2010年09月27日
マネ・展
ブリックスクエアーの一画、丸の内・三菱一号館美術館で “ マネとモダン・パリ展 ” が開かれていましたので行ってきました。
● 私はマネのことを、 印象派 「 光の画家 」 『 睡蓮 』 のクロード・モネと勘違いしていた。 今回はモネでは無く、あくまでもエドゥアール・マネです。
◎ ギュスターヴ・クールベと並び、西洋近代絵画史の冒頭を飾る画家の一人である。マネは1860年代後半、パリ バティニョール街の 「 カフェ・ゲルボワ 」 に集まって芸術論争を戦わせ、後に 「 印象派 」 となる画家グループの中心的存在であった。しかし、マネ自身が印象派展には一度も参加していないことからもわかるように、近年の研究ではマネと印象派は各々別の創作活動を行っていたと考えられている。
● この展覧会で知ったのだが、
私(増澤)には美しい印象画の世界よりも、造形的革新性を通じて、もっと人間の内面を描きたかったという解説が、驚きであった。
モネとの違いも良く分かったし、何よりも感動したのは多くの詩人や、文学者、又同じ画家仲間と交流し、それぞれを素直に認め、讃える、素直さを持ち合わせたクールなジェントルマンだと分かったことでした。
レモンやリンゴの静物画がいい。私にはモネの睡蓮に匹敵する作品のように思えた。
○ レモン :カトリック信仰の篤いこの国では、剥かれていないレモンは、静物画もしくは風俗画に於いても、神の恩寵を絵解きするという宗教的レトリック(修辞法)の性質を帯びていた。
○ 4個のリンゴ :造形的革新性よりも、形と色に対する戯れ、あるいは目と手の愉しみといった軽みが感じられる。近づく死を前にした画家とは思えない、明るい画風である。
○ ラテュイユ親父の店 : 若い伊達男が戸外の明るい光の下、女性を口説こうとしている。 女性の方が年嵩の様な気がするが・・・、この情景を見やる給仕なのか、親父なのか、その立ち様がいい。
● うっとりと聞き惚れている女性の目元がなまめかしい。
口説き方はこうでなければ!
○ 自画像
○ ばら色のくつ :貴婦人ベルト・モリゾ 服の裾からくつを覗かせたコケティッシュなポーズは、マネの遊び心を垣間見せてくれる。
○ 小型円卓の前、赤いスカートにブーツを履いた足 : 本水彩は、ギルメ婦人宛の手紙を飾るモティーフの習作であると考えられている。気ままに描いた軽妙な悪戯書きというべきものに、マネが傾けた入念さのほどがよく判る。
● デッサンで仕上げの出来が推測できる。荒削りさに、可能性を秘めている。
○ 今回展示はなかったですが有名な 「 笛を吹く少年 」 です。
● 今まで私の中で、この絵とマネは結びついていなかったが、絵の方が印象深く良く知っていた。マネの作品だったんですね。
● 見終わって想う。絵に込めた心模様、ちょっとした表情・仕草にもマネの情感が表れています。 絵は美しければいいのか? そうじゃないだろう・・・! そんな問い掛けが聞こえてくるようです。
● 絵は心を表す
東京駅近く、簡単に歩いていける美術館はありがたい。
Posted by masuzawa05 at
11:34
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