2014年03月31日
動物行動学・その2 「 昆虫の羽ばたき 」
昆虫がどうやって飛んでいるかという、一見他愛もないことについての話である。誰もが見るともなく見ているとおり、昆虫たちははねを羽ばたいて飛んでいる、鳥も翼を羽ばたいて飛んでいる。
だから鳥も昆虫も同じなんだ、とだれもが思っている。
昔の偉人レオナルド・ダ・ヴィンチもそう思っていた。そこで彼は、人間の腕に翼をとりつけ、腕でそれを羽ばたけば、人間も鳥のように空を飛べるだろうと考えた。
この羽ばたき飛行機は失敗した。失敗の理由はいろいろあったが、いちばん大きなのは人間の腕で出せるぐらいの力では、風に乗って滑空するならともかく、とても地上から飛び上がることなどできないからであった。
その後人間は、羽ばたきとはまったくちがう原理で飛べることを発見し、飛行機を作ったのである。
けれど現在なお、鳥も昆虫もはね(翼)を羽ばたいて空中を飛んでいる。彼らの飛行の力学を理解するにはむずかしい数学が必要なので、僕にも依然としてよくわからない。
だれでも知っているとおり、鳥の翼はもともとは人間の腕と同じものである。だから鳥たちは、基本的にはわれわれ人間が水中で泳ぐとき腕で水をかくのと同じようにして翼を動かし、空中を飛んでいる。鳥の翼の根もとには、人間の腕の根もとにあるのと同じ筋肉がついており、その筋肉の力で翼が羽ばたくのだ。
自分の体を空中に浮かべて空を飛ぶ鳥たちの場合はもっと大変だ。鳥の翼の根もとから胸にかけては、人間の腕のとは比べものにならぬ大きな筋肉がついている。肉屋で 「 ササミ 」 と呼ばれる筋肉だ。
ところが昆虫ではまったくちがうのである。
昆虫たちもはねを羽ばたいてとんでいる。けれど彼らのはねのねもとには、はねを動かす筋肉などはまったくついていない。
では、はねはどうして羽ばたくのか?そこがじつに不可思議なところなのである。昆虫の体はきわめて大ざっぱにいうと、ボール紙でできた菓子箱のようになっている。
そしてその内部に腸や筋肉や脂肪体や卵巣などが収められている
腹板と背板は菓子箱でいえば内箱(身)と外箱(ふた)にあたるから、外箱を手に持って軽く上下すれば、箱は開きかけたり閉まりかけたりする。
昆虫の羽ばたきの原動力は、背板と腹板のこのような動きにある。けれど単なる菓子箱ではない昆虫の体は、もっと複雑にできている。
この背板と腹板は、じつは側板と呼ばれるもう一枚のうすい皮でつながっているのだ。だから昆虫の体の背板を持ち上げて箱を開けたりすることはできない。
ところで、昆虫のはねというのはこの側板の胸にある部分が、側方へ平たく張り出したものである。この張り出しはうすい膜ながらも翅脈という支柱なども入っていて丈夫なので、背板の下端と腹板の上端を支点として、背板の上がり下がりにしたがって、上下に動くこととなる。
問題は背板をどのようにして上げ下げするかである。筋肉はここで働くのだ。昆虫の背板と腹板の間には、太い筋肉が張っている。筋肉のてっぺんは背板内側の天井に、そして筋肉の下場は腹板の内側の底に、それぞれしっかりくっついている。この筋肉が神経の指令で収縮すると、背板はぐっと下に引き下げられる。すると体の上箱のふちが下がるので、はねは下に向かって打ち下ろされてしまう。
次に筋肉が伸びると、上箱つまり背板はもち上げられ、それによってはねは上向きに打ち上げられる。こうして筋肉の伸縮に伴って、はねはゆっくりと、あるいはものすごい頻度で羽ばたくことになるのである。
昆虫はこのようにして、はねの筋肉ではなく、胸の箱をぺこぺこ動かす筋肉によって見事にはねを羽ばたかせているのだ。
じつは昆虫のはねにも小さな筋肉がついている。けれどもそれははねを羽ばたくためのものではなく、はねの角度を変えるためのものである。この筋肉のおかげで昆虫は羽ばたきの角度を変え、ヘリコプターと同じ原理で飛ぶことができるようになった。
鳥とはちがう原理ではねを羽ばたかせ、空中に飛び出した昆虫たちは、人間よりはるか昔、おそらくは何億年も前に、空中に停止して飛ぶことのできるヘリコプターを発明していたのである。 ( 日高さんの本 人間はどこまで動物か より )
● 子供の頃蝉を捕まえて、無造作に殺したりしていたが、この本を読んでその仕組みにたまげた。自然界はワクワクする謎に満ちている、凄いものだ!
私(増澤)思いますに、ガウディーが自然界の植物からサクラダ・ファミリアの構造体を学んだように、虫達からももっと合理的・経済的な運搬力学を学べるような気がする。
● 話し変わるが、沖縄に配備されたオスプレイス、プロペラを水平にも垂直にも可動させ、ヘリコプターにも普通の翼機ともなる優れものだが、何度か墜落しているという(墜落頻度は他の飛行機に比べても低いと言うが)。
プロペラを縦と横(あるいはその逆)に可変させるときに問題が有るのだろうか?一瞬には切り替えが出来ないだろうから、・・・一度見たいものだ!
正論を言うならば、こういうずば抜けた技術力を持ったものを国境の前線に置くことは防衛の為の抑止力になると思うのだがいかがでしょうか。日本の技術力を持ってあらゆる抑止力になるものを開発すべきと思う・・・・・核兵器ではなく “ あれが在る日本 ” とは戦えないと他国が思うようなもの。
● 沖縄の基地の在りようは、もっとちがう角度から論ずるべきと思っている。沖縄の島内
ではなく、東シナ海の領海内に不沈大型空母として、中国・朝鮮(韓国を含む)を睨んだ配置で双頭の龍の形をした基地船を作ったらどうだろう。世界の軍事バランスに応じ洋上を移動できる。そして兵舎の窓から魚が釣れたりして、・・・市街地に基地は要らない。
だから鳥も昆虫も同じなんだ、とだれもが思っている。
昔の偉人レオナルド・ダ・ヴィンチもそう思っていた。そこで彼は、人間の腕に翼をとりつけ、腕でそれを羽ばたけば、人間も鳥のように空を飛べるだろうと考えた。
この羽ばたき飛行機は失敗した。失敗の理由はいろいろあったが、いちばん大きなのは人間の腕で出せるぐらいの力では、風に乗って滑空するならともかく、とても地上から飛び上がることなどできないからであった。
その後人間は、羽ばたきとはまったくちがう原理で飛べることを発見し、飛行機を作ったのである。
けれど現在なお、鳥も昆虫もはね(翼)を羽ばたいて空中を飛んでいる。彼らの飛行の力学を理解するにはむずかしい数学が必要なので、僕にも依然としてよくわからない。
だれでも知っているとおり、鳥の翼はもともとは人間の腕と同じものである。だから鳥たちは、基本的にはわれわれ人間が水中で泳ぐとき腕で水をかくのと同じようにして翼を動かし、空中を飛んでいる。鳥の翼の根もとには、人間の腕の根もとにあるのと同じ筋肉がついており、その筋肉の力で翼が羽ばたくのだ。
自分の体を空中に浮かべて空を飛ぶ鳥たちの場合はもっと大変だ。鳥の翼の根もとから胸にかけては、人間の腕のとは比べものにならぬ大きな筋肉がついている。肉屋で 「 ササミ 」 と呼ばれる筋肉だ。
ところが昆虫ではまったくちがうのである。
昆虫たちもはねを羽ばたいてとんでいる。けれど彼らのはねのねもとには、はねを動かす筋肉などはまったくついていない。
では、はねはどうして羽ばたくのか?そこがじつに不可思議なところなのである。昆虫の体はきわめて大ざっぱにいうと、ボール紙でできた菓子箱のようになっている。
そしてその内部に腸や筋肉や脂肪体や卵巣などが収められている
腹板と背板は菓子箱でいえば内箱(身)と外箱(ふた)にあたるから、外箱を手に持って軽く上下すれば、箱は開きかけたり閉まりかけたりする。
昆虫の羽ばたきの原動力は、背板と腹板のこのような動きにある。けれど単なる菓子箱ではない昆虫の体は、もっと複雑にできている。
この背板と腹板は、じつは側板と呼ばれるもう一枚のうすい皮でつながっているのだ。だから昆虫の体の背板を持ち上げて箱を開けたりすることはできない。
ところで、昆虫のはねというのはこの側板の胸にある部分が、側方へ平たく張り出したものである。この張り出しはうすい膜ながらも翅脈という支柱なども入っていて丈夫なので、背板の下端と腹板の上端を支点として、背板の上がり下がりにしたがって、上下に動くこととなる。
問題は背板をどのようにして上げ下げするかである。筋肉はここで働くのだ。昆虫の背板と腹板の間には、太い筋肉が張っている。筋肉のてっぺんは背板内側の天井に、そして筋肉の下場は腹板の内側の底に、それぞれしっかりくっついている。この筋肉が神経の指令で収縮すると、背板はぐっと下に引き下げられる。すると体の上箱のふちが下がるので、はねは下に向かって打ち下ろされてしまう。
次に筋肉が伸びると、上箱つまり背板はもち上げられ、それによってはねは上向きに打ち上げられる。こうして筋肉の伸縮に伴って、はねはゆっくりと、あるいはものすごい頻度で羽ばたくことになるのである。
昆虫はこのようにして、はねの筋肉ではなく、胸の箱をぺこぺこ動かす筋肉によって見事にはねを羽ばたかせているのだ。
じつは昆虫のはねにも小さな筋肉がついている。けれどもそれははねを羽ばたくためのものではなく、はねの角度を変えるためのものである。この筋肉のおかげで昆虫は羽ばたきの角度を変え、ヘリコプターと同じ原理で飛ぶことができるようになった。
鳥とはちがう原理ではねを羽ばたかせ、空中に飛び出した昆虫たちは、人間よりはるか昔、おそらくは何億年も前に、空中に停止して飛ぶことのできるヘリコプターを発明していたのである。 ( 日高さんの本 人間はどこまで動物か より )
● 子供の頃蝉を捕まえて、無造作に殺したりしていたが、この本を読んでその仕組みにたまげた。自然界はワクワクする謎に満ちている、凄いものだ!
私(増澤)思いますに、ガウディーが自然界の植物からサクラダ・ファミリアの構造体を学んだように、虫達からももっと合理的・経済的な運搬力学を学べるような気がする。
● 話し変わるが、沖縄に配備されたオスプレイス、プロペラを水平にも垂直にも可動させ、ヘリコプターにも普通の翼機ともなる優れものだが、何度か墜落しているという(墜落頻度は他の飛行機に比べても低いと言うが)。
プロペラを縦と横(あるいはその逆)に可変させるときに問題が有るのだろうか?一瞬には切り替えが出来ないだろうから、・・・一度見たいものだ!
正論を言うならば、こういうずば抜けた技術力を持ったものを国境の前線に置くことは防衛の為の抑止力になると思うのだがいかがでしょうか。日本の技術力を持ってあらゆる抑止力になるものを開発すべきと思う・・・・・核兵器ではなく “ あれが在る日本 ” とは戦えないと他国が思うようなもの。
● 沖縄の基地の在りようは、もっとちがう角度から論ずるべきと思っている。沖縄の島内
ではなく、東シナ海の領海内に不沈大型空母として、中国・朝鮮(韓国を含む)を睨んだ配置で双頭の龍の形をした基地船を作ったらどうだろう。世界の軍事バランスに応じ洋上を移動できる。そして兵舎の窓から魚が釣れたりして、・・・市街地に基地は要らない。
Posted by masuzawa05 at
09:23
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