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増澤信一郎の心模様 石井建築事務所ブログ

2008年07月14日

心に残る建築家の言葉・その17

 丹下さんといえば、風貌からして全てにわたって順風満帆な、東大出のエリート建築家と思っていましたが、(エリートには違いありませんが) 大学入学では2浪、日大芸術学部に在籍しながらの3度目に目的を果たしたという事を今回知り、なにか人間臭さを感じました。大学受験の際 建築について、こう考えたと述べています;

tange











 建築というものを、私は初めて考えてみた。それは確かに理科の人間が進む分野であるが、同時に芸術とも大いに関係がありそうだ。自分の独自の感覚や夢も、仕事の中に十分盛り込むことができるだろう。これなら自分も、情熱を込めて取り組めるかもしれない。

 先生に相談してみると、先生も 「 それはいい考えだ。ぜひやりたまえ 」 と言われる。私はその言葉に勇気付けられ、つい先ほどまで文科転向で頭が一杯になっていたのもどこへやら、今度は、 建築、建築 と言い出すようになった。


 東京オリンピック室内競技場(代々木体育館)

yoyogi












 建築物が抱える大空間は、ただ単に 「 そこに広がりがある 」 というだけでなく、そこを使う人々の気持ちとぴったり結びついたものでなくてはならない。 「 建築空間と人間精神のふれあい 」 である。だが、それを可能にする建築デザインとは何であろうか。私はこのころ、こうしたことをしきりに考え続けた。

 考えは必然的に ‘ 象徴 ’ という問題に発展した。振り返ってみれば、現代建築はいつのまにか、この象徴ということを忘れ去っているようにも思える。ひとついい機会だから、私たちがこの問題に真剣に取り組んでみようと考えた。この象徴という問題は、構造主義をさらに発展させ、人間性というものを一層深く考える立場ともいえた。


 オリンピックが終わってから、建築家には異例のディプロマ・オブ・メリット(功労賞)をいただいた。賞はもちろん大変ありがたかったが、そのときブランデージ会長が語られた次の言葉が、一層身にしみて感銘深かった。

 「 スポーツが建築家を鼓舞し、一方多くの世界記録がこの競技場で生まれたことでも分かるように、この作品が選手たちの力をかきたてたと言えるのではないでしょうか。この競技場は、幸いにも大会に参加できた人びと、また観戦することのできた ‘ 美 ’ を愛する人びとの記憶の中に、はっきりと刻み込まれるであろう 」

まさに、「 建築空間と人間のふれ合い 」 について、 「 象徴の意味 」 について、語った言葉であると、私には受け止められた。


 私(増澤)、建築家冥利に尽きる賛辞と思います。 
                 
又、丹下さんが自身の作品を他の建築家から批判されたときの返答に、こんなエピソードが有ったそうです:

「 わかりました。それでは、具体的に作品を作って私に見せてください 」と、言ったとか、言わなかったとか。 批判しただけでそんな風に言われたら困ってしまいますが、かなりの自信家とお見受けいたしました。( 近頃亡くなられたのが残念です )


 以前の鈴木都知事と丹下さんとの友好関係、都庁舎の設計。 そして今、再度の東京オリンピックを目指す、石原都知事の会合にピタッと寄り添う建築家 安藤忠雄氏・・・・       (黒川さんが亡くなられて)いいんでしょうか、 どうなんでしょうか。 全ては人脈と、営業から始まる。
当然うちなんかには声が掛からないでしょうし、また出来もしませんが、なにやら、面白そうではあります。


日本のお宿 のデザインにおいて‘ やすらぎ ’をどう象徴的に演出するか、それが問題だ! と思った次第です。


Posted by masuzawa05 at 10:07 │Comments(0)
 
心を形に表す
建築空間にはいろいろの「想い」がある。
具体的な平面から容積のある空間へと立ち上げるさまざまな作業の中で、オーナーの使い勝手や心情が、私の心を通して色づいていく。
思い入れ豊かに熟成された建築空間には、オリジナルでしなやかな空気が息づき始める。
豊潤で美しく、時に凛々しい。
機能的であることは大切なことですが、美的な創意工夫も大切な要素です。
そう思いながら設計しています。


増澤信一郎
S22年10月11日生まれ
芝浦工業大学建築工学科卒業
静岡県伊東市宇佐美在住
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