2006年01月30日
H・旅館に行ってきました。
軽井沢の真冬は寒かろう・・・・・。などと思いながら、雨の中傘をさし、懐中電灯を点しながら路地を右往左往、晩秋の‘谷の集落’はそろそろ冬の訪れ。
建物から建物を見渡せる景色を意図的に取り入れた構成は、赤い灯りが点ると何故か懐かしい安心感が有ります。が、池越しに中の人間までもが見えてしまうのは如何なものでしょうか。思わず私の方でブラインドを閉めてしまいました。
軽井沢らしさとは何なのか・・・・・いつも見学に訪れるたびに自分自身にする問いかけが、ここでもふと、頭をもたげました。
好きな本でも持って、CDを聞きながら、ゆったりと2〜3泊するのにはもってこいの
‘ホテル’だと思いますが・・・・・。
桂離宮が、少しずつ増築修正を重ね今のまとまりになったと、何かの本で読んだことがあります。自然発生的に出来る美しい集落は、その形成される過程で景観と佇まいとの阿吽の修正がなされ、それなりの形を成すことを考えると、最初から‘谷の集落’つくりに挑戦した施設作りには敬意を表しますが、いろいろ急ぎすぎた感が有ります。
泊食分離(一泊朝食付)の考え方で、そのせいか敷地内のメイン棟にダイニングが有るものの、夕食の利用率は50%とのこと(一泊朝食付の単価設定をいくらにするのか、むずかしいな!と思いました)、部屋でリラックスすればするほど、寒い時季外めしは辛いものが有ります(24時間のルームサービスが有るとはいえ、それらはあくまでも簡易なものであり、晩餐ではありません) 思い出に残るような、ムードの有るゆったりとした、ここだけのデザインを伴った、本格的なダイニングが欲しいと思いました。
一番近くにあるモダンな洞窟瞑想風呂(この言い方が正しいか判りませんが)へは外を歩いて行きます。浴槽の中は歩き進むと、一番どん詰まりの空間で暗く熱気が有って、男の私でもちょっと怖い感じがしました。(ぐるっと回って元に戻れればいいのに)
これからの旅館はやっぱりお風呂と食事処とゆっくり出来るお部屋の組み合わせによる個性化だな、と再認識した次第です。
とまれ、お客様にこう使ってもらいたい、と言う意図が施設作りにはっきり表れていて、かつ、お客のあれもこれもの要求に媚びずに、ウチはこういう宿ですと言い切れる決意が表れた、‘離れ風ホテル’だと思われます。私はこれも一つの在りかただと思いました。
Posted by masuzawa05 at 17:36│Comments(0)