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増澤信一郎の心模様

2007年03月26日

噂の美術館・噂の建築家

 東京の乃木坂に黒川紀章氏と日本設計 JV ・設計の 『国立新美術館』が出来ました。
収蔵品を持たず、公募展用の大展示空間を持つ異例な美術館です。公募展に限らず、いろいろなイベントに市民が参加できる会場を持つ美術館としては、まさしく‘新’美術館と言える。こんな建物がもっと出来ていいと思うが、370億はお金のかけすぎ、奇を衒わずとも、空間豊かなものは創れる。多分100億程度でも十分です。

 大空間の中にいわば親・カンガルーの袋のような展示室をいくつか持つもので、パブリックである吹き抜け大空間にはロビー・ラウンジ・レストラン・ショッピング・ライブラリー等が有って、それらは入館無料で、随所に北欧デザインの座りやすい椅子が置かれていて、ゆったりとして寛げる。
 但し、内部でふとそれぞれの企画展を見たいと思った時、外のチケット売り場迄戻らなければならないのがおっくうで、不親切。それぞれの企画展スペース毎に簡易で瀟洒な移動可能なチケット売り場が在ればBETTERで、そこのところが検討不足でスマートでない。

百聞は一見に如かず、建物の概要です。

○ 乃木坂駅から濡れずに入館できる、ガラスのつたい。

新国立01







○ 六本木側からのメイン玄関庇、玄関庇内部はなんと傘置き場、多角錐の風除け室(したがってオートドアーも斜めに開閉します)。

新国立02新国立03







新国立04









○ ロビーに二つある逆円錐の一つ、3Fにポール・ボキューズのオープンなレストラン(これが客寄せパンダと言えなくもない)、もう一つの2Fにティーラウンジが在る。二つの内部の円形空間、この部分がガラスの外壁の二つの出っ張りとなっている。自立した逆円錐は接地面が広く使えて良い。 

新国立05新国立06










新国立07新国立08













○ 3Fレストランと図書室

新国立09新国立10










 地方にも市民参加型の  憩いのホール・レストラン・ティーラウンジ・図書館・展示イベントホールを具備した 『○○ 新美術館』があってもいい。

● ここにまつわる ちょっと ヨクナイ話

・老醜:
 丁度見学のころ、黒川紀章氏(73歳)が石原慎太郎氏(74歳)の向こうを張って都知事選に立候補した。石原氏が立候補を辞退しないなら私が立候補すると言う(年齢は関係ありませんが、一応参考に入れてみました)・・・・・。東京オリンピックは止めにして、福岡で!と。    
東京オリンピックに向け石原氏は安藤忠雄氏を建築家として推薦し、安藤氏も早々と石原氏の会見に何故か同席しているという不思議。(前々回の石原氏の立候補の時には黒川氏は自社ビルを選対に提供して全面的にバックアップしたという、今回の騒動で知ったのだが・・・・・この辺の結びつきが、クリーンでなく何か卑しい。)

 老人たちの 頑固一徹・ひとりよがり・身びいき・・・・・そしてジェラシー。
老いのなせる業か、トップレベルの人たちの ‘品’のなさ。ただただ恥ずかしい。

● ここで見聞した ちょっと イイ話

・ 老秀:
 美術館3階の屋上部分、竹林中庭に面した一画の白木作りの安楽椅子に年のころ七十代後半とお見受けする、中肉中背の老紳士二人が腰掛けて雑談をしていた。        
新美術館を誘い合わせて見学に来たのだろう、聞くともなしに聴いていると、どうも旧制中学の頃の柔道部の仲間らしく、一人が学生時代に戻ったように少し大きめな東京弁でしゃべり、片方が静かにうなずきながら答えている。
「あのときの何々君の技はすごかったね・・・・云々」                 
「先生もびっくりしていたねえ・・・」 
そして、「○○はがんだと聞いたがどうも喉頭がんのようだ、でも手術して元気のようだが・・・・」etc。
 
敬語無しのゆったりとした男友達同士の会話。
 しばらくして、
「町にでも出て、おいしいコーヒーでも飲みましょうか」 
「そうですね、そうしましょうか」 

行きつけのカフェでも有るのだろうか、音もなくスッと立ってゆったりとした足取りでエレベーターに向かうお二人の、きちっとした身なりの後姿を見送りながら、心なごむ私。    

矍鑠(かくしゃく)として淡々  ‘お洒落’で‘粋’。 



 仲良きことは 美しき哉!  老いて問われる・品性。
  

Posted by masuzawa05 at 18:01Comments(0)
心を形に表す
建築空間にはいろいろの「想い」がある。
具体的な平面から容積のある空間へと立ち上げるさまざまな作業の中で、オーナーの使い勝手や心情が、私の心を通して色づいていく。
思い入れ豊かに熟成された建築空間には、オリジナルでしなやかな空気が息づき始める。
豊潤で美しく、時に凛々しい。
機能的であることは大切なことですが、美的な創意工夫も大切な要素です。
そう思いながら設計しています。


増澤信一郎
S22年10月11日生まれ
芝浦工業大学建築工学科卒業
静岡県伊東市宇佐美在住
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