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増澤信一郎の心模様 石井建築事務所ブログ

2017年02月27日

黄金のアフガニスタン

「 自らの文化が生き続ける限り、その国は生きながらえる 」 その輝きに隠された
「 命がけの物語 」 上野の森の博物館に “ 黄金の美 ” を求めて出掛けた。

 古くから『 文明の十字路 』 として栄えたアフガニスタン。インドの北西側に位置し、パキスタン、イラン、中国等に囲まれた内陸の地は、シルクロードの拠点として様々な文明が混じり合い、独自の発展を遂げてきました。アフガニスタン国立博物館所蔵の古代工芸品231点が集められた特別展は、紀元前2200年ごろから紀元2世紀にかけて栄えた文化を、4か所の古代遺跡から出土した “ 秘宝 ” によって紹介する内容になっています。

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● 政情不安なアフガンで手つかずの遺跡が発掘された奇跡。

遥かなる時空を超越して蘇る黄金。 煌きに吾が心呼応し、想いはアフガンに馳せる美しき邂逅。


○ キュベーレ女神円盤(前世紀)、牡羊像(1世紀)、マカラの上に立つ女性像(1世紀)


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○ 冠(1世紀)、ドラゴン人物文ペンダント(1世紀)

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○ イルカに乗ったキューピッド文留金具(1世紀)、魚形フラスコ、ハート型耳飾り

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● 発掘された石版に刻まれていたこの言葉。現代に通ずる “ 生き方 ” を感ずる。  

◎ デルフォイの信託: 古代ギリシャ中部のデルフォイにはアポロン神殿があり、多くのポリス(都市国家)がここに参じて、政治・外交の指針を神託(予言)に求めた。

デルフォイの金言(格言)

「 幼きものは行儀よきものとなり

青年とならば自制知る者となり

壮年とならば正義知る者となり

老年とならば良き助言者となれ

されば汝、悔いなき死を得ん 」
  

  「 The Delphi maxims 」

  As a child, learn good manners
  As a young man, learn to control thy passions
 in middle age, be just
 in old age, give good advice
  then die, without regret,













● 全く正鵠を得た言葉である。私(増澤)丁度老年にあり、この言葉痛く心に響く。「 in old age ,give good advice 」

昼時、博物館の敷地内に在る前から入りたいと思っていたホテルオークラレストランにて、ドライカレーを食べビールを飲む。

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● 美しいものを見た後、アフガニスタンを含め、各地のテロリズムの現状に心が痛む。

そして、古代文明なぜこんなにも美しく華麗なのだろうかと、・・・多分当時も美しく幸せに満ちていたことだろうと、その頃に思いを馳せる。
百年単位の悠久の時が流れていたのだろう。

● テロリズムの温床、横たわる抜き差しならない現実がある。

頻発する、世界各地の騒乱には

非民主的な政治
絶望的な貧困
持続不可能な格差
民族や人種基づく差別。


◎ 和光大学名誉教授の 前田耕作さんの新聞評より:

アフガニスタンの平和は、王政から共和制へ、共和制から社会主義体制へと大国の思惑によって急速に国政が変わってゆく過程で生じた混乱の中で失われていった。79年の旧ソ連軍のアフガニスタン侵攻が戦火を激化させ、こんにちなお、その余燼に苦しんでいる。
 今回の特別展 「 黄金のアフガニスタン 」 は、激動する政治世界のなかにあって、ひたすらにアフガニスタンの歴史文化に魅せられた考古学者たちが発掘し、そしてその成果を受け取ったアフガニスタンの人びとが果てしない戦火のもと、それらを国の魂として守り抜いた物語と共にある。

 王政➡共和制➡社会主義➡専制政治➡テロ・混乱、 ここから、多分➡民主主義
  

Posted by masuzawa05 at 15:00Comments(0)

2017年02月20日

地球のこと

今、谷川さんの詩集を括りながら、地球のことを身近なところから考えている

 日本中どこへ行っても、コンビニがあふれていて、熊本でも北海道でも同じような景色がロードサイドに在る。
 町も村も、新建材で作られた安易な家々が拡がり、一見奇麗だが建物のプロポーションも悪くやせている。この日本、どうしたというのだ。

 子供の頃のセピア色の景色には、小川が流れ、個人の魚屋や八百屋があり、近所の漁師さんが朝方採った新鮮な魚をおかみさんが売り歩いていた。そして天然素材で作られた家々は質朴に輝いていた。

近所の大木にはフクロウが鳴き、
夕やみにコウモリが飛び交い、
近くのせせらぎにはホタルが舞った。

 大事にすることなく、失われてしまったものの多さに気がつき驚く。人間が現れるかなり前から地球は有って、我々はずっと、ずっと後からの客なのだと気付いた。

 そして今



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 『 地球の客 』

躾の悪い子どものように
ろくな挨拶もせず
青空の扉をあけ
大地の座敷に上がりこんだ

私たち 草の客
木々の客
鳥たちの客
水の客

したり顔で
出されたご馳走に
舌づつみを打ち
景色を讃(ほ)めたたえ

いつの間にか
主人になったつもり
文明の
なんという無作法

だがもう立ち去るには
遅すぎる
死は育(はぐく)むから
新しいいのちを

遠い歌声
風のそよぎ
聞こえるだろうか
いま        谷川俊太郎。



● 私(増澤)思いますに、 「 人は自然に、間借りをしている 」 
この言葉忘れないでほしい。  
Posted by masuzawa05 at 06:00Comments(0)

2017年02月13日

2016年中部建築賞一般部門入選作品・浜松信用金庫三方原支店

● その3 浜松信用金庫三方原支店


 ファサードは 軽快、シンプルで、親しみやすく、美しい。


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金融機関にありがちな、かたさ・しかつめらしさが無く、かと言ってくだけ過ぎもしないデザインに好感が持てる。天竜ヒノキの集成材を使った縦格子兼用の窓枠が軽快・リズミカルで、ルーフを飾る三段の伸びやかな水平庇と相まってシンボリックなやさしさに満ちている。
三段の屋根庇の下には前面から順に、市民ギャラリー、お客様ロビー、営業業務室が設えられていて、それぞれの屋根段差に組み込まれたハイサイドライトからは自然光が均等に降り注ぐ仕組みが構造に偽りがなく見事である。
環境負荷低減については木格子による西日遮蔽、自然通風、自然採光、太陽光発電、雨水貯留、等の配慮が心地良く計られている。強いて苦言を呈するならば、お客様がカウンター前に立ったとき、営業執務室越しに緑に満ちた中庭が臨めたら従業員共々清々しいだろうと思った。又、メインエントランス近くに入口を暗示させるシンボリックな樹を配し、変形だが使い易い自然な形でのスロープ兼用通路があれば、階段も要らず事足りるのにと思ったりもした。スロープ造りの為のスロープが多い様に思う・・・?如何なものか!
一連の信用金庫さんの作品の中で、今回特筆すべきは前面に市民ギャラリーが設けられていることにつきる。審査に訪れたときには水彩画展が開かれていて、眺めていると出展者の一人と思われるご婦人が冷たい緑茶を私共に供してくれました。使い勝手もいいのでしょう、心和むものがありました。

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ギャラリースペースは低料金で夜間貸し出しもできるように、執務空間との防犯区画も配慮されており、ファサードにシャッターも無く、まるで行燈照明のようにシンボリックに街に灯りを燈す景観は安心感があり、美しく、街にとって必要な施設となっている。

これからの地域金融機関のあるべき姿を具体化していて、必見に値する建物であろう。
                               
  
Posted by masuzawa05 at 13:32Comments(0)

2017年02月06日

2016年中部建築賞住宅部門入賞作品・西伊豆の家

● その2 西伊豆の家
 
西伊豆と言えば、伊豆半島でも駿河湾に面し、富士山と南アルプスの山並みが望め、夕日が美しい風光明媚な処である。夜になると遠く対岸に沼津、富士、焼津の街明かりが灯る。
個人的には、富士山の眺めはこの場所が日本一と思っている。

 かつて半島の付け根の山麓に、住宅を設計したとき、居間から望む夕日に赤く染まる湾曲した駿河湾と、それに連なる山並に燃えるようにそびえ立つ富士山を眺め、その偉容さに “ 天地創造 ” とはこんな状態だったのだろうと、深く胸を打たれ、小さな生き物としての自分を思った記憶がある。

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 富士と山並、海と空、ゆたかな自然のままの植生に包まれたこの場所では、透明な温湿度調整された膜に覆われた空間さえあれば、他に何もいらないとさえ思えた。
 シャープな軒先深い屋根庇と、コンクリート打ち放しの水平線が、透明なガラスに囲まれたファサードと相まって、中空に浮いたような感じの外観は美しく、納得できる。
 五年にわたる長い設計期間を通じ、「 四季の変化、一日の時の移ろいを体感しながら、自然景観とのマッチングを考え続けた 」 という設計者の言葉に、 「 思い入れ深く、心が形に表れている 」 と感ずることができた。

 平面計画は富士の眺めと、海と空、非日常の景色を最大限に生かすべく部屋の配置がなされ、水廻り等は日常的使用に十分に耐えうる的確な機能性を有し、伊豆・戸田の大自然に向けて、空間を解き放つように瀟洒なこの建物は在る。
特に寝室付きの外部バルコニーは、先端に仕込まれ、普段は全開放しているガラス戸と網戸を引き出すと、緩衝空間として、内部縁側にも虫除けの自然通風空間にもなる設えは気が利いていてありがたい。
別荘とは言え、よく考えられた贅沢で美しい空間である。

オーナーは東京から毎週末駆けつけて、悠久の刻(とき)を過ごしているという。


  
Posted by masuzawa05 at 06:00Comments(0)
心を形に表す
建築空間にはいろいろの「想い」がある。
具体的な平面から容積のある空間へと立ち上げるさまざまな作業の中で、オーナーの使い勝手や心情が、私の心を通して色づいていく。
思い入れ豊かに熟成された建築空間には、オリジナルでしなやかな空気が息づき始める。
豊潤で美しく、時に凛々しい。
機能的であることは大切なことですが、美的な創意工夫も大切な要素です。
そう思いながら設計しています。


増澤信一郎
S22年10月11日生まれ
芝浦工業大学建築工学科卒業
静岡県伊東市宇佐美在住
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