって予知するのだろう。

 酒井さんは今その問題と取り組んでいる。
動物の予知能力をオカルトの世界の問題にしないためにも、ぼくは大いに楽しみにしている。



● 私(増澤)早く知りたくもあり、又、不思議のままでそっとしておいてほしいような気分もある。 どうしたものか。・・・・・意外と簡単な物理的客観状況からのヒントかもしれない。 貴方ならどう思われますか。


Posted by masuzawa05 at 09:19│Comments(0)
 
心を形に表す
建築空間にはいろいろの「想い」がある。
具体的な平面から容積のある空間へと立ち上げるさまざまな作業の中で、オーナーの使い勝手や心情が、私の心を通して色づいていく。
思い入れ豊かに熟成された建築空間には、オリジナルでしなやかな空気が息づき始める。
豊潤で美しく、時に凛々しい。
機能的であることは大切なことですが、美的な創意工夫も大切な要素です。
そう思いながら設計しています。


増澤信一郎
S22年10月11日生まれ
芝浦工業大学建築工学科卒業
静岡県伊東市宇佐美在住
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