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増澤信一郎の心模様 石井建築事務所ブログ

2006年09月25日

今どきの旅館に必要なもの・その6

秘湯の宿とは:
                                  
一時期ブームがありました、まだ続いていますがTVで探し出して放映するので、秘湯が日湯(日常湯)になってしまいました。

理屈が先走って‘いかんな!’と思いつつも、考え方が決まらないと図面化出来ない悲しい設計士の性・ゆえ、笑って許していただくとして、理屈付けをするとこうなります。

あせび野



 


 うちの事務所ではいろいろの意見、考え方、夢 を参照して以下の様に捉え直してハード作りの目標としています。

一、自然の佇まいの中で溶け込んでいること。

一、 たとえば、川に臨みしんと静まりかえった山奥で、せせらぎの音と澄んだ冷たい空気に交通の便の悪さを忘れて、じんわりと感動すること。

一、 豪華な料理ではなく地元の旬の素材を味わえること。

一、 宿そのものが目的というよりは、周りの景色・森の静寂・鳥の声・川のせせらぎなど、自然と親しむ‘場’の設えが大切である。

一、 お湯の良さと自然の美しさを堪能できること。

一、 秘湯にコンクリートビルは似合わない。ビル然としていない事。味のある木造建築や、木造建築風など、風情のある建物であること。

一、 部屋は素朴で懐かしく、伸び伸びとして汚れにくく丈夫なつくり。

一、 雰囲気はあるのだが堅苦しくなく、そこに溶け込むようにリラックスできること。

一、秘湯であっても一寸だけ‘オシャレ’でなければいけません。

 こんな風に設計・デザインしているつもりです。

秘密裡に訪れる、私だけのお湯と宿り、大いなる‘気もらい’の旅。
本来、秘湯は混み合ってはダメですが、そこのところが商売上矛盾します。

  

Posted by masuzawa05 at 10:00Comments(0)

2006年09月19日

美しい景観を創る会」スタートシンポジウム

景観

 







 政府の主導で美しい景観を創る会が、『異分野連携セミナー』として2005年2月16日スターとしました。
 これは、私が出席したスタートシンポジウムの内容です。今後順次、1年間にわたり6回開かれた内容の報告をさせてもらいます。
 始めに
・ 美しい景観は公共財である
・ 縦割りを打破した横断的職能集団
・ 日本を再び美しく
・ 美しい景観づくりへ積極的な活動を


VISIT JAPAN ‘ようこそ日本’ 外客を日本観光に! 観光施設作りに携わる者の一人として、伝え・その輪を拡げる責務があると思ったからです。

一、 景観とは、具体的な風景だけではなく、それぞれの心に残る 「心象風景」でもある。

二、 日本の近代化は、生産効率優先の政策であり、消費する側の生き方であるとか・情感が問われなかった。その‘ひずみ’が景観の中に生じている。

三、 フランスの憲法の三本柱
1、 基本的人権
2、 国家の主権
3、 環境の保全
すごいのは観光立国として 『環境の保全』が謳われていることです。

以下 1・アーバンデザインと修景
   2・対論:土木と建築<景観を壊すもの、景観を創るもの>
   3・国土のエステ<都市から住まいまで>
   4・放棄がもたらす景観破壊
   5・景観と生活<身近な生活に鍵がある>
   6・もりとまち<日本人は森を育てられるか>  順次報告します。

どの地方どんな場所にも、一つは守るべき美しい景色が必ずあるはずです。乞うご期待。
  
Posted by masuzawa05 at 10:32Comments(0)

2006年09月11日

古くて新しい・その2

 使われずに機能を失った古い建物は、人の息遣いが無ければ、ただ古いだけで死んだようにそこに在る。人が居て使い込んでこそ空間は輝き、命が灯る。壊すのは簡単だけど、もう一度命を吹き込むのには嘗ての使われ方を一度忘れて、新しい機能構築とそれに伴う思い入れが肝要であろう。
                                
又、よくある古い民家を移築して改装するというのではなく、古い空間の一部材、たとえば柱であるとか・梁であるとか・天井材の一部を使い、新しい機能空間に生かすという作業を経て、古いものがうまく生かされることが有る。用材としての木は第二の人生を生きて、役に立とうという‘木’なりの想いが繋がるからであろうか。

 川奈にあるT・U 旅館では新築した建物の中に古材の床柱・梁をほんの2〜3本使い、新材は薄黒く古材にあわせて着色する。作られた古建築風であることは判るのだが、雰囲気さえ良ければ、何故かおおらかに許される不思議さがある。

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これは私共で設計した 『湯回廊・菊屋』の木造大広間を改装したツインとダブルの客室です。大広間は空間が広いという事もあって、ダイニングに改装することが多いいのですが、今回は客室です。

 宴会需要の無くなった大広間は古き良き時代の空間と造作の良さを残しつつも、使われないが故になぜか寂しげであった。

 美しい格子組の天井や、手抜きの無い‘いい仕事をしている’舞台の天井までをも残し、たまたま、木造の大広間で柱割が二間(3.6M)で連続しているということもあって、そこに壁を造り部屋の仕切りとしました。
 そしてその古い格天井の持つ 「力」 を引き出すべく、使い勝手良く改造し、おまけにサービス廊下さえウッドデッキテラスにしてしまいました。

 ヒントは現状の‘施設’にありました。かつての機能・雰囲気が使われないままに、良い広間だからというだけで失われ朽ちようとしている。その空間を再利用してどう改造したらいいのか・・・・・。
                           
結果として今どきの需要に合わせ、新しい機能空間に組み立て直す事の面白さを体感しました。 来上がった客室の中に佇みながら、元々‘そう在った’ように見えるのは設計者の手前味噌でしょうか。
  
Posted by masuzawa05 at 11:43Comments(0)

2006年09月04日

心に残る建築家の言葉・その2

一、 建築は<様式>とは縁のないものだ。

一、 立体様式
建築は、光の下に集められた立体の薀蓄(うんちく)であり、正確で壮麗な演出である。


面: ひとつの立体は面によって蔽われている。
   その面は、立体を構成し導き出した力によって分割され、その立体の独自性を明らかにする。

平面: 平面は原動力である。
    平面の中に感覚の粋を蔵している。



コルビジェ
 私 学生時代デザインの勉強をあまりしないで遊んでばかり、一番苦手な設計事務所に勤めたものですから、ある時これではいかん! と思って、昼休みに一年かけて事務所所蔵の彼の本を八冊じっくり読みました。継続はなんとかで・・・他人から見れば小さな事でしょうが、私にとっては目からうろこ、大きなものをもらいました。

 それ以来フリーハンドで描くプランが多くなりました。アナログ人間の私、今は尺・寸の方眼紙を銀座伊東屋から取り寄せてフリーハンドでシコシコと描いています。              

ホックリとした彼の曲線は計算出来ない ‘心の趣くまま’ の描線で、 配置計画や例えばロンシャンの教会(一度訪れたいと思っていますが)の外観によく表れています。

 今でも 時折、読み返しています。


 結論として、建築はやはりプラン(平面図)が面白くないと全て面白くない。(粋な空間はプランも粋!)
当たり前のことですが、なんかこう、ワクワクしてくる胸騒ぎがたまらないのです。
  
Posted by masuzawa05 at 10:00Comments(0)
心を形に表す
建築空間にはいろいろの「想い」がある。
具体的な平面から容積のある空間へと立ち上げるさまざまな作業の中で、オーナーの使い勝手や心情が、私の心を通して色づいていく。
思い入れ豊かに熟成された建築空間には、オリジナルでしなやかな空気が息づき始める。
豊潤で美しく、時に凛々しい。
機能的であることは大切なことですが、美的な創意工夫も大切な要素です。
そう思いながら設計しています。


増澤信一郎
S22年10月11日生まれ
芝浦工業大学建築工学科卒業
静岡県伊東市宇佐美在住
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