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増澤信一郎の心模様 石井建築事務所ブログ

2008年02月25日

iroha


     





沫雪(あはゆき)の 中に 立ちたる

三千大世界(みちあふち)

また その中に 

沫雪ぞ 降る       ― 良寛。 (三千大世界:宇宙)

 ● 良寛の『 三 嫌 』とは : 詩人の詩・書家の書・料理人の料理・・・う〜んとうなって 私(増澤)、わかる気もする。 (名うての棟梁(建築家)による数奇屋普請の住宅・・・なんてのが無くてよかった・・・?)


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月日は 百代の 過客(かかく)にして

行き交う年も又、旅人也  ― 松尾芭蕉。 (百代:永遠、過客:旅人)                   

● 文意:人は永遠の旅人である


tabi
    









旅という字形に 道中を急ぐ、三度笠・合羽姿 が見え隠れするのですが如何でしょうか。
  

Posted by masuzawa05 at 11:31Comments(0)

2008年02月18日

こんな形・あんな形の屋根

 一般的には国立公園地域内の宿舎事業の建物には屋根を付ける事になっています。其の事による景観保持に異論は無いのですが、 多雪地帯の勾配屋根は雪落ちによる事故や、軒先のスガ漏れによる被害が多発するからでしょうか、 蔵王では陸屋根も安全上許可されています。 しかしながら、マッチ箱の建物では情緒が無いので、こんな形でスカイラインに変化をつけてみました。


夜景








 これは陸屋根のパラペットを山並みに合わせたゆるいRで処理し、短辺方向両サイドのエッジを斜めにカットしました。 内側ルーフが平らですとパラペットの高さに高低が出来、積もる雪の厚さにバラツキが生じ、上側の粉雪が吹き飛びにくくなる。とのオーナーのご指摘で、パラペットのRに合わせて内側のスラブをカマボコ状にRで作って、パラペットの高さを均一にしています。 デザインと機能の融合です。


◎ 近くにある姉妹館の別棟の湯殿 ‘ 離れ湯 百八歩 ’ です。

外観






何でこういう形になったの? との質問をある人から受けました・・・。

外観についてのコメントは普段あまり喋らないのですが、お話するとこう言う事です:

「雪の処理は大変です! メンテナンスフリーを目標に屋根の形を考えました」。

RC陸屋根 のラウンジを中央部にドンと据え、木造起り(むくり)付の片流れ屋根を平面的にずらして両ウイングに付けました。左右、安全なスペースに雪を落とす、RC・木造   混構造の源泉風呂です。ちなみに、硫黄泉浴室は木造の部分に納め、浴槽下はピットになっています。

● 真上から見た模型写真です

模型2








● 鳥瞰模型写真です

模型3









 一応、メンテナンスフリーを目指し、構造に偽りの無い機能的デザイン、変化があって印象に残る美しさ、としたつもりですが、いかがでしょうか。

‘ 機能はデザインに表れる ’ そのことを踏襲しデザインがなされているのですが、
人は 『 一見 』 した感じ でしか印象を語らない。 私、いい と思っているのですが。
 今は亡き当社創業者の石井会長に、「 機能に偽りの無い美しい建築を目指しなさい 」といつも指導された事が心に残っています。


DESIGN は奥が深い  「まだまだだな!」 と思う今日この頃です。
  
Posted by masuzawa05 at 10:49Comments(0)

2008年02月12日

Pホテル・Nホテルに行ってきました

 ● その一 : これは Pホテル の皇居お堀端から見た外観です。夜、最上部パラペット・ルーバーが行灯状に光ります。

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 玄関両脇に一対二頭の獅子が迎える、香港Pホテル・独特のエントランス を踏襲した玄関キャノピーです。しかしながら前庭というかロータリーが狭いので、ゆったり IN という感じではないのが残念、ただし 全館がこのホテルだという事はよく判る。
   
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 玄関前が吹きさらしで寒いのか、軒天に沢山ヒーターが入っています。それも分かるんだが、冬はここにしっかりと床暖房をし、つたい状の風防とドアマンの控え室を作ったら格調高いのにと思いました。
 風除け室が狭く、ラウンジに冷気が入ってしまうとの事、軒天ヒーターはその為であろう。新築なんだから他に方法は有るだろうに。


 これはエントランスホールの竹のオブジェです。ドラゴンをデザインしているのでしょうか、意外性が有って面白い。

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 たまたま新郎新婦の入場に行き会いました。華やいだ感じはいいのだが、普段、このメイン通路がティーラウンジの真ん中を突っ切っているため、アフタヌーンティーを優雅に摂るには、ざわついていて かつ風が吹き抜けて、よろしくない。           
違うアプローチは取れなかったのか、そこがどうしても気になる。

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 土壁をバック壁に塗りこんだフロントです

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 客室はベッドと居間とビジネステーブルとダイニングテーブルが当然のことながら意識的にレイアウトされていて、且つウォークインクローゼットがたっぷりと広く取ってあって、着替えや化粧スペースが豊かなのがいい。

客室の杉の網代天井・ベッド・居間・ビジネステーブル・ダイニングテーブルの写真です

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 踏み込みと客室を仕切る木の引き戸・バスタブ・湯口・ウォークインクローゼット内の化粧スペースの写真です。

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 全体にナチュラルなベージュ系の色彩でまとめられていて好感が持てる。

しかしながら、格子・木・網代張り天井等の和素材を多用してはいるものの、あくまでも‘洋’の空間に‘和’素材をちりばめたという域をでていないと判じてしまう。  

 日本に作るのだから !                             
と拘るペニンシュラであるなら、素材ではなく和の空間創りの中にベッドや洋の機能を取り込んだ客室としたら、和素材も生きたろうにと思う。

 皇居の緑、お堀と石垣から続く玄関への 『 つたい空間とエントランス回り 』 に、なによりも期待感を醸し出す余韻が欲しかった。三菱地所さんの設計で橋本夕紀夫さんのインテリアコーディネートとの事、言い訳をするにはあまりにももったいない。

 私なら、玄関前の車寄せの狭さを逆手にとって、「 一気に最上階の皇居の緑が見えるロビーラウンジに運び 」 ってなことを考えるのですが如何でしょうか。
                              
世界がこのホテルを介して皇居とつながり、一体となる。そんな ‘つながりのあるランドスケープデザイン’ と ‘夢’を描ければ、‘ ペニンシュラ・JAPAN ’になるのにと思いました。屋上へリポートは作る・作れないでモメていると聞きましたが、場所柄、他に特別な規制でも有るのでしょうか!?
 

● その二 : ニューオオタニの本館の一部フロアーを ホテル内ホテル として改装したので、見学に行ってきました。  テーマは 『 禅 』

 玄関の表情を変え、改装フロアーの入り口を 禅 としました。

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 廊下と客室です

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 入り口のデコレーションと 禅専用 VIP ラウンジです。

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ホテルには ミニ盆栽 が良く似合う

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88室のうち 色気としては黒と白、焦げ茶と白 が半々との事ですが、黒と白はコントラストが強すぎて、且つ備品の様々な柄や色がゴチャゴチャしていて落着かない。シンプル AND スマートからは程遠く、尚且つ天井が低いところにもってきて濃い色彩はうまくない。

しかしながら新館とのつなぎの庭に面した元々在ったティーラウンジは、古びたインテリアとはいえ落着く気安さが受けるのか、中高年の女性でごった返していたのにはビックリ。庭の見える景色のいい席は、それなりに人気があるのは良くわかる。

昔、子供が小さいころ家族連れで正月を ‘金扇’‘銀扇’ で連泊した思い出がある。
お正月セットはいつも満室との報道。

 それは兎も角として、ここでは、禅という本来持っている 精神的テーマ を形にすることのむずかしさを感じました。


◎ ついでですが:

私共で『 タオの風 』をテーマに 『 悠久さ 』 を演出した宿 「海のしょうげつ」を 「桃花源記」 的解釈で知多半島に設計しました。                
手前味噌ですが、桃源郷として出来ているようで、出来ていないような・・・・???・・!

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 時の流れを‘ふりかけ’にして、いい味が出てくるとするならば、宿は周辺環境との調和を目指し、環境に対して 『 素材提供型施設創り 』 が望ましいのでしょうが、造りこみの時点で、商品としての‘ありよう’ や ‘完成度’をどのレベルに置くかがむずかしい。 又、将来計画の余韻を残す奥ゆかしさも大切。

ところで、大規模旅館も 旅館内旅館 を標榜し改装が始まっているが、全体の流れの中のテーマをどう設定するかが肝心でしょう。そして既存空間のハンディーをバネにセンスフルな空間に変える魔術が必要でしょう。

                           
 話を元に戻して
シティーホテルであっても、改装するについては、二・三室つぶして廊下に自然の明かりと外気を取り込むような配慮が欲しいと思うのだが・・・・そして、そのスペースにテーマ性を附与したら面白いのにと思った。 ホテルの廊下は息苦しい。

新築と改装の違いが有るにせよ、対照的なインテリアでした。

日本に在るのだから(日本のみならず世界共通と思っていますが) 建築空間は 外とのつながりを無視しては成り立たないと強く思っています。昨年の夏、ニューヨークで見学したホテルもそうでした。しかしながら街中のホテルはそうではない! と言う論理であるならば、 其処のところを是非とも伺いたいものだ。             



高層ビルの一部を間借りして作る、オフィース改装の様なホテルではさびしい。    これからも、 相変わらずそういうホテルを作り続けるのでしょうか。
  
Posted by masuzawa05 at 16:19Comments(0)

2008年02月04日

心に残る建築家の言葉・その14

日本建築について: アントニン・レーモンド

レーモンド








 われわれ外国人の、自然に対するいつくしみは、日本人にくらべれば実に表面的である。日本人にとって、自然は生命の秘密を握る鍵でもある。すなはち、多年にわたって人間を守ってきた自然を裏切るべきではなく、常に間違いの無い指導者として頼りにしてきた。

 また、野暮という言葉も、日本建築にはあてはめられない。偶然もなければ、18世紀の様式の模倣もなく、自然の中に自己を没しようとする ‘願い’ があるばかりである。

 装飾的という言葉を日本の芸術に与えるのもあやまりである。日本の芸術は、ただ全体の調和のとれた形を目指しているのである。たとえば額のようにどこにでも懸けられるものですら、その位置は常に、空間の調和を念頭に決定される。

 西洋人のいう装飾とは反対に、日本にあるのは、必要の生み出した‘美’である。矩形の入り混る変化、障子の桟の陰影、たたみのへりの直角な交叉、庭に向かってひらかれた、さまざまな出入り口。その幾何学的形態と自然との結びつきが、日本人の心をとらえ、また日本を象徴している。
                               
日本人は永遠の本質を解し、物にいつまでも拘泥しない。 あるがまま、なるがまま。

 また、日本の気象の烈しさは格別である。強い風、ひどい雨、寒さ、焼け付く太陽、地震、台風、それらは物の脆さを人に教える。それはまた、人間の精神の不変の偉大さをも悟らせ、天に感謝させる。


 単純性ということが、美化、そしてさらに省略を意味するような文化は、おそらく日本以外に未だかつてなかったのではないだろうか。単純化が一層強められて、不要なものを省略するとき、趣味を解する人はそこに ‘優雅’ を見出す。ディテールに拘束されない所では、この精神がもっとはっきり表現される。奥ゆかしさである。
                    
人は、何かを表現しようとする際、床の間の一幅の掛け軸、一輪の花など、二本より一本にと単純化されたものほど好ましいとする。さまざまな要素が完全に調和する微妙な瞬間、何ものかが語り始める。 その時、人はこの上ない幸福感を味わうのである。


 実際の仕事に即して私(増澤)なりに考えてみると、シンプルさを基本にするとならば、付加すればするほど、美しさから遠のいてしまう。それゆえに、さまざまな機能を盛り込んだ現代の住宅を設計するのには、 省略と付加のバランス が大切だと常日頃思っていたら、

 そのあたりを彼は
「西洋との接触がもたらした、さまざまな変化によって、日本の建築家が家を作るとき、その住み手の 純日本的生活と西洋的生活 の二重生活を、包括しなければならなくなってきている」 と述べています。


そして、『デザインにおける永遠の価値』 について以下の四項目を挙げている。

● 理念;
 たとえば、いかなるデザインの背後にも、理念の重要性がある。精神的理念、それは宇宙への覗き窓でもある。

● 正直;
 どんな形であっても、不正直さは、ぞっとする、いやなものである。

● 単純;
 デザインにあって、表現の方法が単純化するほど、真の理念に、近づき、表現が強くなり、力に溢れ、さらに真実に近づき、美となる。

● 率直;
 率直さは、まわりくどさに比較され、わけても、こじつけに比較される。複雑で、まわりくどく、気力のない、こじつけの方法に対抗するのが、 率直さ である。


 私の近辺で好きな建物があります。40年程前に出来た伊豆の修善寺に在るサイクルスポーツセンターです。
特に鉄骨造の 大観覧席 が圧巻です。鉄骨折版葺きの構造むき出しの大空間は、周囲の山並みに溶け込んで美しい。

 これは皆さんお馴染みの軽井沢の 聖パウロ・カトリック教会です。

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彼が 日本を好きだったことを、嬉しく思います。
  
Posted by masuzawa05 at 10:30Comments(0)
心を形に表す
建築空間にはいろいろの「想い」がある。
具体的な平面から容積のある空間へと立ち上げるさまざまな作業の中で、オーナーの使い勝手や心情が、私の心を通して色づいていく。
思い入れ豊かに熟成された建築空間には、オリジナルでしなやかな空気が息づき始める。
豊潤で美しく、時に凛々しい。
機能的であることは大切なことですが、美的な創意工夫も大切な要素です。
そう思いながら設計しています。


増澤信一郎
S22年10月11日生まれ
芝浦工業大学建築工学科卒業
静岡県伊東市宇佐美在住
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