2006年12月25日
バリアフリー・その1
インターネットで検索すると バリアフリーホテル.netの欄に車椅子対応の宿として、今現在・2006年、71軒が登録されている。その中で旅館の登録は32軒です。
6万軒弱の旅館登録数からすると、このサイトでは0.055%です(預金利息並・スズメの涙ですが)。 想像するには、積極的に誘客するよりも、しかたなく?一応! ハートビル法に則って作るには作ってみたものの・・・という旅館が多いい様に思います。
この写真は上下2枚とも、私共でお手伝いした伊東の旅館・SYのものです。
温泉旅館に泊まるわけですので、源泉かけ流し・露天風呂(内風呂も在り)付きの和のインテリアのベットルームです。
そして何よりも嬉しいのは、一室しか在りませんが、心よりハンディのある方をお迎えするというホスピタリティーに満ち満ちていることです。
先ず受け入れ側の心のバリアーを取り除かないと、と言うとおこがましいのですが、なによりも喜んで頂くということは有り難くもあり、美しいことなのです。美しい行いを為すにやぶさかではない筈です。ここでは出来ているように思います。
やみくもな飽・飲食の時代は過ぎ、成熟化の中で、個々の目的に合った旅や宿をしっかりと探し、その目的に叶うならそれなりの代価を払う時代の到来です。老齢者とハンディーの有る方の旅もその延長線上にあります。
ある旅館で人に優しい施設を標榜し、部屋付の露天風呂仕様や手すり、段差に配慮した客室に改装し‘バリアフリー対応’と謳ったところ、車椅子の方や高齢者が殺到し細かな指摘を受けました。言葉の綾で軽く『対応できます』のつもりが『完全対応可能施設』と捉えられたようです。パンフレットの言葉にも注意しなければいけませんね!
元気な貴方もいつかは必ず他人の手を借りるのです。その時臆することなく自由に、露天風呂の宿を泊まり歩きたいと団塊の世代の一員として私はそう思い始めています。
そろそろ発想の転換をしようではありませんか。
そして私共設計士もユニークな楽しいデザイン力で、もっともっと日本の温泉宿になじんだバリアフリーの部屋を創りたいと思っています。そしていつの日かそのバリアが外れ、ユニバーサルデザインの粋な旅館がそちこちに満ち溢れたら楽しいだろう。
Posted by masuzawa05 at
10:10
│Comments(0)