livedoor Blog
このBlogをチェッカーズに追加 このBlogを
チェッカーズに追加
このBlogをリーダーに追加 このBlogを
リーダーに追加
増澤信一郎の心模様 石井建築事務所ブログ

2009年02月25日

「仕方ない」


     

 昔、ある人にこう言われました。

「 増澤さんは面倒になると、すぐ ‘しょうがない’ と言うんだから、まったくもう・・・」。
そうなんです、私 かなりの面倒苦さがり屋です。
 同じように、‘ とりあえず・・・ビール ’これも良く使います、‘とりあえずビール’に悪いので、 近頃は 「 先ずは ビール 」 と言う様にしています。


 朝日新聞 Doraのドラ猫に 「 仕方ない 」 の前にトライ!
と題して、ドラ・トーザンさんの ウイットに富んだ、生真面目なエッセイが載っていましたので紹介します。

148 ドラトーザン
     







 フランス語に訳せない言葉の中で、フランス人に受け入れ難いものが「 仕方がない 」ではないかしら。 

 私はあきらめの悪い性格なので、日本人が 「 しょうがない 」 と言うと、「 どうしてすぐあきらめるの! 」 と頭にきてしまいます。
 あきらめの良さ。これも日本人の特性の一つでしょう。フランスでは日本についての記述の中に『 諦観 』 が良く使われます。日本は自然災害が多い国。地震・台風・噴火・津波のほか、火事も多く、長い梅雨もあります。人知の及ばないことに抵抗しても、それこそ 「 仕方のない 」 こと。どんな状況をも受け入れるすべは、エネルギーをポジティブな方向に使うためには大切です。
 「 すんだことはしょうがない 」 仏教の影響もあるのか、この精神は日本だけではなく、アジアの国にいると感じます。終わったことでもこだわってしまう私にとって、尊敬すべき精神とも言えます。

 ただ、何でも 『 しょうがない 』 で片付けるのには反対。世の中を見渡せば、あきらめずに戦わなければいけないことは沢山あります。戦争や政治家の不正といった社会問題から、職場の待遇や日常のささいなことまで、納得のいかないことには 「 NON 」と言い、怒りを表わしましょう。
 フランス人は、すぐにはあきらめません。毎日どこかでストライキ、デモが行われているのはご存知の通り。 「 C’est la vie! (セラヴィ=人生とはこんなものさ) 」 と言うあきらめの言葉は、トライしてから最後に口にします。

 行動を起こすことで、人生が好転することも多いいのですから! と結んでいます。



私(増澤)、デザインに ‘ とりあえず ’ が多くなってきたように思います。  ‘ しょうがない ’と力量不足や歳のせい( 持久力がなくなる )にするのではなく
 あきらめずに 求めつづけましょう。 いいものは必ず残る。

心を込めて、願い、求めよ !  さらば 開かれん。
  

Posted by masuzawa05 at 09:53Comments(0)

2009年02月16日

気になる経営者の言葉・その3

 インドIT界の巨象 インフォシス・テクノロジーズ創業者・インドの21世紀のガンジーと呼ばれている。

148'








◎ 『 富の分配 』 より 『 富の創出 』 :
                         
欧州で働いていたとき、共産主義者から資本主義者まで様々な考えの人々と議論する中で悟ったのは、巨大な貧困を抱えるインドでは、『 富の分配 』 より 『 富の創出 』が必要ということでした。多くの仕事を作るには起業しかない。幸い祖国には職のない優秀な技術者があふれていた。安価で優秀な才能を使えば、ソフト市場で欧米企業に勝る価値を提供できると考えたのです。

「 豊かな欧州を見て驚き、社会主義が掲げる富の分配より前に、富の創出が必要だ 」と痛感する。


◎ 中国に見習うべき点:

 人口11億人のインドでIT産業の雇用は約1200万人に過ぎません。インドには読み書きの出来ない人が大勢いて、大半は経済発展の遅れた地方に住んでいる。彼らを雇用する製造業の創出が必要です。それを成し遂げた中国に見習うべき点は非常に多い。


◎ 分かち合いについて:
 
 今もトイレ掃除で一日を始め、会社の利益の1%を貧困支援に投じています。豊かなインドを実現する為には、機会に恵まれた人間が、そうでない大勢の人間の生活向上のために必死で働くしかないのです。車も家も洋服も、しょせん一人が消費できる量には限りがある。富は大勢の他者と分かち合ってこそ、本来の力を発揮するのです。


◎ 高い理想を追う経営者は緻密なリアリスト:

 「 神様は信じるが、神様以外はデータで示せ 」 がインフォシスの合言葉である。


● 銀座のデパートで教えられた:

 あれは82年。銀座のデパートでエレベーター係りの若い女性を見て、日本の友人に「彼女は一日中同じことをして退屈しないのかな」と聞いたのです。友人が日本語に訳して伝えると、彼女は笑顔で 「 私はお客様を気持ちよくお迎えするこの仕事で給料をいただき、それに誇りを持っています 」 と答えました。
 いや、もう恥ずかしくて。あんな質問をした自分の愚かさに顔から火が出る思いでした。彼女に働くことの意味を教えられました。今でもこの体験を社員に話し、仕事と向き合う姿勢の大切さを説いているのです。 と述べています。


* 私(増澤)、何故インドで多くの優秀なIT技術者が輩出したか疑問でした。
     
単純に数学教育が進んでいるためにこの分野に入り易かったと思っていましたが、さにあらず、 インドではカースト制が敷かれていたため、世襲の職業分野が決まっていて、人が沢山居ても職業を選べないけれど、IT業界は最近できた職業分野で、世襲制から外れているため多くの優秀な人材が集まったと聞き知りました。



 ところで、石井建築事務所は創業以来、朝全員で所内・玄関前を掃除します。トイレは新人の仕事です。いつも全員が揃わないので、遅れている部署を誰かが手伝います。               
その後テーブルを囲んで朝のミーティングをし、今日自分がすることを一人一人しゃべります。一週間の概略を話す人もいたり、些細な問題事が披瀝されることもあります。

単純なことの繰り返しですが 「 継続は力なり 」 と信じ、 「 ちょっと多く、ずっと続ける 」 を実践しています。                          
やがて天に向かって広げた両の手の平に ‘ いい話 ’ が、あるときポトンと落ちてきそうな予感がします。  
  
Posted by masuzawa05 at 10:01

2009年02月09日

建て替え

 以前 私(増澤)、熱海市の景観審議委員( 建築士会熱海支部から派遣 )をしていたとき、市内の河川改修の件で、川に面した手摺を、他と同じような偽木の手摺に合わせるかどうかで、委員会がもめた事が有りました。

147篠原さん











 私は偽木が嫌いで反対しましたが、市の担当者は 「 他がそうだから 」 と頑なに偽木手摺を薦めるのです、そのとき会長であった篠原さん ( 当時東大で都市計画の専門家 ) が、 「 アイアンワークのいい手摺があるから紹介しますよ! つり合いを考えるのであれば、将来他の偽木が古くなったらアイアンワークの手摺にそのとき変えればいい。良くないものを踏襲する必要はない 」 この一言で、熱海にも木とグリーンアイアンの瀟洒な手摺が誕生したのでした。

1  








2








3     








 先日 「 建て替え 」と題した先生の住宅新築にまつわるエッセイを建築雑誌で見かけたので紹介します。


● 平成18年春、退職を期に家を建て替えることにした。平成10年に購入した中古住宅は昭和50年代の建物で、雨漏りもあり、このままではもつまいと思ったからだ。問題は設計を誰に頼むかである。

 早稲田の建築出身にして、今や景観グループの旗頭、Yチャンには脅迫めいたことを言われていた。家をハウスメーカーに頼むようでは、言葉は定かではないが、軽蔑すると言ったか、篠原のデザインを以後信用しないと言ったのか、そんな脅しとは関係なく、設計はNさんに頼もうと思っていた。Nさんとは旭川の駅のプロジェクトで平成8年以来の仲で、彼のエンジニアリングの確かさ、専門外の人間の意見を聴いて柔軟にデザインを展開する、その本当のデザイン力と誠実さをよく知っていたからだ。

 女房は、しかし嫌だと言う。景観研究室の面々といっしょに招待されて、鎌倉のNさんの自邸に行ったのがまずかったかもしれない。二階に上がる階段の手摺はワイヤーで、蹴上げはスケスケだった。女房は高所恐怖症なのだ。しかし、嫌な理由はそんな事ではないと言う。Nさんは人の言うことを良く聴いて、こっちの言うようにデザインしてくれる人だからと説いても、納得しないのである。

 女房の言うところはこうである。 ( 一流の ) 建築家であれば、施主の要望を受けてデザインしても、仮にすべてを施主の言う通りにやったとしても、どこかに、建築家が出る。それが出ないようであれば、 ( 一流の ) 建築家として世に通用するわけがないでしょ、と言うのである。                                   
御説、御もっともと引き下がる他はない。女房は 「 普通 」 の家でよいのだと言う。Nさんでもダメなら、今の日本に普通の住宅を設計してくれる建築家はいるのだろうか。

 かくしてわが家は典型的なハウスメーカーの一つであるS社の設計、施工により出来上がった。出来上がってみると、これがあまり普通とは言い難い家なのである。トイレと風呂場はリビングを挟んで離れており、台所と風呂場も遠い。つまり水回りの位置が合理的でない。何より妙なのは、リビングとダイニングが45度角度をなして折れ曲がりに続き、その奥の台所まで見通せるのである。そんな家は今までに見たことはない。

 Nさんには頼めなかったが、設計終了まで図面は見てもらっていた。収納と回遊性に注意せよ、それがチェックポイントだと言われた。回遊性は女房との間が気まずいときの、逃走の必須のアイテムなのだと言う。その結果、我が家の1階は孫たちの隠れんぼに格好の裏通りだらけとなっている。
 ハウスメーカーの、しかしちょっと普通でない家に後悔はない。振り返ってみれば結婚以来、家にはほとんどいなかった人間に発言権はないのである。デッキに出て、夜空にオリオンを眺めつつ煙草をふかすことでよしとしなければならない。家とは所詮、小生以外の家人のものなのだから。                                   
新建築より抜粋。


 私(増澤)、我が事のように読んでしまいました。

我が家で女房に言われ続けていること: 新築よりも、今住んでいるところ、せめて      
「 最小限の普通 」 でいいから直して。

特に母屋の台所は、五十年程前に今は亡き父が、大工さんと手作りした 大流し・調理
台・一段下がったガスコンロ置き台と引き出し・戸棚が一体になったものに、板金屋さん
がステンレスを上張りした年代物で、一介のサラリーマンが母と家族のために考えた愛情
の作なのだが、ツギハギだらけヨレヨレ・ボロボロ、今風でない。        
 
意気込み設計すれば、多分女房は 「 普通でいい 」 と言うだろう。 面倒だから 
ほっておけば またまた、 「 最小限の普通に 」 とチクリとくるだろう、その辺
が煩わしいのだ・・・。
                                 
以前、親父の墓所と墓標をデザインしたのだが・・・・・、                     
黒御影の楕円の台座の中央にスックと立つ楕円柱の墓石が嫌だったらしい。 「 私そんなのだったら入らないから 」 と言い張る。やむなく普通の角柱の物にしたのだが、どうやら目立つのが嫌だったらしい。今はオリジナル墓石が流行なのに。

一事が万事そんな具合で、設計士である私の立場以前に、それは夫婦の問題なのだろう。


結果、改築も新築も手付かずのまま今日まで・・・女房の為に私らしい家?を建てたいと思うのだが、設計条件に姑、小姑を絡めると改装や建て替えの具体的な解が複雑かつ難しくなる。歳はどんどんとっていくのに・・・・・どうしたものか。

  
Posted by masuzawa05 at 09:26Comments(0)

2009年02月02日

もの創り・もの作り・ものづくり

147'






     




 自動車デザインの最高峰を極めた男が山形県の産業復活に汗を流している。独ポルシェなどを経てイタリア 「 フェラーリ 」 のデザインも手掛けた奥山清行だ。

 「 故郷の山形で 『 理想のもの作り 』 を試したい 」。県の補助金を得て 「 山形工房 」 をつくり、地元企業と組んで世界に通用する製品を開発している。代表作は十四万円の木製コート掛け。年間五百本が売れた。
 木工や鉄瓶など高級車と違って地味な分野だが、 「 職人になりたい 」 と地元企業への就職を希望する大卒者も出てきた。 「 経済が停滞している今こそ本物が光る 」奥山は自動車への夢も捨てていない。来春に向けて世界初の 「 顧客一人ひとりに対応した完全受注車 」 の開発を急ぐ。

 農業や環境、地域再生は政府や自治体の守備範囲だった。起業家はそこを舞台に新たな 「 公 」 の担い手を目指す。
 公共性が全てに優先するわけではなく、利益至上でも企業の持続成長は難しい。生産者か消費者か、株主か社員か、政府か市場か・・・。二者択一でなく多様なステークホルダーに配慮しつつ長期的な利益も確保する。その先に本当の価値が見えてくる。

            日経: 価値を創る ( 停滞を越えて )より抜粋


 私共(石井建築事務所)の仕事分野である ‘ 住宅も ’ も ‘ 宿 ’ も、機能を越えてオンリーワンの 「 情緒性 」 をいかに具現化するかが問われ、普遍的なものを探りつつも時代適応型のデザインが求められている。とどまってはいられない。


 「 苦しい時であるからこそ成長に向けて思い切った手を打つべきだ 」。パナソニックと三洋電機が開いた資本・業務提携会見で、パナソニックの大坪文雄社長は語気を強めた。
 「 不況良し 」 の心意気。
 需要の急減速を受けて産業界では減産や人員削減が始まったが、身を縮めているだけでは将来の成長は描けない。
 「 好況良し、不況さらに良し 」 創業者の故松下幸之助氏の言葉だ。不況時には普段見えなかった欠点が浮かび上がる。それを乗り越える努力をすれば、つぎの飛躍に向けての視界が開ける。                                     
 日経: 企業収益 ( 逆風に挑む )より抜粋
       


 私(増澤)、思いますに、好景気の時に貯めたお金 ( 内部留保金 )を、不景気のときにこそ効率よく使ってもの創りをし、景気を喚起するということでしょう。
                             
小さな我々のような会社こそ、株主に配慮しつつも、社員とお金をうまく使って独自路線に打って出なければ業務執行者として存在価値がないと思っているのだが・・・。
会社は株主のものだが、やる気に満ちた社員のHOME ( 家 ) なのだ。
               
この二〜三年の間にこそ、新しい価値観と収益性を模索・確立して後、変幻自在、臨機応変、少数精鋭で勤勉なデザイン事務所に生まれ変わらねば、淘汰される。そう思う今日この頃です。
  
Posted by masuzawa05 at 09:33Comments(0)
心を形に表す
建築空間にはいろいろの「想い」がある。
具体的な平面から容積のある空間へと立ち上げるさまざまな作業の中で、オーナーの使い勝手や心情が、私の心を通して色づいていく。
思い入れ豊かに熟成された建築空間には、オリジナルでしなやかな空気が息づき始める。
豊潤で美しく、時に凛々しい。
機能的であることは大切なことですが、美的な創意工夫も大切な要素です。
そう思いながら設計しています。


増澤信一郎
S22年10月11日生まれ
芝浦工業大学建築工学科卒業
静岡県伊東市宇佐美在住
MONTHLY ARCHIVES
アクセスカウンター

アクセスカウンター