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増澤信一郎の心模様 石井建築事務所ブログ

2012年07月31日

信州の鎌倉 別所温泉

 国際観光施設協会の 「 観光交流空間のまちづくり研究会 」 夏会 ( 平成24年 ) が長野県上田市の別所温泉で開催されました。
 この地域は観光業者、地域住民、農業者、商業者、官庁が一体となってまちづくりに取り組んでいるモデル地域です。

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◎ 基調講演を 安楽寺住職 若林恭英さん
        長野大学教授 三田育雄さんにしていただきました。

 お二人の意見としては: 以下の二つに集約される。


○ 時間と空間とホスピタリティー ( おもてなし )の観光交流空間を目指す。

○ 住民が嬉々として暮らす観光地には多くの人が訪れる。
   
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◎ 観郷ウォークと題して、グループでまち中のポイントを巡り、環境・健康・食のクイズに答え、夜の食事のときに表彰する。

又、スタート時と終了時に唾液チェックをし、リラックス度を測る。観郷ウォークの後、皆さん八割以上リラックス度が増していた。 散歩って精神的にもいいんですね!

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◎ 別所の透明な温かい硫黄泉は筋肉、皮膚、神経の痛みをやわらげ、古代国府の置かれた頃から庶民の湯治の場となり、鎌倉時代・北條氏は別邸を設け、好んで来湯したといわれています。信州の鎌倉といわれるゆえんで、心洗われるような古寺・古塔が存在します。


○ 北向き観音 ( 長野の善光寺が南向きであることから、ここと一対にみなされる ) かつて、三楽寺の一つ長楽寺があったと伝えられている。

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○ 安楽寺 国宝・八角三重塔 ( 1290年代に作られた唐様のもの )

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○ 常楽寺 石造多宝塔 (北向き観音をお護りする本坊です)

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● 地方の温泉街にこれ程の歴史的建造物が残されていることに、驚く。
史跡の少ない温泉場の人たちから見れば羨ましい限りであるが、反面創造力を働かせての 新湯治・新温泉保養地創出への取り組みという楽しみに欠けるとも言える。
時代遺産を守ることも大切であるが、何も無いところから有を生む、未来というこれからの時代を創る楽しみに、賭けてみようと思いせんか! 

与えられた史跡におもねるのではなく、宿の側(民間)が公共の空地や道路に面した私有地に植栽を心がけ、施設をまちなみに溶けこませ、全体としての美しいまちなみを創出する。そうした地道なまちづくりをしようではありませんか。



● 帰りがけ近くの鹿教湯(かけゆ)温泉の湯治場を視察してみました。ここでも大手リーズナブル・プライスの旅館チェーンが進出していました。・・・・・どうも、こうした鄙の湯治場には、団体もしくは大量を売るこの手の施設はバランスを欠く。 如何なものか?!

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 木造は古びて一層美しい。湯治のお婆さん連れが神社・仏閣に手を合わせる、そんな絵になる微笑ましさ。 ( お婆さんの祈りは “ 感謝 ”、 お爺さんの祈りは “ つみほろぼし”・・・・・! )

現代に生きづく湯治の形 ( 自然と溶け込む清潔とシンプルさ、そこそこの料金と宿りの快適さ、健康な食。 ) 何か新しい日本の宿の形があるのではないかと、団塊の世代のトップランナーとしての思いを巡らせつつ、デザイナーとしてきれい寂びを求めて旅を続ける私です。 
  

Posted by masuzawa05 at 13:40Comments(0)

2012年07月23日

植物の私生活・その1


 THE PRIVATE LIFE OF PLANTS

 シベリアの永久凍土の3万2000〜3万年前の地層から、ナデシコ科の植物の実を発掘し、試験管内で培養したところ、発芽して白い花が咲いたことが分かったという、ロシア科学アカデミーの研究チームの発表があったことを思い出している。

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花が咲く植物を復活させたのは初めてで、この技術を使えば絶滅した植物を復活させて医薬品開発などに役立つ遺伝子を見つけたり、進化の過程を解明したり出来ると期待される。


 これは日本の2000年前、弥生時代の集落の穴蔵の米粒の中から発見されて芽生え、11年目に花が咲いた日本の古代コブシです。

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● 以前読んだイギリスの学者・アッテンボローの 『 植物の私生活 』 という本を思い出している。動物よりもしたたかな植物のことを書いてあり、感動したからです。
( したたか: 強か、健か。 非常に強いさま、てごわいさま )

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○ 先ずは総論から:

 植物は見ることができます。数を数えることもできます。仲間同士で意思を伝え合うこともできます。ちょっとした接触にも反応します。時間を非常に正確にはかることができます。
 暗いところで芽生えた植物の芽はすきまからもれる光に向かってはっていきます、光が見えるのです。生垣の花は日が沈むときには西を向いていますが、夜のあいだに方向転換して、朝日を浴びるため東向きになります。何日間も一定方向に光が当たるようにしておいても、この習性は変わりません。時間をはかることができるのです。ハエジゴクが葉を閉じるとき、その運動の引き金になっている剛毛に触ると、1回ではなく2回閉じます、数を数えることができるのです。
 こういったドラマの主人公たちがいろいろな能力や、感受性さえもっているということに、私たちがほとんど気づかないのは、植物たちが私たちと違う時間の尺度で生活しているからだと思います。

● 私(増澤)の畑の大根も葉っぱが日差しを追って東から西へと動いている関係上、時計回りに日々動いていて、そのため逆向きにスクリュー状に引き抜くと抜きやすいです。( これ、本当のはなし )


○ いろいろな面で、動物よりも植物のほうが成功をおさめています。太古の地球で、最初に海から陸に進出した生物は植物です。現在でも、動物なら生きていけないような場所で生活している植物がいます。植物はたいていの動物よりずっと大きくなり、しかも長生きです。又、動物は植物に完全に依存しています。

 これを旧約聖書は端的に記しています。
 「 肉なるものはみな草に等しい 」 と。

 肉食動物を含めて、動物はすべて植物を食べて生きています。直接食べるのはもちろん、間接的にも食べています。食物連鎖の中心に位置するのは植物です。こういった事実を知ると、私たちは植物を完全に支配しているのではなく、植物に依存していることが分かります。


 次回以降、次の順で紹介したいと思います

旅をする植物たち
植物の養分調達システム
花たちの花粉輸送大作戦
植物たちの生き残り戦術
植物たちの多彩な交遊録
極限の世界を生き抜く植物たち。 

 
● 円熟し、花が咲き、実った種子を採取し、月日を置いて土に蒔き、若芽を育み、また収穫することができることの不思議、神秘性、したたかさ、に脱帽。
  
Posted by masuzawa05 at 08:59Comments(0)

2012年07月17日

秋野不矩 創造の小径

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今回で3度目の訪問。素朴な天竜の里、丘の上に佇む藤森さん設計の不矩さんの美術館。土と木の汚れ色、いつまでも変わらない “ 古び(汚れ) ” 仕様。

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 室内もこんな感じ

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 何故か先日見てきた五箇山の合掌造りの民家を思い出す

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● 日本画から発し、インド経由天空に羽ばたく不矩さんのアースカラーと美への思い入れがたまらなく好きだ。 

不矩さんのインドを旅してみたい衝動に駆られる素朴で新しい絵の数々。


○ インド女性、紅衣

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○ 水の女神

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○ クリシュナ像

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○ 雨

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○ 淡紅梅、青柿

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○ シャム猫

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○ 残雪

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○ オリッサの寺院

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○ 民家

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○ 民家

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○ ラジャラニ寺院

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○ 渡河

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○ 雨季

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○ 沼

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○ 讃華

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○ アフガニスタン風景

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○ アフガンの山

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● 思えば12年前、 旅館 「 あせび野 」 の現場の色決めの頃、山の湯宿に相応しい土壁の色や室礼に悩み、あきる野市の蔵作り民家料亭 『 燈燈庵 』 を見学したり、又この美術館を見学したりした思い出があります。
たかが色、されど色。インドの土の色、私は ‘ 不矩さんのアースカラー ’ と呼んでいます。

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 この写真、夕暮れ時の駿河湾と霊峰不二です。
 帰り道伊豆スカイラインを走っていて思った。

「 天地創造 」 自然の造形にはかなわない。
  
Posted by masuzawa05 at 13:45Comments(0)

2012年07月11日

新築なったパレスホテルに行ってきました

 二十数年前、先代・石井社長のお嬢さんの結婚式の帰りに、東京事務所の中山と増子三人で旧パレスサイドホテルに立ち寄って、BARで軽く一杯やったことがある。それ以来の訪問である。

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 “ 美しい国の、美しい一日がある ”

 丸の内1−1−1、この日本で、 「 ただひとつのホテル 」 になること。それが、私たちのめざすものです。

 私たちが心をこめてつくろうとしているもの。それは 「 最上質の日本 」。
ただ豪華さだけではない。威厳や、重厚さだけでもいけない。

たとえば、それはやさしさ。
たとえばそれは品格。
たとえば、それは自然で、おだやかで、とことん洗練されたもの。

(オープン広告より)


○ 玄関前、エントランスホール、フロント

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○ ラウンジまわりとバー

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○ 和田倉濠に面した外部デッキ

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○ フランス料理、中華

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○ 和の食事どころいろいろ

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○ プール、エステまわり

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○ チャペル

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● 四角い部屋なのだが、細いパイプを組んで鳥かご状インテリア。気が利いている。



○ 『 客室 』

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◎ 客室の証明; 天井照明が付いているのが、明るくていい。

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 ◎ 客室のバスタブ; アイランド形式で室内に面している

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◎ 客室のミニバー; キャビネット方式、全オープンの写真です。

開店いたしました・・・移動雑貨屋の飾り箪笥のようでもあり!?
   なんか妙に親しみやすく、開けて覗きたくなる。
品揃えも豊富です。

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● こんな遊び心に満ちたミニバーキャビネット、旅館に有ってもいい。伝統指物師が作り、中に日本各地の逸品を揃え、客室の居間に飾れば楽しいと思う。



 ◎ 客室のベランダ; シティーホテルとしては珍しく、しっかりと憩えるスペースがあるのがいい。

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 ◎ 客室のバスタブ;外部に面している。眺めが有るのがいい。

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● MADE IN JAPAN のホテルを謳うなら、スパ回りに露天風呂付の温泉大浴室と、廊下回り外気に開放された自然光の入るエレヴェーターホールが欲しかった。

全体的に色調がシックな感じは好感が持てるが、その反動かテナントのインテリアが派手目で、統一感に欠けるとの、同行したあるシニアデザイナーの意見も有った。

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日本の宿は四季の移ろいを映す、内と外の取り合いが大切だと思っています。シティーホテルも温泉旅館も一緒で、その点からはこのホテルは一歩前進であろう。

『 皇居の緑があるからできる 』 と言う方が居ますが、それはあくまでも造ってこなかった言い分けで、まちなかのホテルにも坪庭・小庭は創れる。そこには四季折々内と外を通じて、自然との出会いが生れる。
いずれにしても、経済性からみるとホテルとして単体での採算は取りづらく、オフィースビルとの併設で成り立つという現実がある。何をかいわんやである。
  
Posted by masuzawa05 at 23:01Comments(0)

2012年07月02日

湯めぐりの宿・吉春

◎ “ 改装の醍醐味は 劇的な変化 ” 
そして、合理的サービス動線の整備。 

変化を仕掛けるとき
時に思わぬ副産物に出会います!

“ 天井裏にデザインが隠されていた ”


 先年、ロビーラウンジと玄関アプローチの改装をして、今回は第二弾の改装として大広間をメインダイニングに作り替えました。

第三弾として客室ワンフロアーの改装を続けて工事しています、第四弾は下階フロアーその次は第五弾として木造客室のメゾネット化、第六弾は・・・・・。

旅館は施設そのものが商品ですから、次から次へと出来得る範囲内の資金投資で、華麗な変身を遂げられるよう、お客様の 「  ‘ 宿り ’ の満足 」 にサービス共々応えます。良いサービスは使い易いセンスフルな施設から。
もちろん、大きな効果を期待できる地に足が着いた堅実投資でなければなりません。



◎ こんな大広間を改装しました: 

○ <BEFORE>  外観とインテリア

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○ <AFTER>  天井を壊し、木造と鉄骨の混構造の小屋組みをそのまままの状態で現し、歴史ある建物の骨組みと、高い天井高の空間を今風? に表わし、コストダウンを図りつつ、オンリーワンなうちだけのインテリアのダイニング空間としました。

● 全体の俯瞰: 

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● 現れ出でました、木造と鉄骨の小屋組み:

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● そして、防錆塗装のままのラチス柱:

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● アプローチ部分とデッキテラス

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● 家具もいろいろ、選定も仕事のうちです

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● 我々はいろいろなケースに柔軟に対応し ‘ ONLY ONE ’ を創ります。
美しいだけが全てではない。ウチ ( 宿 ) にとって何が重要であるか、あれやこれやと考え、品格を重んじつつ、さりげなく優しくリピーターを増やす為のデザインを施します。施設も時代の流れに無頓着ではいられない。



だから、 日本の宿は面白い!  デザインは面白い!
  
Posted by masuzawa05 at 09:29Comments(0)
心を形に表す
建築空間にはいろいろの「想い」がある。
具体的な平面から容積のある空間へと立ち上げるさまざまな作業の中で、オーナーの使い勝手や心情が、私の心を通して色づいていく。
思い入れ豊かに熟成された建築空間には、オリジナルでしなやかな空気が息づき始める。
豊潤で美しく、時に凛々しい。
機能的であることは大切なことですが、美的な創意工夫も大切な要素です。
そう思いながら設計しています。


増澤信一郎
S22年10月11日生まれ
芝浦工業大学建築工学科卒業
静岡県伊東市宇佐美在住
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