livedoor Blog
このBlogをチェッカーズに追加 このBlogを
チェッカーズに追加
このBlogをリーダーに追加 このBlogを
リーダーに追加
増澤信一郎の心模様

2008年08月04日

『自由学園・明日(みょうにち)館』に行ってきました

 映画監督 羽仁進さんのお祖父さん、お祖母さんでジャーナリスト、羽仁吉一・もと子夫妻によって大正10年(1921)4月5日に創立、池袋にあります。        
設計はかの有名なフランク・ロイド・ライトです。

* (羽仁進さんのお父さんは我々70年安保世代のバイブルである 「都市の論理」を書いた羽仁五郎さんです。)


○ 創立者お二人の写真です。

130羽仁夫婦
















 この建物は、1923年の関東大震災、第二次世界大戦による戦災からも免れ、維持されてきましたが、老朽化が激しく、その為1997年の重要文化財指定を機に、1999年から3年間かけて、保存修理工事が行われました。

● 全体模型です

1'








● 正面外観です

2








● 正面窓の内観です

3









● 窓格子のデザイン

4








● 椅子(スパークリングワインは私の飲んだもの)

5











● 食堂天井のディテール

6








 今回は建築家フランク・ロイド・ライトのディテールの解説は皆さんご存知なので省きます。                                               
空間体験としては、スケール感が非常にヒューマンで建物を低く抑えた感じと、空間(部屋と部屋)の繋がりがうねるようにスキップして繋がり、目を転じる毎にあちらこちらに意匠格子の窓がいいバランスで配されて、赤いボールランプが灯り、グッド・センス・オブ・スペースでした。
私事ですが以前設計をした 『 茶寮 宗園 』 のロビーに赤茶革のライトデザインの椅子を置いたのが、懐かしい思い出です。一見蟹のような本物の椅子は17年後の今もバリバリの現役で、低く睨みを効かせています。

ものの本によると、「中央棟を中心に、左右に教室をシンメトリーに配し、ライトの第一黄金期の作風に見られる、高さを抑えた、地を這うような佇まいを特徴としています。プレイリースタイル(草原様式)と呼ばれるそれは、彼の出身地・ウィスコンシンの大草原から着想を得たもので、池袋の界隈に開放的な空間を演出しています。」とあります。


たしかに其処だけ日の光が水平に拡がって、投網(とあみ)のようにフワッと降り下りていました。

地を這うような謙虚な佇まいは日本家屋の特徴で、それ故に親しみがもてるのかもしれません。小屋裏を浅く、無駄なく納めるテクニックは、吉村さんや日本の建築家に多大な影響を与えたと思われます。                                 
願うらくは、シンメトリーを廃し、イレギュラーな増殖するアミィーバーのような配置(桂離宮のように)をしたなら、もっと日本人の心に食い込んだでしょうが、それが惜しい。でも学校だからいいか。



 以前からライトの造る邸宅は小規模な日本のホテル・旅館に応用出来るなと思っていたので、わが意を得たりと思う見学でした。


Posted by masuzawa05 at 08:47│Comments(0)
 
心を形に表す
建築空間にはいろいろの「想い」がある。
具体的な平面から容積のある空間へと立ち上げるさまざまな作業の中で、オーナーの使い勝手や心情が、私の心を通して色づいていく。
思い入れ豊かに熟成された建築空間には、オリジナルでしなやかな空気が息づき始める。
豊潤で美しく、時に凛々しい。
機能的であることは大切なことですが、美的な創意工夫も大切な要素です。
そう思いながら設計しています。


増澤信一郎
S22年10月11日生まれ
芝浦工業大学建築工学科卒業
静岡県伊東市宇佐美在住
MONTHLY ARCHIVES
アクセスカウンター
  • 今日:
  • 昨日:
  • 累計:

アクセスカウンター
  • 今日:
  • 昨日:
  • 累計: