2005年12月12日
民家(民芸)考・その3
民家の特色
一、 木割が太く、構造むき出しである。(柱と柱の間合い、バランスが大切である)構造そのものが意匠となるので、柱割で空間の善し悪しが決まる。
一、 大きな柱、梁組みで空間を先ず作り、各部屋はその大空間を割りとって作る在来軸組み工法である。
現代の機能住宅は、特定の機能を持った部屋をつなげて、その上に屋根を掛ける手法を取る。その為間取りと屋根のバランスを常に図りながらプランしないと、おかしな・美しくない屋根・外観となる。
民家は構造・屋根掛けの論理からして、シンプルであるが内部は変化に富み、非常にフレキシブルな空間作りと言える。
そして人が民家の魅力にとりつかれる主な理由に、懐かしさがある。木割り太く、ごつい感じのする、それ故に耐久性の有るフレキシブルな大空間を行きかう‘気の回り風’・・・
逞しく幾百年を経てきた中で醸し出される、人の香りであり、生活の中で磨きあげられた親しみのある色合いである。
人が素朴な民家や民芸に惹かれるのは、建築家のいわゆる和風数寄屋建築に対する‘いじくり’が時に「うるさい!」と感じるからでしょう。
複雑な時代になればなるほど、磨き上げられたシンプルさを求めるのかもしれません。
私自身に対する戒めの言葉としたい。
今は空間を似せ、古材風に仕上るのではなく、現代の材料を使用して、民家の持つ‘ふくよかな心意気’を形に表すことを心がけています。
Posted by masuzawa05 at 10:41│Comments(0)│
TrackBack(0)