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増澤信一郎の心模様

2011年03月22日

写真家の感性に学ぶ・その4(ワタリガラスの神話)

   
追悼:
 東日本大震災に遭われた皆様にお見舞いを申し上げると共に、お亡くなりになられた方々の冥福をお祈りいたします。建築設計を生業とするものとして、被災地のまるで爆撃を受けたような大津波の凄まじさに、人の作った家や、工作物のはかなさを思います。
私の大学の空手道部の先輩で、全日本で何度も優勝し、大槌町で設計事務所を開業していた千葉先輩が亡くなられました。一旦は避難したものの、愛犬を自宅につれに戻ったときに津波に飲み込まれたそうです。 私、学生時代は殴られっぱなしのきつい先輩でしたが、強さの中に秘めた優しさを思うと、涙が流れます。家族の一員である愛犬に対する優しい心があだとなったのでしょうか、悔しくてしょうが有りません。
合掌し冥福を祈ると共に、人の力は小さいけれど、小さな力も寄せ集めれば大きな復興への力に変わると信じています。どうか被災地の皆様、健康に留意されて徐々に日常を取り戻せるよう頑張ってください。



● 一週間遅れのブログですが、過去から未来へと連綿としてつながる時の流れの中で、人類の足跡を辿れば、思いもよらぬ遥かな年月を経て現在があります。

 私(増澤)思いますに、気の遠くなるような長い年月を掛けて、モンゴロイドは海を渡り、大陸を下り、南米の端までたどり着いた。となると、アラスカは長旅の序章でしかない。変わらずに自然が残るこの大地は、厳しい自然ゆえの奇跡かもしれない。

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◎ 星野道夫の仕事より:

狩に行ってワタリガラスに出会うと
人々はこんなふうに話しかけたものだった
“Tseekiaat sist’ anohaattee’oyh” ( おじいさん 私に獲物を落としてください )

もしその呼びかけに答えてくれたなら
それは狩りの幸運を約束してくれる
ワタリガラスはこの世界の創造主だと言われていて
私たちにとって特別な鳥
シャーマンだった父が話してくれた昔話には
いつもワタリガラスがでてきた
それは何か特別な力を持った生き物だった
ワタリガラスの他にBit’ ohudeettaa にも人々は祈る
この意味はよくわからないが
わたしたちのいのちが頼っている何かだと思う


○ クリンギット族にとどまらず、
アサバスカン・インディアン、そしてエスキモーに至るまで、
なぜワタリガラスが創世神話の主人公なのか、
この世に光をもたらし、人間を造ったというワタリガラスとは、
人々の心の中で一体何者なのか、
私は長い間その偶然性を不思議に感じていた。
が、何かそこに物語を感じ始めたのである。
それは決して偶然ではなく、
人々はワタリガラスの神話を抱きながら、
アジアから新大陸へ渡ってきたのではないだろうか。
つまり、ワタリガラスとは、
モンゴロイドがたどった遥かなる旅の足跡ではないだろうかと。

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○ 多くのトーテムポールはすでに傾き、いくつかは地面に横たわっていた。
苔むし、新たな植物さえ生えるトーテムポールから、
消えようとする模様が何かを語りかけていた。
クマの両手に抱かれた人間の子ども、クジラのヒレの間から顔を出すカエル、
村を見守るかのように最上部に刻まれたハクトウワシ・・・・・
森の中から現れたオジロジカがその間を、草をついばみながらさまよっている。
人間が消え去り、
自然が少しずつ、そして確実にその場所を取り戻してゆく風景だった。

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○ あたりの風景が動かないので、
まるで私たちは夜という海に浮かんでいるようだった。
山も川も森も、
闇の中で世界はぼんやりとした輪郭にしか見えなかった。
夜の森から呼びかけるフクロウのように、
みえないというだけで、それはさまざまなことを語りかけてきた。
私たちが言葉少なだったのは、きっとそのせいだった。
生命は抽象的となり、すなわち根源的となった。

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○ マガモ

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○ ツノメドリ

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○ あたりは氷河と原生林に覆われ、悠久なる時の流れの中で、
すべての自然が調和し、息づいていた。
その時である、
突然、一頭のクジラが目の前の海面から飛び上がったのだ。
巨体は空へ飛び立つように宙へ舞い上がり、一瞬止まったかと思うと、
そのままゆっくりと落下しながら海を爆発させていった。

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○ ラッコ

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○ セイウチは極北の代表的な海獣だ。
外見に似合わず臆病だが、
エスキモーの舟をひっくりかえしたりするときもある。
昔からエスキモーはセイウチを狩って食料にし、脂分を取っている。

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○ シャチ

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○ ぼくは川の流れに身を任せながらハクトウワシを見続けていた。
それはぴんと張りつめた、息詰まるような時間だった。
ぼくを見つめているこのハクトウワシは、過去にも未来にも生きてはいない。
そんな時間などは存在しない。
まさにこの一瞬、一瞬を生きているのだ。
そしてぼくもまた、遠い昔の子どもの日々のように、今この瞬間だけを見つめている。
一羽のワシとぼくがわかちあう奇跡のような出来事。
過ぎ去っていく今が持つ永遠性。
その何でもないことの深遠さにぼくは魅せられていた。
川の流れはぼくをポプラのすぐ下をすり抜けさせ、
ハクトウワシは飛び立たなかった。

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○ “ サケが豊かな森をつくる ”
この土地のインディアンの言葉
南東アラスカの森を流れる無数の川は、
夏になると、産卵のため遡上するサケで埋まる。
川がサケであふれ、
はじにいるサケが岸辺にはじき出される光景を見たことがある
森の奥まで行き着いたサケは産卵を終え、やがて死ぬ。
その一生を終えた無数のサケが、川下に流されながら、
森の土壌に豊かな栄養を与えてゆく。
以上 星野道夫の仕事・本文より抜粋

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◎ 作家の池澤夏樹さんはこう述べています:

 アラスカはじめアメリカ大陸の先住民はかつてベーリング海がまだ歩いて渡れたころに、アジアから渡った人々の子孫である。それから数千年の間、彼らは二つの大陸にはなればなれになりながら、ほぼ同じ神話を保持してきた。その点に星野は心を動かされる。数千年という長い時間の腐食作用に神話が抗しえたことに意味を見出す。われわれが持っているような短いせせこましい物差しではなく、千年をあっさり跨ぐような長い物差しを持った人々を彼は敬意の目でみた。
 アラスカは、時を経ても変わらないこと、人間がいた痕跡が残っていないことに意味がある土地である。われわれは自分たちがいた証拠を残しすぎる。醜いものをあとに残すことを誰も恥じない。生まれたときに借りた世界を、自分がいた痕跡をなにひとつ残さず、借りたときのままの姿で返せるという誇りを忘れてしまった。  文中より抜粋。



● 『 片付け と 潔さ そして 良心 』

我々は否応なしに “ 後世に残ってしまう建築 ” を作っているのではないかという疑問 ( 羞恥心 ) が湧いてきた。 

むしろ “ 後世に残すべき建築 ” を作らなければならないのでは!? それ以外はリサイクルする。自然素材は土に返る。


Posted by masuzawa05 at 10:05│Comments(0)
 
心を形に表す
建築空間にはいろいろの「想い」がある。
具体的な平面から容積のある空間へと立ち上げるさまざまな作業の中で、オーナーの使い勝手や心情が、私の心を通して色づいていく。
思い入れ豊かに熟成された建築空間には、オリジナルでしなやかな空気が息づき始める。
豊潤で美しく、時に凛々しい。
機能的であることは大切なことですが、美的な創意工夫も大切な要素です。
そう思いながら設計しています。


増澤信一郎
S22年10月11日生まれ
芝浦工業大学建築工学科卒業
静岡県伊東市宇佐美在住
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