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増澤信一郎の心模様

2015年01月26日

昆虫はすごい

 昆虫学者丸山さんの同名の本を読んでみた。

 われわれヒトの祖先の一部は、約十万年前にアフリカを旅立った。行く先々で社会集団を形成しつつ、ユーラシア大陸を横断し、アメリカ大陸へ渡り、それから一万年ほど前に南米大陸の南端まで到達し、ほぼ全世界に生息地を広げた。
 その後文明を発達させ、今では、地球上の自然環境に対して最も影響力のある生き物となっている。しかしそんなヒトも、所詮、数え切れないほどの生物種の中の一種に過ぎない。
 たとえば、本書の主役である昆虫は、知られているだけでも世界に百万種を数え、地球上に生活する生物種の大部分を占めている。

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● 動物群の歴史は五億年であり、人類の歴史は10万年、その1/5000。
つい「さっき」のこと、たった一呼吸にすぎない。

しかしながら、人間の世代交代を30年としてみると、今の私は最初の祖先から3,300世代目にあたる・・・永いのか短いのか!?


◎ 驚きの数々:

○昆虫の特性を工業製品に・・・

たとえば、昆虫の基本的な性質ともいえる巧みな飛翔、泳ぎ、跳躍は、いまだにヒトには再現の難しい力学的な精確性に基づいている。考えてみれば、ヒトの技術をもってしても、いまだハエのように自由自在に飛ぶ小さな装置を作り出すことはできていない。
 ほかにも、小さなセミやスズムシが、あれほどの大きな音を出すことや、さまざまな昆虫がツルツルの壁を登れること、多くの虫の体表がほとんど汚れないことなど、昆虫の能力とそれを支える形態的特長には、ヒトにとって学ぶべきことが余りにも多い。
 その重要性においては、哺乳類や鳥類以上のものがあり、改めて昆虫の多様性というものの価値を思い知らされる。

○摂氏百度の‘オナラ’・・・

 三井寺に因んだ、ミイデラゴミムシという体長二センチメートルほどの甲虫がいる。この虫の出す「オナラ」は「オナラ」で済まされるものではない。なんと摂氏百度もの高温で、自由自在に出す角度を調整でき、敵に向けて噴射するのである。
 私も何度もやられているが、「ブー」という音とともに、煙が出て、指にその「オナラ」が当たると、一瞬、熱さを感じ、強力な臭いと茶色いしみを残す。しみは軽いやけどのようなもので、のちに皮がむけることさえある。ヒトに対してもそれほど強力なので、間違えて捕食しようとしたカエルなどは相当痛い目にあうだろう。
 その「オナラ」はどのようにして発生するのだろうか。当然、百度もの気体を体内に保持したら、虫自体がその温度で死んでしまう。
 実はこの虫の腹部には、ヒドロキノンと過酸化水素という二つの化学物質を貯蔵する袋がある。危険を感じると、両者を腹部先端の小さな部屋に流し込み、そこで酵素が反応し、爆発するのである。
 この虫はそのような複雑な化学合成を一瞬で、しかも何回も連続ですることができる。この虫には悪いが、背中を押すと「ブー、ブー」と何度もオナラをするので、ついつい遊んでしまう(やがて出なくなる)。
 たいていの昆虫は小さな体で大きなことをするものだが、特にこの虫のように小さな体でこのような巨大な爆発を何度も引き起こすというのは、なにかヒトの役に立つものを開発できる可能性を感じずにはいられない。

○時間の旅・・・

 アフリカの乾燥地帯に生息するネムリユスリカという種がいる。この虫がとんでもない能力を持っているのだ。
 その幼虫は、乾季になって生息地の水たまりが乾くと、水分三パーセントの乾燥した状態で無代謝のままで休眠をする。そして水を与えると復活する。
 人口の環境下ではあるが、一七年間ずっと乾燥状態だったものを水に戻し、再び動き出したことが確認された。まさに時間を旅する昆虫である。
 また強い耐性を持ち、摂氏百三度に一分、摂氏零下二百七十度に五分、そのほか、無水エタノールや放射線にも耐えることができるという。
 どうしてこのようなことができるのかというと、水に代わってトレハロースという糖を体内に蓄積し、生体成分を保護することができるからである。水たまりが乾いて、だんだんと環境が厳しくなると、体にトレハロースが蓄積されていく。

○まちぶせする虫・・・

 アリジゴクのように巣穴にちょうどいい獲物が落ちたり近づいたりする確率は低いので、巣穴で待ち伏せする昆虫の幼虫は飢餓に強いのがふつうである。アリジゴクなどは、数か月の飢餓にも耐えることができるという。
 この虫の面白いのは、幼虫の期間に糞をほとんどしないという生態である。消化管の中に糞を貯めておいて、飢餓の際の栄養にする非常食という意味もあるのだろうか。蛹になり、成虫になったときに、大きな糞をひねり出して空へ飛び立つ。

○紙の家・・・

 スズメバチやアシナガバチの巣房は和紙そっくりの材質で軽く、とても丈夫にできている。実際、植物の繊維を噛み砕いて、それを唾液でつなぎ合せて作ったものであり、ヒトの作る紙そのものといっても間違いではない。アシナガバチを「ペーパーワスプ(紙蜂)」と呼ぶが、それは巣の特徴を示した呼び名である。

○空調の効いた自然の建造物・・・

 昆虫の家を語る上で忘れてはならないのは、蟻塚と呼ばれるシロアリの巣であろう。アフリカやオーストラリアに生息するシロアリには高さ数メートルを超える家を作るものが少なくない。
 具体的には、その空調機構の完備である。分厚い土の壁の内側には、大小の坑道が血管のように張り巡らされ、ところどころに煙突のように穴が開いている。その構造による塚の保温と放熱が巣内の気温を安定させ、夜は寒く昼間は灼熱の乾燥地帯での生活を支えているのである。
 ちなみのシロアリはゴキブリの仲間である。ゴキブリの進化の中で、朽木を食べるものからシロアリが進化したと考えられている。だからハチの仲間であるアリとはまったくの遠縁で、シロアリの塚を見て「蟻塚」と呼ぶのは生物学的には間違いである。


● まだまだ紹介したい色々の例があるが、この辺で・・・。いずれにしても昆虫は凄い!

たまげた! ( 魂消えた )と書くらしい。
  

Posted by masuzawa05 at 11:31Comments(0)
心を形に表す
建築空間にはいろいろの「想い」がある。
具体的な平面から容積のある空間へと立ち上げるさまざまな作業の中で、オーナーの使い勝手や心情が、私の心を通して色づいていく。
思い入れ豊かに熟成された建築空間には、オリジナルでしなやかな空気が息づき始める。
豊潤で美しく、時に凛々しい。
機能的であることは大切なことですが、美的な創意工夫も大切な要素です。
そう思いながら設計しています。


増澤信一郎
S22年10月11日生まれ
芝浦工業大学建築工学科卒業
静岡県伊東市宇佐美在住
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