2008年01月28日
今どきの旅館に必要なもの・その12(温泉旅館の本分)
温泉旅館の 本分は 『 湯 』
直木賞作家の山本一力(いちりき)さんが朝日のコラム 「 陽を浴びた朝つゆ 」でこう述べていました。
「 添乗員の本分は何だ 」初めての単独添乗を控えた前夜、怖い先輩にこう問われた。
わたしは手近な言葉を使い、あれこれと分かったようなことを言い募った。三十九年前の、二十歳の春だった。
「 そんな小賢しい考え方で添乗するなら、会社を辞めろ 」 答えを聞いた先輩は、顔つきを目一杯険しくした。
「 元気に旅に出たお客様を、元気なまま、怪我も病気もさせずに連れ帰ること。これを実行するのが添乗員の本分だ 」
サービスだの快適性だのは、すべて二の次。元気な姿で出発地点まで連れ帰ることこそが、添乗員に課せられた最大の使命、本分だと心得よ。
三十九年前の先輩の言葉は、いまの時代が真剣に耳を傾けるべき箴言であると確信する。
・ 箴言(しんげん):いましめとなる短い句、格言。(たとえば、ソロモンの箴言とか)
多くの企業が、なにが本分であるかを見失っている。
食品メーカーは、安全な食べ物を供給すること。
交通機関は、時刻表通りに安全に旅客を目的地に運ぶこと。
これが本分ではないか。その他のサービスうんぬんは、本分を果たしてこそ光る。
ならば温泉旅館の本分は?
湯を 堪能できることだろう。
嬉しいことに、なによりも 湯 が命という温泉旅館に出会えた。・・・・・ガラス戸を
開くと、湯殿に立ち込めた硫黄の湯の香が押し寄せてきた。 その強さに、思わずクラッ。こんな体験ができるのも、正真正銘の 『 源泉かけ流し 』 の湯だからだ。・・・・・・・・
「 温泉旅館の原点に、もう一度立ち返りました 」 湯はどこにも負けないと、社長は笑みを浮かべた。本分をまっとうする者の顔つきは、だれもがさわやかだった。 と、結んでいます。
先日、私(増澤)何軒か設計をやらせていただいているオーナーで会長さんの、竣工検査に立ち会いました。出来上がった施設を回りながら、次のような指摘を受けました。
「お前たちは、意匠ばかりに頭が向いていて、お客様の目線・使い勝手・安全を考慮し、具体的な使用状況に思いを馳せた、設計をしなければダメだ」と、 設計意匠を尊重はするが、俺はいつもお客様のつもり、目線で施設を点検している。
温泉が有っての温泉旅館
お客さん有っての温泉旅館
温泉旅館を設計する者の ‘本分’ とは如何に・・・原点に返れば、温泉有っての温泉宿なんですね。 ‘お湯’ が大きな顔を出来る気配り。
(*本分:その人の守るべき本来の分限)
もっと温泉を大事にした設計をしなければ。
直木賞作家の山本一力(いちりき)さんが朝日のコラム 「 陽を浴びた朝つゆ 」でこう述べていました。
「 添乗員の本分は何だ 」初めての単独添乗を控えた前夜、怖い先輩にこう問われた。
わたしは手近な言葉を使い、あれこれと分かったようなことを言い募った。三十九年前の、二十歳の春だった。
「 そんな小賢しい考え方で添乗するなら、会社を辞めろ 」 答えを聞いた先輩は、顔つきを目一杯険しくした。
「 元気に旅に出たお客様を、元気なまま、怪我も病気もさせずに連れ帰ること。これを実行するのが添乗員の本分だ 」
サービスだの快適性だのは、すべて二の次。元気な姿で出発地点まで連れ帰ることこそが、添乗員に課せられた最大の使命、本分だと心得よ。
三十九年前の先輩の言葉は、いまの時代が真剣に耳を傾けるべき箴言であると確信する。
・ 箴言(しんげん):いましめとなる短い句、格言。(たとえば、ソロモンの箴言とか)
多くの企業が、なにが本分であるかを見失っている。
食品メーカーは、安全な食べ物を供給すること。
交通機関は、時刻表通りに安全に旅客を目的地に運ぶこと。
これが本分ではないか。その他のサービスうんぬんは、本分を果たしてこそ光る。
ならば温泉旅館の本分は?
湯を 堪能できることだろう。
嬉しいことに、なによりも 湯 が命という温泉旅館に出会えた。・・・・・ガラス戸を
開くと、湯殿に立ち込めた硫黄の湯の香が押し寄せてきた。 その強さに、思わずクラッ。こんな体験ができるのも、正真正銘の 『 源泉かけ流し 』 の湯だからだ。・・・・・・・・
「 温泉旅館の原点に、もう一度立ち返りました 」 湯はどこにも負けないと、社長は笑みを浮かべた。本分をまっとうする者の顔つきは、だれもがさわやかだった。 と、結んでいます。
先日、私(増澤)何軒か設計をやらせていただいているオーナーで会長さんの、竣工検査に立ち会いました。出来上がった施設を回りながら、次のような指摘を受けました。
「お前たちは、意匠ばかりに頭が向いていて、お客様の目線・使い勝手・安全を考慮し、具体的な使用状況に思いを馳せた、設計をしなければダメだ」と、 設計意匠を尊重はするが、俺はいつもお客様のつもり、目線で施設を点検している。
温泉が有っての温泉旅館
お客さん有っての温泉旅館
温泉旅館を設計する者の ‘本分’ とは如何に・・・原点に返れば、温泉有っての温泉宿なんですね。 ‘お湯’ が大きな顔を出来る気配り。
(*本分:その人の守るべき本来の分限)
もっと温泉を大事にした設計をしなければ。
Posted by masuzawa05 at
10:22