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増澤信一郎の心模様

2005年10月17日

日本の軒先空間・その2

 縁体空間  内部と外部の中間領域、外部に面した開口部から縁側・濡れ縁・テラス・庇などを経て、軒先に至るまでの各部位によって創出された空間。この曖昧な中間領域のデザインが腕の見せ所である。
 建築家・横内敏人さんはこう言っています「軒内空間をどう作るかということは、自分が‘外’とどう係わるかという基本的な表明であり、それが採光・通風・断熱性・プライバシーなど、住まいの囲いとしての性能を大きく左右する。 しかし、軒内空間をどう演出するかが、日々の生活に変化と楽しみを生み出すと共に、住まいの付加価値を高める重要な要素であることを忘れてはならない。」
 伝統的な日本の家には豊かな軒内空間が存在していた。日本建築の本質は縁側・濡れ縁等を境として内と外につながる軒内空間に有ったと言ってもいいでしょう。現代の家作りの具体的な空間や間取りにその精神性をどう取り入れてゆくのか・・・そこが肝心です。

 そしてこう続けています「外の景色がきれいに見える大開口部は魅力的だが、それによって夏は日が入りすぎて部屋が暑くなったり、冬はコールドドラフトで足元が冷え込んだり、夜は外から中が丸見えになってはプライバシーに問題がある。この相反する問題を解決し両立させることが出来ないだろうか。そこにこそ自分だけのオリジナルなデザインが生まれる。」具体的なテクニックは著書を参考にしていただくとして、ここでは総論にとどめます。

 人の入る器としての建築を作り続けながら、かつて日本の住まいが当たり前のものとして持っていた‘魅力と豊かさ’を今の私たちの生活に新しい形で取り戻せないだろうか!又そうすることによって、修復が困難になろうとしている人間と自然とのより良い関係を個人の生活意識のレベルに取り込み、根付かせたいと思っています。日本の‘宿り’としての旅館も例外ではありません。
 それは広義に考えれば、人も建物も自然の一部なのだから・・・・・・・。
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軒先07

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心を形に表す
建築空間にはいろいろの「想い」がある。
具体的な平面から容積のある空間へと立ち上げるさまざまな作業の中で、オーナーの使い勝手や心情が、私の心を通して色づいていく。
思い入れ豊かに熟成された建築空間には、オリジナルでしなやかな空気が息づき始める。
豊潤で美しく、時に凛々しい。
機能的であることは大切なことですが、美的な創意工夫も大切な要素です。
そう思いながら設計しています。


増澤信一郎
S22年10月11日生まれ
芝浦工業大学建築工学科卒業
静岡県伊東市宇佐美在住
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