2017年01月30日
2016年中部建築賞住宅部門入選作品・ヒカリノコヤ
去年12月で中部建築賞の審査員としての4年の任期満了です。私が担当し、現地調査した三つの物件を三週にわたり順次ご紹介いたします。
● その1 ヒカリノコヤ
母屋 ( 主屋(おもや) )の在る同一敷地内の一段低くなった庭の一画に、別棟あずまや風佇まいのこの建物は有る。
母屋の南に位置している為、軒高を低く押さえ採光通風上の問題を処理しつつ、庭の点景として違和感のないレイアウトとしている。南西の角に向け屋根勾配を立ち上げ、象徴的な採光のためのトップライトと、脇に換気の為のガラスの電動ハイサイドガラリを設け、ワンルーム空間の通風と、中二階風オープンな寝室スペースへの採光とし、内部機能空間が外観を決定しているシンボリックで構造に素直な建物である。
プラン的には、普段の生活ができる諸室が母屋の方にあるので、敷地内別荘と言うような仲間内でワイワイガヤガヤ“ お晴れの場 ” 的な位置付けとなっている。家族三世代、時には友人・隣人を招いての交流空間としての居間と、コンクリート製大テーブルをドンとメインに据えた全面床暖房されたダイニング・キッチンが主役である。
隣地側は閉じ、残り二面は全開放出来る木製引き込みガラス戸で庭や母屋に開放され、内外部一体となる仕組みは伸びやかでいい。
寝室は斜め天井の頂部 「 光の小屋 」 の真下にあり、居間の床からスキップ・アップして入る。水回りはその床下にコンクリートBOXで造り、居間からはステップ・ダウンして使用する。洗面はコンクリート製の大テーブルの一画にあり、流しと同仕様のステンレスの大きなシンクで、これなども使い勝手上はなるほどと理解できる。
これからの時代、住まいは新築か増築か改装か!? 三世代の住まい方が問われていると設計者はとらえ、そのための解決策として彼は 「 ‘ 脇屋 ’ という概念でデザイナーとしての創作欲を喚起している 」 と言う。 母屋( 主屋(おもや) )⇔ 脇屋(わきや) こんな風に私は理解したのだが、如何なものでしょうか。・・・・・小さな一点(家)が扇(家族)の要を演出する
みんなの敷地に、最小限の予算で “ なごやかなにぎわい ” を演出する建物を点描する楽しさは、古くて新しいデザインの提示であろう。
● 敷地形状や高低差、方位やロケーション、家族構成や生き方、いろいろな要素が混じり合い空間が生まれる。建築家は機能、空間美、心意気を自在に操るマジシャンのようなもの。
そう思って建物を俯瞰・透視するとあかりのなかになにやら楽しげな空気が流れているのが見える。そこに建築設計を天職とする醍醐味がある。
● その1 ヒカリノコヤ
母屋 ( 主屋(おもや) )の在る同一敷地内の一段低くなった庭の一画に、別棟あずまや風佇まいのこの建物は有る。
母屋の南に位置している為、軒高を低く押さえ採光通風上の問題を処理しつつ、庭の点景として違和感のないレイアウトとしている。南西の角に向け屋根勾配を立ち上げ、象徴的な採光のためのトップライトと、脇に換気の為のガラスの電動ハイサイドガラリを設け、ワンルーム空間の通風と、中二階風オープンな寝室スペースへの採光とし、内部機能空間が外観を決定しているシンボリックで構造に素直な建物である。
プラン的には、普段の生活ができる諸室が母屋の方にあるので、敷地内別荘と言うような仲間内でワイワイガヤガヤ“ お晴れの場 ” 的な位置付けとなっている。家族三世代、時には友人・隣人を招いての交流空間としての居間と、コンクリート製大テーブルをドンとメインに据えた全面床暖房されたダイニング・キッチンが主役である。
隣地側は閉じ、残り二面は全開放出来る木製引き込みガラス戸で庭や母屋に開放され、内外部一体となる仕組みは伸びやかでいい。
寝室は斜め天井の頂部 「 光の小屋 」 の真下にあり、居間の床からスキップ・アップして入る。水回りはその床下にコンクリートBOXで造り、居間からはステップ・ダウンして使用する。洗面はコンクリート製の大テーブルの一画にあり、流しと同仕様のステンレスの大きなシンクで、これなども使い勝手上はなるほどと理解できる。
これからの時代、住まいは新築か増築か改装か!? 三世代の住まい方が問われていると設計者はとらえ、そのための解決策として彼は 「 ‘ 脇屋 ’ という概念でデザイナーとしての創作欲を喚起している 」 と言う。 母屋( 主屋(おもや) )⇔ 脇屋(わきや) こんな風に私は理解したのだが、如何なものでしょうか。・・・・・小さな一点(家)が扇(家族)の要を演出する
みんなの敷地に、最小限の予算で “ なごやかなにぎわい ” を演出する建物を点描する楽しさは、古くて新しいデザインの提示であろう。
● 敷地形状や高低差、方位やロケーション、家族構成や生き方、いろいろな要素が混じり合い空間が生まれる。建築家は機能、空間美、心意気を自在に操るマジシャンのようなもの。
そう思って建物を俯瞰・透視するとあかりのなかになにやら楽しげな空気が流れているのが見える。そこに建築設計を天職とする醍醐味がある。
Posted by masuzawa05 at
07:32
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