2006年08月28日
数奇屋考・その3
数奇屋の概念: 軽快・精妙・・・・・洒脱
しかも 遊び心があるもの
一般的な もの ですが、ここでは‘遊び心’について少し考えてみたいと思います。
縁先の水盤に張られた水に(酒)溺れるように寝そべっている仙人の像、自分に置き換えて、酒飲みにはこたえられない・・・、下戸には顰蹙もの。
そして坪庭の竹の濡れ縁に佇まなければ「なるほど」と気が付かないところにさりげなくデザインを施す、遊び心。
私共で設計した 『茶寮・宗園』は瓢箪をいろいろデザインに取り入れました。その一部です
玄関取次ぎの間の中庭側に面した木の手摺の中ほどに嵌め込んだ、紅溜色の瓢箪です。
秋田の まげわっぱ で作ったホルダーです。
木で作ったキーホルダーです。
長い廊下の突き当たり、ジョージ・ナカジマ作、アメリカンブラックウォールナットのハイカウンター用の椅子に、能装束の人形を飾りました。これは意外性をねらいました。
持ち去られることも無くじっと身構えています。
又、S・旅館さんでは 家具・絵・飾りつけ を請け負った事があります。
玄関アプローチを一の間・二の間・三の間のように歩き進んだラウンジの手前の目隠し壁の飾り棚に『青りんご』のリトグラフ、一番外部よりの風除け室には『洋梨』のリトグラフを飾りました。(定番の書や花や夫婦鯉などでは嫌なので)
私としては 青りんご:まだまだ青い・・・・・未熟者の私達。
洋梨 :梨を‘無し’・・・・・無一物の無。
と、かけたつもりでしたが、洋梨は外されていました。何故でしょうか?
答えは、帰りがけ出口近くで‘用無し’(洋梨)では困るとの事でした。
ピンポンでしたか、ブーでしたか・・・・。 鄭重にお引取りして、適所適画・使い回しいたしました。
営業成績は順調のようです。
仕掛けられていることに気付かずに時を過ごし、後でなるほどね とほくそえむ、心地良い‘酔い’。また来たくなるしたたかな ‘しびれ’。
空間を縦横に駆け巡る 想い入れと遊び心。
Posted by masuzawa05 at
10:20
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