2012年01月30日
「 ボレロ 」
モーリス・バジャールが振付けた現代バレエの傑作 「 ボレロ 」。 1992年に世を去ったダンサー、ジョルジュ・ドンが 映画 「 愛と哀しみのボレロ 」 で主演をつとめ、バレエファン以外にも知られている。
ドン亡き後は、シルヴィ・ギエムさんが当たり役とした。
● ギエムさんが数年前から、自ら封印を宣言していた 「 ボレロ 」 を今、日本各地で公演している。
たまたまBSテレビで見て私(増澤)、熱い思いがこみ上げてきた。 「 HOPE JAPAN 」 と銘打った、東北大震災からの復興を願ったツアーだ。
ポスターデザインを高田賢三さんがしているのもすごい。
● 腹の底から響き渡る復興への情熱が、徐々に湧きあがりほとばしるのを感じた。
● 大震災からの復興という彼の地は、被災された人々にとってまさしく 「 正念場 」という悲願の 「 舞台 」 である。
彼女が 「 ボレロ 」 に託した、徐々に湧き上がり昂じる熱い感情の渦を伴ったシンプルで無駄のない舞踊は、 封印を解くに値する鎮魂の 「 正念場の舞 」 となった。
● 闘うバレエというタイトルの本を買った: ギエムさんは1997年二ヶ月にわたり39回の日本縦断公演をし、打ち上げの挨拶の席で、なぜかうっすらと涙を浮かべたという。
その時以来の熱い感情の発露が今回の公演に結びついているのだろうが、なんとシャイで温かい妖精のような人だ。
DVDで足跡を辿れば辿るほど、クラシックバレーに立脚し、感性の趣くままの創作バレエに、奥ゆかしい華を咲かせた人柄に惚れ惚れする。
Posted by masuzawa05 at 09:31│Comments(0)