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増澤信一郎の心模様 石井建築事務所ブログ

2013年12月23日

2013年研修旅行 その3 (八勝館 御幸の間の懐石料理)

知る人ぞ知る名古屋・八勝館。十数年前の夏、御幸の間の観月台を参考にしたくて一人車を走らせて食事に伺い、併せて施設を見学させていただいた。それ以降八勝館さんとは時候の挨拶が続いている。
その時の印象が深く、そのうち所員全員で天皇陛下が食事をされた御幸の間にて懐石料理をいただきながら数奇な世界を体験したいと思っていて、今回願が叶い良かった。






◎ 御幸の間の写真

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○ 懐石料理の数々

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  ●お造りと称してペラペラな刺身が多い昨今、小作りではあるが、しっかりとした厚みに切られた刺身をお造りにしたものは舌にこたえて、旨い。まながつおの西京漬けは観月台で焼き運び入れてくれる。これもまた美味。お澄まし、炊き合わせ等々、絶妙な旨みは言葉では伝えられないが、食事出しのタイミングと接遇がそれぞれの味と相俟って素晴らしく豊かな気分になれる。
 
  無粋にも献立表が無いのかと聞いたところ、「 季節のもので一期一会で御座いますから置いてありません 」 とのこと、サプライズもまたおもてなしの味。

和食がユネスコの世界遺産に登録された今、日本の食文化は世界に誇れる。併せて日本庭園も文化遺産に申請して欲しいと思っている。 そして、和食には燗酒がすすむ。


○ 堀口捨巳さんの扁額と魯山人の絵付け皿

たかくおもひ
きよく生きなむ
ねがひにぞ
すきびとみちを
えらびたりしか


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● ここは魯山人の器を使用しているので有名である。


○ 残月の間

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○ 桜の間

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○ 菊の間

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○ 田舎家

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● 五味と淡味

「和」の料理の心がけは、五味の調和。


酸(すっぱさ)
辛(からみ)
苦(にがみ)
塩辛さ

五種の味を調和させること。どれが勝つのでもなく、しっとりとした落ち着きを。

さらに味をつくりすぎず、素材の持ち味を生かすこと、これを淡味という。
この六味が、懐石の要諦。


● 堀口捨巳さんの数奇屋。骨太な繊細さに頭が下がる。

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● 我々は旅館の設計では数奇屋を手本にしている。

骨組み等構造木造を意匠に表す 堀口捨巳風(東大)
大壁造りで塗りまわし、骨組みを見せない 吉田五十八風(東京芸大)
何でもこいの優しい建築の    村野藤吾風(早稲田)

異端の帝王
どろどろした宗教的な石の建築  白井晟一風(ベルリン大学哲学科)

校風が出ていて面白い、いろいろなものを参考にデザインしてきました。  

Posted by masuzawa05 at 21:08Comments(0)

2013年12月16日

2013年研修旅行 その2 (いにしえの宿 伊久)

 この物件は7年前にホテルチェーンの会長さんにお送りした以下の一通の推薦文から始まった。

        『 伊勢神宮詣で 』

 
「よくしたもので、還暦が近づくと、一度はお伊勢さんに
夫婦で正式に参拝したいと思うことがある。

 したいことは早朝、朝もやの中を清々しい気持ちで散策をする。そのまま
宿に歩いて戻り、海苔と味噌汁と漬物と焼き魚で朝飯をとる。

 温泉付の大風呂が有ればそれにこしたことはないが、特にこだわらない。
部屋は二人中心で、こぢんまりとした和洋スタイル、おしゃれな居間が欲しい。
 ロビーはゆったりとした緑と季節の和花に彩られた庭に面し、一部にゆっくり本の読めるようなライブラリーとBAR。

 ビジネスでもなく、シティーホテルでもなく、いわんや鳥羽等の旅館でもない・・・・・伊勢 にしかできない旅館の形が有るような気がしてならない。

 インターネットで検索しても、私のような団塊世代にフィットする宿が無いのが悲しい。未来永劫、参拝の旅は続くのに。

新しい風の流れる ‘ 気 ’ もらいの 日本の ‘ 宿り ’。

いかがでしょうか!」

         2006年1月19日 石井建築事務所 増澤信一郎。



○ てな訳で今年2013年夏に完成しました。外観と玄関です

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● 部屋は温泉旅館のコンパクト仕様な新しいタイプ。すなわち現代版露付き和風リゾートビジネス旅館である。

快適な暖冷房空間にテレビ付き茶箪笥が組み込まれ、畳の上にBEDが設えてある。全て露付であるから、他には洗面・水屋、トイレとシャワールームの構成となる。
全て一式そろっていて、男の書斎兼隠れ家のようでもある。

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玄関で下足を取り、素足で廊下を歩き部屋に入る、もちろん温泉の大風呂付で、食事はレストランで朝夕セット出しにて摂る。

懐かしいいにしえの宿を現代的に超効率的に創るとこうなる。



● そこで、内宮までの12〜15分程の早朝散歩に行ってみた。

一、 玄関脇から細い路地を抜けると庚申塚がある脇を通り、道に出る。

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二、 おかげ横丁赤福の前を通り歩く( この為に買ったベア−の靴を履いてテクテクとゆく )

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三、 途中、五十鈴川べりを内宮入り口まで

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四、 森に一際聳える日の丸を右手に見ながら橋を渡り終える。ここは日本・伊勢神宮。

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五、 大木をぬうように歩き本殿にお参りをする

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六、 境内を流れる清流五十鈴川で心を洗い帰途に着く。

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● 一日がさわやかに始まる。

●  30年ほど前、スキー場の宿を何件か設計したことがある。スキーシーズン向けのデザインはホテル仕様で良いのだが、それ以外のグリーンシーズンは温泉のある旅館仕様が良い。その為両方兼用の施設形態となると旅館様式で設計してきた経緯がある。

   当時のスキー場の旅館は、元々在った雪深い湯治宿がスキーブームに乗って営業していた為、洋風の宿と混在していた。

お客様はスキーをするのが目的で、泊まる事は手段だった。

   となれば、その宿に泊まるのが目的の旅館ではなく、手段としての宿、すなわち目的があり手段としての宿があってもいいと思い、リゾートにビジネス旅館という概念がおぼろに芽生えはじめていた。

   今回は伊勢神宮に参拝するのが目的で、なおかつ和の情緒に浸りたいということでは当時の概念を髣髴させるが、これからも色々のタイプの宿が増える傾向にあるのは否めない。旅の目的が個性化し、宿泊以外のオリジナルな目的のために宿を利用しようとすればするほどその傾向が強い。

   ことほど左様に、時代により宿の機能・設計コンセプトにも変化が生じている。屋上に展望風呂付きの大風呂があるビジネスホテルがビジネス客や観光客にうけているように、時代に反応する感性と具体化する技術力が必要であろう。


● 夕間詰め良し、早朝参拝良し、 「 伊久 」 遷宮効果もあってオープン以来連日満館の盛況ぶり、なによりである。







  
Posted by masuzawa05 at 21:53Comments(0)

2013年12月09日

2013年研修旅行 その1(アクアイグニス)

 三重県、片岡温泉の温浴複合施設アクアイグニスを見学し、食事と入浴をした。

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● 「 火と水が出会う楽園 」 がキャッチフレーズなのだが、どこがどう火と水が出会う楽園なのか、解からずじまいに終わってしまった。そのことをエントランスの壁の単なる装飾で終わらせず、全体の形態で表現して欲しかったと思っている。


○ クアゾーン

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○ 外観、エントランスホール、休憩コーナー

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○ 大風呂まわり

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● 風呂周りにはもっと遊びが欲しい、野っぱらに忽然と銭湯を持ってきたわけではないのだから。大風呂には大風呂の情緒性ってものがある。


○ レストランまわり

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● 蕪のカルボナーラ・スパゲッティーとシーザースサラダをつまみに黒ビールで軽く一杯。クリーミーな中に淡白な蕪が入ったこのスパゲッティーは旨かった。 

さすが奥田シェフ!


◎ 客棟


○ 杉

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○ 栗

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○ 松

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○ 檜

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● この部屋で食事別で 2万5千円/1名 では少し高いかなと思う。食事込なら納得。

● 全体の評価として、多くのクリエイターが参加 ( 辻口パティシェ、奥田シェフ含めて顔写真入りで14名。辻口さんのイセエビパイはそのものズバリで面白くない ) した割には全体のコンセプトがぼけて、又行きたいなと思わない。

多くのクリエイターが参加する場合、監修者がそれぞれのパートに抑揚を付け骨格を呈示しないと、うまくまとまらない。一般客はクリエイターの名前なんか気にしてはいないし、全体がどういう感じなのかが大切である。

小じゃれてはいるが長持ちするのかなと思ってしまう、でも今は込んでいるようだ。泥臭くそれでいて湯浴みの琴線に触れるような後味が必要で、2〜3年先の評価が肝心であろう。

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Posted by masuzawa05 at 18:23Comments(0)

2013年12月02日

ラファエロ展

 偉大なる美の規範

 上野の森、ル・コルビジェ設計の懐かしい国立西洋美術館に、レオナルド・ダ・ビンチ、 ミケランジェロと並び称されるイタリア・ルネサンスを代表される画家 ラファエロ・サンツィオ傑作展を見に行った。

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◎ 機─_莢箸悗梁莪貶

○ 父なる神、聖母マリア

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○ 聖セバスティアヌス

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◎ 供─.侫レンツェのラファエロ (ミケランジェロ、ダ・ヴィンチとの出会い)

○ 聖ゲオルギウスと竜

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○ リンゴを持つ青年

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○ エリザベッタ・ゴンザーガの肖像

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● 構図がなぜかモナリザの微笑みに似ていると思われませんか。

○ 大公の聖母

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◎ 掘─.蹇璽泙離薀侫.┘蹇・・・教皇をとりこにした美

○ ベルナルド・ドヴィーツィ枢機卿の肖像

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○ 聖ステパノの殉教 (タペストリー)

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○ 紋章模様のタイル

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○ エゼキエルの幻視

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○ 友人のいる自画像

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◎ 検─.薀侫.┘蹐侶兢擬圓燭

○ セバスティアーノ・デル・ピオンボ作、女性の肖像

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○ ジュリオ・ロマーノ作、聖母子


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○ バルダッサーレ・ペルッツィ作、ピエトロ・アッコルティ枢機卿の肖像

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● 私(増澤)思いますに、どこがラファエロの特色かと問われれば、「 色が “ 凛 ” としている 」 と答えたい。

 色が色であるために・・・・・たとえばグレゴリー聖歌を聴くような、澄んだ色合いが心に響くのを感じた。


  
Posted by masuzawa05 at 21:18Comments(0)
心を形に表す
建築空間にはいろいろの「想い」がある。
具体的な平面から容積のある空間へと立ち上げるさまざまな作業の中で、オーナーの使い勝手や心情が、私の心を通して色づいていく。
思い入れ豊かに熟成された建築空間には、オリジナルでしなやかな空気が息づき始める。
豊潤で美しく、時に凛々しい。
機能的であることは大切なことですが、美的な創意工夫も大切な要素です。
そう思いながら設計しています。


増澤信一郎
S22年10月11日生まれ
芝浦工業大学建築工学科卒業
静岡県伊東市宇佐美在住
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