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増澤信一郎の心模様

2015年02月23日

建築賞・その3 コヤノスミカ

私(増澤)、2014年から中部建築賞の審査員をしている。

意図的に、普段あまり手がけていない住宅を中心に現地調査し、推薦した建物が今回入賞した。たまたま今年も去年と同じ設計者であることが、現地にて分かりビックリしたのだが、その力量もさることながら、オリジナリティーを追求する姿勢には敬服している。

 既存瓦葺の母屋と渡り廊下で繋がった三角屋根の外観の対比が気になっていた。
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内部に入ると、外観が内観に表れ、構造が明確である。

平面的なコの字形の白く塗られた耐力壁の上に、ベニヤ素地の工場生産のパネルで出来た合掌梁がリズミカルに1,800ピッチで乗っている。桁方向は棟木も通さず覆われた細い垂木のみで合掌梁を繋ぐという単純明快なシステムである。

 インテリアは2,000以下の白い壁に、規則的に穿たれた一本引きのガラス窓と上部は木肌色のベニヤ天井と梁パネルの連続する三角空間で構成された、シンプルな造りである。

内と外をつなぐ、大きなガラスの一本引き戸部分のコンクリート土間は、日本的あしらいが見られる。外を内に引き入れ、内を外に解き放つデザインとして秀逸である。

 平面的な通風は充分であるが、縦方向、平面的長辺方向に抜ける、上部三角空間の通風をもう少し考えれば、ACも不要であったろうと思われる。

 当初気になっていた外観上の問題も、若夫婦の人寄せの離れとして、家庭内別荘と思えば気にならなくなっていた。安価で丁寧なつくりは機能要求に媚びず凛とし素晴らしい。
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最後に表彰式の会場の写真をアップしました。

  

Posted by masuzawa05 at 11:03Comments(0)
心を形に表す
建築空間にはいろいろの「想い」がある。
具体的な平面から容積のある空間へと立ち上げるさまざまな作業の中で、オーナーの使い勝手や心情が、私の心を通して色づいていく。
思い入れ豊かに熟成された建築空間には、オリジナルでしなやかな空気が息づき始める。
豊潤で美しく、時に凛々しい。
機能的であることは大切なことですが、美的な創意工夫も大切な要素です。
そう思いながら設計しています。


増澤信一郎
S22年10月11日生まれ
芝浦工業大学建築工学科卒業
静岡県伊東市宇佐美在住
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