2006年02月14日
住宅について(吉村順三展)
去年の12月に東京芸大・美術館で ‘建築家・吉村順三展’がありました。
私的なことになりますが、上野の森は、今から40年前程前の高校2年生の時、大学受験夏季セミナーに一ヶ月間、池之端の親戚の家にホームステイした懐かしの土地で、建築家・前川国男さんの文化会館が在って、毎日そこを通りながら、聳え立つ大壁を前に、その力強さに圧倒され、それ故に建築もいいもんだと思い始めた、私にとっていわば設計を志した原点の場所なのです。
前置きが長くなりましたが
吉村順三さんの言葉:「建築家として、もっともうれしいときは、建築ができ、そこへ人が入って、そこでいい生活がおこなわれているのを見ることである。日暮れどき、一軒の家の前を通ったとき、家の中に明るい灯りがついて、一家の楽しそうな生活が感じられるとしたら、それが建築家にとっては、もっともうれしいときなのではあるまいか」
巨匠のほのぼのとしたお人柄が偲ばれる、団欒の光景を伴った語りが口が好きです。
普通らしい言葉、普通らしい建築、それでいて豊かな空間・・・・・素晴らしい。
加うるに、ハード面から何よりも大切なのは「内・外部にわたるプロポーションの美しさではないだろうか」 とも述べています。
普段、住宅の設計でプロポーションを説いてもなかなか判ってもらえないのです。平面的な機能が邪魔をしている場合が有るからです。けれども完成した暁には、出来栄えは一目瞭然です。機能とプロポーションの整合が大切で、美しさはそこから生まれます。‘センス オブ プロポーション’我々も肝に銘ずべき言葉です。
建築美人はプロポーション美人でもあります。ささやかでは有りますが、当社の規格住宅・木肌美人シリーズもそうありたいと思いつつ会場を後にしました。
蛇足ですが、住宅の設計を出来る人は超高層も設計できるが、超高層を設計出来るからと言って、住宅を設計できるとは限らない。・・・・誰の誰兵衛曰く。元気を出しましょう
Posted by masuzawa05 at 20:01│Comments(0)