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増澤信一郎の心模様 石井建築事務所ブログ

2007年02月26日

心に残る建築家の言葉・その7

『住まい』とは家族の容器(うつわ)である。

清家










 清家さん曰く; HOUSEはできるけどHOMEはなかなかできない。ハードとソフトを結びつけるデザインを含めた‘システム’が大切なのではないでしょうか。

 たとえばピアノがあるから音楽があるのではなく、音楽のためにピアノがあって、そこにピアノを含めたシステムがあるわけです。システムとは日本語で訳すと『一式』といい、建築一式、住宅一式、住まい一式、要するに生活一式です。生活一式というのがホーム+ハウスという気がします。・・・・・(中略)
 物を考えるにはできるだけ一式で考えるのがいいと思います。待合の‘つけ’みたいなもので、「上様 一式いくら」と書いていい、それをいちいち酒が何本、芸者・花代いくらなんて書かれるとつや消しになってしまいます。
 家づくりもソフト+ハードの一式で考えるべきでしょう。建築家フランク・ロイド・ライトは、住宅の設計に熱を入れすぎて、あるときクライアントのご主人を追い出し、クライアントの夫人と同棲することになったということです。ソフト+ハード一式の模範のようです。

● 家相について:
                                
家相は古い時代の建築基準法だと思えばいいんで、知識としては知っていていいと思います。わが家もよく「家相にしたがって建てたんですか」と聞かれますが、「家相の本を売って建てました」とお答えしています。わが家は拙著『家相の科学』に照合すると、吉・凶相半ばです。人には「うちで実験しています」といっているんです。また古い家相書にも「吉凶中半するがいい」と書いてあります。便所の位置はどこに置いても悪いことになっていますが、置かないわけにもいかないし、どこか便利なとこに置くというので「便所」だとも書いてある古書もあります。そうした冗談の中に真理が有るものです。

 なかなか面白い。
 軽妙・洒脱 飄々としてユーモアに溢れた長寿な方でしたが、残念ながら先ごろ亡くなられました。

 清家さんの作品として私は軽井沢プリンスホテル・南館が好きです。130メートル程の客棟がゆるいカーブを描いて連なります。廊下もカーブを描いて続きます。長い廊下も先端が見えないので長く感じません。デザインに嘘がなく、シンプルで美しい。

南館1南館2






● 装飾についての対談で建築家 林昌二さんにこう答えています

装飾とは‘お化粧’のことだと思います。装飾をどう考えるかによりますが、装飾というのは、若い人がお化粧しなくていいのと似ていて、年取ってきて骨組みがみっともなくなるとお化粧をしたほうが良くなるんではないかと思います。年増の厚化粧とよくいいますけど。

 骨組みに十分なお金をかけて作るのに、それをベニヤ板か何かの安物で隠してしまうのは、もったいない話だと思います。 若いうちは裸がいちばんいいんじゃないでしょうか。



東京芸大のセンスと東京工大の知性に磨かれ、持って生まれた庶民感情とエスプリに目覚め開花した デッカイ人。そう認識しています。
  

Posted by masuzawa05 at 10:02Comments(0)

2007年02月19日

京都の食事処(よねむら・洛陽荘・美先)

● レストラン・よねむら:祇園、築80年・町家を改造。 東京銀座に支店有り。    (交詢ビル・4F tel 03-5537-6699)、

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 古い町家を改造したレストラン。料理は和・仏・伊などジャンルを越えた米村シェフの感性で作る創作料理。二階に辻村久信デザインのバー有り。


 私たちは二階の畳の上に絨毯を敷いたテーブル席でした。
特筆すべきは、入れ替り立ち代りユニホームの違う‘おとこし’がサーブします。時に白服の調理人だったり、黒服のマネージャーだったり・・・全員がその都度襖を開け閉めしてキチッと給仕が出来るのです。訓練を兼ねた ‘売り’にしているとも思えないのですが、・・・そうなんです、やっぱりそれを売りにしているのでしょう、全員がお客と接する訓練がされています。今回はお昼のコースでしたが、夜も推して知るべしと思われます。


京都04









 これはアミューズ(付け出し)です。ガラスの器の上に金のスプーンに盛り込んだもので味と材料は忘れましたが、よく洋食コースで出る形ですが、 遊び・楽しみとしてはまずまずでしょう。  

京都05







 これは食感・味わい・ボリュームとも素晴らしかった。(個人的見解ですが)
上から順に
・ ぐじの皮
・ イベリコ豚の生ハム
・ 洋ナシ
・ ぐじの刺身
・ キャベツ温野菜
・ ドレッシング                                        
以上がサンドイッチ状に供せられます、組み合わせの由はわかりませんが、今思い出しても微妙な味わいが舌と心に残る逸品。

次に
● 洛陽荘:岡崎に在り、大正年間の華族・山階子爵の旧邸を改装(渡辺明さん設計)


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 ところがここでとんだハプニング!

先方の間違いで予約が入っていなかった。一日ズレていたのだ。申し訳ありませんという女将の配慮で広間にてお薄をいただき、館内を見学の後、近所の知り合いのレストランまで案内してもらう。
 というわけで料理のコメントなし。しかしながら、設えからしてオーソドックスな料理の雰囲気がある。いずれ泊りがけで訪れたい。

● 美千(みせん と読む):洛北・花背の野草一味庵「美山荘」店主のプロデュースによる。

京都11京都12









 
 シンプルモダンな内装と器、歴史の街・古都は新しいものも取り入れるのが早い。

京都13








 





 洛陽荘女将の差し入れのスパークリングワインを飲みながら、足早な見学ツアーの締めとした。
いずれにしても京都は奥が深い。

話し変わって、以前錦小路を歩いていたら、ラーメン屋さんに‘焼きめし’と表示があった。チャーハンではなく そう呼んでいるらしく、グルメマップ本にもそう出ていた。それとも、『焼きめし』と『チャーハン』は別物なのか? 
脂身の付いた豚肉とネギのみじん切りを醤油味でサッと軽くオコゲっぽく炒めた懐かしい味、学生時代の思い出とつながるのだが、まさしく焼き飯。 食べたいと思ってまだ食べていない。      
京都駅の線路沿いの名古屋寄りにおいしいラーメン店の隠れた逸品として‘焼きめし’が出ていた。 近いうちに行きたいと思って楽しみにしている。
  
Posted by masuzawa05 at 11:36Comments(1)

2007年02月13日

美しい景観を創る会・その4(放棄がもたらす景観破壊)

 公園緑地協会の立場から東京農業大学名誉教授: 平野侃三(ひらのかんぞう)
 農村景観の立場から財団法人農村開発企画委員会専務理事: 楠本侑司(くすもとゆうじ)
 御両名のセミナーより。

● 平野さんは景観破壊要因が開発から放棄に移っているという。

   開発による破壊
景観01景観02






景観03

   






   過疎による破壊
景観04景観05









一、 今までの日本の景観は開発によって大きく破壊されてきました。人口が減少に転ずるこれからの日本は、著しい高齢化と相俟って、放棄による景観破壊が大きな社会問題となるでしょう。
一、 東京を始めとする大都市においては、民間投資による都市の再活性化が進み、高度成長期からバブル期を通じて大きく拡大した周辺地域が急激に衰退し、景観破壊が進行します。都心地域においても一定規模以上の再開発が進んだ後は、残された地域の環境悪化が進み、日本が嘗て経験したことの無いスラム化が進展する可能性があります。
一、 このような放棄による環境破壊、景観破壊は、規制によりコントロールすることは出来ません。これを回避するのは、残された地域の人々の意識と活動による以外に無く、行政が如何にそれを支援する体制を創るかにかかっています。
一、 地方都市や農村部の放棄による景観の荒廃は、既に長年の人口減少により危機的状況にいたっています。これからの人口減少と高齢化は国土の保全を困難にし、地方都市の都心は空洞化し、農村部は耕作放棄地や管理放棄林の増大、集落の崩壊がより一層深刻になるでしょう。
一、 地方都市や農村部の景観は、人の存在によってしか維持されません。世論調査の地方都市や農村部居住志向をどこまでどのようにして受け止めるかが、美しい地方の景観を守る最後の道であり、美しい景観を守り、創り、育てることがそれを可能にする最善の道であることが明らかになるでしょう。美しい景観創りに地方間競争が熾烈になり、美しい日本として次世代に引き継げることを祈念しつつ・・・・・。


 ● 楠本さんはいきいきとした農村景観をいかに蘇えらせるか!の視点からの意見です。

   農山村に於ける放棄地
景観06景観07

   



   

   美しい農村景観モデル図
景観08









   

 農村に住まう
景観09景観10







景観11景観12










一、 優れた農村景観が、若者の定住、都市・農村交流事業での来訪者の増大、企業の進出などにおいて決定的に重要であることは地域住民の多くに認識されるようになった。
一、 農村や豊かな農地景観の推進戦略や手法が求められている。
一、 例えば、都市と違って農村では、景観を形成する要素は、農業生産環境や自然環境から歴史風土、人工的構築物に至るまで、はるかに多様な要素を対象とせざるをえない。
一、 また、身近な景観や居住環境を、自らの意思と手によってかなりな程度コントロールしたり、意図的に創り変える事が可能である。農道や田圃の整備などに代表されるような、農林業の生産性向上を第一義とする基盤整備だけでは、農林業振興はもとより、農山村を活性化していくには不十分となりつつある。
一、 これからの農山村活性化と産業振興のためには、自然環境の形成や景観形成を戦略的に重要な柱と位置づけた、新しい農林業および農山村振興を推し進める必要がある。
一、 言い換えれば、農山村の景観形成は、農業振興や農村整備において、補完的な政策から、根幹的な政策に転換してきているが、農業が生き生きとしていることが前提である。


開発から取り残された都会の一隅のスラム化や、それによる賑わいの偏在化。
地方に於ける放棄地の荒れ地化と開発による宅地化の調和と整合性。色々難しい問題があることがわかりました。

わがふるさとは 国のまほろば

日本全国津津浦々、観光旅館の設計に携わっていて、最近とみに企業が放棄?した保養所や官製ホテルが多く目に付きます。                       
 先日は施設を買い取ったオーナーに再使用の為の意見を聞かれたので、一軒については「解体して自然に戻したら」と申し上げました。こういうケースも増えるかもしれません。

建築設計も建物のみを作っているのではなく、ランドスケープデザインを念頭に入れてその地域その場所で環境との調和を図るべく対処しなければいけないと思いました。


ビルと自然と人の住まい、農地と自然と人の住まい 自分たちの心地良い未来を持続もしくは再構築する為に、知恵を出し合い、工夫しましょう。
  
Posted by masuzawa05 at 14:03Comments(0)

2007年02月06日

木喰上人(もくじきしょうにん)

山梨県下部の山の中、出生地の景色です

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微笑仏(ほほえみぶつ)・・・木喰上人の刻んだ仏、シャープな鑿跡の残る円空仏は良く知っているのですが、似て非なる(私が思っているだけですが)丸っこい仏像は気にはなっていたのですが、以前、木喰の里・微笑館(びしょうかん)を訪れた時にはたまたま休館日で見れず、再訪しました。

 生涯にわたり1000体の仏像を彫ったと言われているが、そこには本物の仏像は1体しかなくそれこそ肩透かし、公共施設としては恥ずかしい限り。放浪の旅のつれづれに彫ったのだから散逸するのは仕方ないと半ば諦めて帰ろうと思ったら、生家が近くに在るというので訪れてみました。

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微笑館では有料であるのにも拘らず、たったの一体の写真すら撮らせないのに、ここでは釈迦如来像・阿弥陀如来像・大日如来像・宝生如来像・阿閻如来像、五体を、見学・撮影を無料で気持ち良く撮らせてくれました。
 
 木喰上人は民芸研究家・宗教哲学者 柳宗悦に木喰仏が見出され、その存在が世に知れました。独得の微笑をもつ木彫仏は人懐っこく、にこやかに我々に語りかけてくれる。

 1718年生まれ、21歳仏門に入り僧名行道を名乗る、44歳のとき、肉食を採らず五穀を断ち、塩味・火食をせず、そば粉・木の実を粉にして水に溶いた物を常食とする
「木喰戒」を受ける。                             
これは体内の余分な油を落とし即身成仏を目指す、生の身体が仏のようなもので、「木喰戒」を続けていると‘死んでも体が腐らない’とは生家の当主の言・・・・・・・定かではありませんが、わかる様な気がします。

 55歳から日本回国修行(日本全土を歩きつくす)に旅立ち、北海道から九州まで遍路を続け、92歳で没するまで「木喰戒」を続け5度の日本回国をした。

 以下の写真は木喰上人の自画像と生家の現当主の写真です。

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まったくの ‘そっくりさん’ 私、笑ってしまって‘ビックリさん’


  御当主によると約500年前伊豆の伊東から移り住んだ伊東氏の末裔ということで、私と話が弾みました。約200年前に没した上人から数えて7代目とのこと、面影は一目瞭然、血縁を表わす。

 急傾斜の猫の額程度の日当たりの良い庭で、懐かしく豆を天日干しする傍らに黒い犬一匹、直感的に甲斐犬と思いましたのでオヤジさんに聞いてみると、「そうだよ」と一言。見たのは初めてでしたが、黒虎毛のきれいな犬でした。(写真は一般的なものを載せました)

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甲斐犬;日本犬の小型と中型の間に位置し、猪犬型(WILD BOARS)と鹿犬型(SHIKA DEERS)がある。野性味のある体型から想像できるように、いったん野に放せば敏捷性に優れ、その跳ぶ姿は疾風の如くで、この甲斐犬ほど山野に似合う犬はいない。一人の飼い主にしかなつかない忠犬。と有ります。
 個人的趣味でいうと柴犬より精悍でいい。

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なぜか 微笑仏は人間の権威が感じられないとして、非常に少ないとの御当主の意見でした。私は衆生救済からすると「微笑をなげかけて何が悪い」との思いもありますが、仏像には権威が必要だそうで、笑った仏像はそれ故に少ないとのこと。

 又ものの本によると、仏像を彫り始めたのは‘円空仏’に触発されたと有ります。ヤッパシそうかと思いましたが、その様でもあり、違うようでもあり・・・・・。私としては似て非なるものと思っています。いずれにしても又機会があったら訪れてみたい甲斐の山々、山の中でした。


上人の和歌

 「みな人の 心をまるく まん丸に どこもかしこも まるくまん丸」

私 尖ってばかりで ただ恥ずかしく。                   
恥ずかしついでに 下手な馬頭観音像をスケッチしてのせました。
moku13  
Posted by masuzawa05 at 11:15Comments(0)
心を形に表す
建築空間にはいろいろの「想い」がある。
具体的な平面から容積のある空間へと立ち上げるさまざまな作業の中で、オーナーの使い勝手や心情が、私の心を通して色づいていく。
思い入れ豊かに熟成された建築空間には、オリジナルでしなやかな空気が息づき始める。
豊潤で美しく、時に凛々しい。
機能的であることは大切なことですが、美的な創意工夫も大切な要素です。
そう思いながら設計しています。


増澤信一郎
S22年10月11日生まれ
芝浦工業大学建築工学科卒業
静岡県伊東市宇佐美在住
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