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増澤信一郎の心模様 石井建築事務所ブログ

2010年08月30日

想い描くこと

178 想い描くこと








 この10年間、実施設計の図面から離れている。
相変わらず、フリーハンドの計画図を伊東屋のA3版 3尺桝目の縮尺1/100の方眼紙で描いている。イメージを自由に遊ばせるのが楽しいからだ。

 ときおり、昔のように詳細図を書かないことが技術屋として、心苦しくなることもあるが、具体化よりも発想を飛躍させることが大切だと思っている。 

 話し変わるが、具体化を急ぐあまり、立地や・環境や・施主の要望に妥協し、つまらないものになったら困る。短期であればあるほど集中して臨み、初期の発想が色濃く出て具合がいい場合もあるが・・・。

又、もしあの場所にあのまま作っていたらとゾッとすることも有る。
検討を重ね、その先削りこんでシンプルにしたものの方が受けがいいが、発想も角が取れてしまう。

しかしながら商売としては、発想と具体化の狭間で心が揺れる。踏みとどまるべきかやるべきか そこが問題だ、と・・・・・。

そんな時こんな文章に巡り合った。


◎ 「 技術より発想が肝心 」 :

ファッション業界に強い英国在住のライターが興味深い話をふと口にした。 「 日本ではデザインという言葉の概念が正しく理解されていないような気がするんですよ 」

英国ではデザインとは、何かを発想することであって、それを紙の上に絵として描くことではないのだという。彼によれば、頭に浮かんだ絵をうまく描けないトップデザイナーはいくらでもいる。デザイナーは 「 こんな感じなんだよねえ 」 と口で伝えて、別の人間に絵を描いてもらう。
 
つまりデザイナーとは絵を描く技術者ではないという。 「 それなのに、日本のデザイナー学校は絵をうまく描く技術ばかり教えているのではないでしょうか。生徒の方も、うまく描けるようになっただけでデザイナーとして上達した気になっているのではないか。肝心なのは、いかに発想するかであるのに。      ― 以上新聞の片隅より。



● 私(増澤)、モヤモヤが消えた。
そうなんだ・・・・・それでいいのだと。
  

Posted by masuzawa05 at 18:03Comments(0)

2010年08月25日

ホテル・エルボスコに行ってきました

 清家清さん設計の軽井沢プリンスホテル南館のダイニングで食事をして以来、よりシンプルなこの野尻湖のホテルを見たいとずっと思っていた。

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● ストイックなまでのシンプルさが、大自然の中、湖と緑に埋もれるように溶け込んで佇む風情がいい。水色と木々の緑に清家風という大人色を加味した、空間のハーモニーに癒されるであろう。
しかしながら、部屋はもう少し広いほうがいい。現状での改装を考えるのであれば、テラスをつけるとか、インテリアで広がりを演出することが必要であろう。
ここでもリゾートは内と外のつながりが肝心である。特にグリーンシーズン、窓を開け放ち外気に触れ、緑を纏う設えが欲しい。建物も息をしたいのに。

○ 玄関・ロビー回りです

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○ 客棟の佇まいです

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○ 客室です

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○ 湖を見下ろす

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○ そば BARです

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○ メイン・ダイニングです

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● 華やかさや賑わい、装飾過剰に、毒された感性には、一服の清涼剤のような建物だった。

 「 読書をするためのホテル 」 がコンセプトという。 


本読みに疲れたら
「 緑に包まれて眠る 」  そんな静かなひと時があってもいい。
  
Posted by masuzawa05 at 14:10Comments(0)

2010年08月17日

竹泉荘に行って来ました


 海外で高級ホテル・スパ ( ザ・スコータイ ホテル バンコク、 ザ・セントーサリゾート&スパ、 スパ・ボタニカ ) を経営しているシンリーコーポレーション(香港)のオズベルトインターナショナルの子会社・オズベルトホテルズが宮城蔵王、2万坪の敷地面積を持つ遠刈田温泉の宿を買い取り、ペニンシュラ東京のインテリアデザイナー、橋本夕紀夫氏と仙台の阿部仁史アトリエを起用して改装した。32室の瀟洒な宿です。

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 ○ ACCOMMODATION ( 収容能力・施設 )

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 ○ GOURMENT DINING ( 美食ダイニング )

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 ○ HEALTH AND WELLNESS ( 健康と美容 )

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 ○ ACTIVITIES ( 活動範囲 )

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 ● ホテルの和風化・・・エスニック調 とでも言おうか。

 さすがのインテリアである。

私(増澤)にとっては、その ‘ さすが ’ さが堅苦しさに感じた。都心のホテルではないZAOの山の中である、もうちょっと気を抜いて、手を抜いて、そこはかとない “ ほのぼの ” “ 気安さ ” でも良かったと思える。

和の変わらぬメインテーマである内と外のつながりについて、いま一つ物足りなさが残る。改装故のいい訳が聞こえてきそうであるが、改装ならばよけい外とのつながりに配慮、時間を掛けて欲しかった。新築で一度お手並みを拝見したいと思っている。

食事・・・・・?
サービス・・・?    
それぞれにソフトが整っていないのが気になるが、徐々に良くなるのだろうか。


東京事務所との合同役員会を兼ねての見学会兼会議宿泊であり、辛口の批評は免れない。

海外から乗り込んでくるホテル、これから海外に出向こうとしている我々の将来を暗示する宿でもあり、景観とハード、ハードとソフトの絡み合いに思いを巡らす一夜であった。



 ◎ 話し替わって、伊豆の温泉地の旅館の数の変遷が地元紙に出ていた。 私が旅館の設計を始めた40年前の数と現在です。

 熱海  約240 → 62軒
 伊東  約130 → 55軒
 下田  約78  → 25軒
 修善寺 約42  → 20軒  

惨憺たるもの、半減 〜 4分の一、驚くべき減少である。当時、伊東の町を歩くと三味の音に広間の明かりが揺れ踊り、なにやら心がうきうきしたものです。

 ● なかでも修善寺の半減は健闘しているほうで、その理由を私なりに分析すると、立地柄建設用地も少なく外来資本の介入が少なかったことと、又川沿いの景観が守られ、一団の界隈性が残ったことだと思われる。



 ● 立ち行かなくなった古い旅館を安く購入して、一泊二食、5千円〜8千円で供する安価な宿が増えている。

 ● 一方特色のある小規模高料金好感性旅館も増えている。

● 我々の合同会議では一泊二食1万円以下の、好感性リーズナブル料金の新築宿作りが急務であろうとの意見も出て、その為どうすれば出来るか、検討しようとの意見に集約された。

確かに大別すれば、上記3つのタイプが考えられる。

生き残りをかける中規模旅館にあっては、先ずはタタミ10帖単部屋を、今のニーズに適応した客室とすることが急務であり、後は食事処の確保でしょう。具体的なエスキースは当事務所では出来ている。

旅館様からいつ声を掛けてもらえるかを心待ちしている状況です。


5千円、 1万円、 1.5万円、 2万円、 2.5万円、 3万円以上。
それぞれの価格帯に見合う施設づくり、料理・サービスの態勢が求められている。



新しい 『 宿の形 』 がもう見えている。 ・・・いつでもメール下さい。
何処へでも直ぐお伺いし、提案いたします。
  
Posted by masuzawa05 at 09:50Comments(0)

2010年08月09日

MY辞書より・その4(森羅万象)


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 いつもは、 「 MY辞書 」 に書きためたものからこのブログに載せるのだが、今回は女優の故沢村貞子さんのMY辞書から引用させていただく。

◎ 60歳を過ぎて随筆を書き始めた女優の沢村貞子は、知らない言葉があると、意味を調べてはせっせと手帳に書き留めていた。
ベンチャービジネス ( 知識集約型中小企業 )、アフォリズム ( 金言、定義 ) などなど。カタカナ語が多かった。
 その中に、森羅万象 ( しんらまんぞう ) と記したメモがあった。生前の貞子と親しかった人と一緒に見つめていて、 「 しんらばんしょうだと思っていたのに、まんぞうとも読むと知ってうれしかったんだろう 」 と納得しあった。不思議なのは、わずかな字面らにも彼女の好奇心や覚える喜びがにじんでいることだった。

                  日経・春秋より抜粋。


● 広辞苑に戻って逆引きすると

 森羅万象:( 「 森羅 」 は限りなく並び連なるの意 「 象 」 は有形物の意 )宇宙間に存在する数限りない一切のものごと

 ‘ しんらばんしょう ’ とも ‘ しんらまんぞう ’ とも読むとあるが、


● 私(増澤)、ばんしょうは;物事から派生したすべての事象(こと)であり、まんぞ
うは;すべての物(もの)の元になる物と解したい。故にばんしょうとして読み、意味
合い広く利用されてきたのではないかと思う。

まんぞうから発し→範囲を拡げ、ばんしょうに拡大解釈されていったのだろう。ちな
みに白川静さんの常用字解を見てもこのことの解釈はない。
  
Posted by masuzawa05 at 08:39Comments(0)

2010年08月02日

気に入った3枚のポスター

 エコ&ピースと題したグラフィックデザイナーU・G・サトーさん十選・解説のポスターが日経の文化欄に出ていた。

その中から、気に入って切り取り置いた3人のグラフィックデザイナーの作品を、私(増澤)の判断で3点ほど選ばせてもらった。


◎ その・Ⅰ 『 ストップ気候変動 』 : ヒルッパ・ヒルカス(フィンランド女性作家)作。

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 ○ 群青の海に浮かぶ、一片の流氷かと思いきや、その形は北極熊の姿にもなっている。温暖化の進行で極地の氷も割れて溶け、そこに生息するものたちが場所を失い消滅していく状況を、一種の錯視的二重像で表現したこのポスターは、人々の目を強く引きつけるに違いない。画面下のストップ気候変動の標語が、その主旨をフォローしている。
 じっと北極熊の姿を見つめていると、前脚と後脚の胴体からの離散具合から、この先進行してゆく恐ろしい事態を察することが出来るだろう。

 ● 私(増澤)思いますに、意図しないところから何か大きな力、流れがヒタヒタと自分に及んで来て、存在そのものを脅かされる恐ろしさ。気がついたときには・・・・・・お陀仏さん。



◎ その・Ⅱ 『 COEXISTENCE:共存 』 : 藤本孝明 作

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 ○ 顔の中にたくさんの顔。ペンの動くがままに、眉や目鼻を描きなぐった表現で、所狭しと生きる人たちの有り様を象徴的にとらえている。
 2001年、イスラエルのシーム美術館が、 「 共存 」 をテーマに国際コンペを行った。その第一席である。
 藤本の表現は、いつも気負いがなく、アイデアの良さと、きれいごとに終わらせない素朴な描写があたたかい。このポスターは画面中央に、緑色の大きな顔がドーンと置かれて、異常な大胆さで迫ってくる。( ちなみに、EXISTENCE:存在、生きていること )

 ● 私(増澤)思いますに、色に関しては緑色に託した平和への祈りを感ずる。グラフィックそのものを言葉で表すと悲喜こもごも・矛盾が当てはまる。いろんなことをない混ぜて世の中がある。政治的にはイスラエルに対する世界のアンチテーゼか。



◎ そのⅢ 『 2D・3D 』 : レックス・ドレウィンスキー(ポーランド生まれ、ドイツで活躍)作

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 ○ ベトナム戦争の末期、ワシントンの戦没者墓地で見た、兵士たちに運ばれていく棺の姿を思い出す。そこに掛けられた赤白青の鮮烈な星条旗を忘れることはできない。

 2D・3Dの次元記号で、タイトルが示されためずらしいポスターだ。2Dは誰もが目にする2次元の星条旗。3Dは横にされた棺の上の3次元で見る星条旗。単に図示として並べているようだが、2つの違いを見せる知的なアプローチによって、戦争がもたらす愚かしい局面を客観的にとらえて秀逸である。

 ● 私(増澤)思いますに、立体に秘めた用の形、視覚的問い掛けの妙。
ベ平連、うつうつとしゃべる今は亡き作家小田実を懐かしく思い出す。



 ● 一瞬の視覚に感じる心地よさはなんだろう・・・・と考えている。

 普段面と向かって言えないような、悲しくて・やるせない、いやな・愚かしいことも、絵はズバッ! と一瞬にして切り込む爽快さがあり、声高な論調よりも品格があり、 「 ふふん 」 と、わが良心をくすぐる、詩心に充ちたアンチテーゼがある。

“ デザインって 本当に素晴らしい ”
  
Posted by masuzawa05 at 19:33Comments(0)
心を形に表す
建築空間にはいろいろの「想い」がある。
具体的な平面から容積のある空間へと立ち上げるさまざまな作業の中で、オーナーの使い勝手や心情が、私の心を通して色づいていく。
思い入れ豊かに熟成された建築空間には、オリジナルでしなやかな空気が息づき始める。
豊潤で美しく、時に凛々しい。
機能的であることは大切なことですが、美的な創意工夫も大切な要素です。
そう思いながら設計しています。


増澤信一郎
S22年10月11日生まれ
芝浦工業大学建築工学科卒業
静岡県伊東市宇佐美在住
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