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増澤信一郎の心模様 石井建築事務所ブログ

2006年05月29日

詩人の感性に学ぶ・その2

 「倚りかからず」 

もはや
できあいの思想には倚りかかりたくない
もはや
できあいの宗教には倚りかかりたくない
もはや
できあいの学問には倚りかかりたくない
もはや
いかなる権威にも倚りかかりたくはない    
ながく生きて
心底学んだのはそれぐらい
じぶんの耳目
じぶんの二本足のみで立っていて
なに不都合のことやある
倚りかかるとすれば
それは
椅子の背もたれだけ

茨木のり子さんの作品です。残念ながら先日亡くなられました。ご冥福を祈ります。
背筋がピンシャンとして、凛として媚びず、女性ながら野武士のような方だと思います。

できあいの考え方・できあいの造り方・できあいの建築・いかなる権勢、流行にも
倚りかかりたくはない。お客様のわがままを逆手にとってより良くデザインする。キーワードは不易流行

なんとなく生きてきて、学んだのは、 よく見聞きし判り・考え・そして忘れず、二本足でスックと立ち、広く世界に目を向けて・正義の為に生きる。なんの不都合があろう。倚りかかるとすれば

         詩人2
それは
緑薫る大樹の鼓動。・・・・・そんなふうに考えています。
  

Posted by masuzawa05 at 11:59Comments(0)

2006年05月22日

今どきの旅館に必要なもの・その5

    

 先日、「ホテル・旅館のブランド戦略」について、というセッションに参加しました。

 私も常々思っていることですが
講師の鶴雅・大西社長もこう仰っていました:団体客から個人客に代わってきた現在、大型旅館の中に違う旅館を作る。いわば、旅館内旅館の発想が大切である・・・・・と。
 要するに200室の中の50室を違う感じで改装する、その地域ならではの意匠で(順次改装することで50室の旅館が4軒同居すると考えればいいと思います。)

 又こうも述べています:家業の良さを守り、地域経営に貢献する。
これって、地方の小さな旅館にとってはとても大切な事ですね!

マンダリン・オリエンタルの支配人はこう仰っていました:ブランドとは約束したことを必ず守ることである。施設指向ではなく、何の体験をそこで出来るかが大切であり、それをイメージして施設作りすることがポイントである・・・と。私はブランドを個性化と置き換えてもいいのかな、と思っています。良い環境に在って ‘何もしない贅沢’がうけている宿も有ります。元々旅館にとっては何よりも得意な分野であった筈で、家業の良さが置き去りにされているのではないでしょうか。先ずはもてなしの一工夫を。

 設計作法としましては、小説を書くように・音楽を奏でるように・名画を愛でるように、ソフト故の施設イメージを構成しデザインする・・・ということでしょうか。

鶴雅                   










オリエンタル
 

 









 設備投資をするというイメージよりも、我々に求められているのはむしろ商品整備、又は商品企画という視点から、デザイナーとして様々な企画・アイディアを提供し続けられるかが問われているように思います。ソフト有ってのハード、お客さまの立場でどうあってほしいのか・・・・。設計士というより、良き相談相手であり、オールラウンドな調整役に徹したいと思っています。

続いて午後から「ホテル・旅館のインターネット・マーケッティング」についてというセッションがありました。以下ポイントのみ述べます。

 楽天トラベル:どうやって集客するかノウハウを我々に相談してほしい。
        いまだけ・ここだけ・貴方だけ・・・KEY・POINT
 一休    :総てにわたり高級なOOを目指す
 ぐるなび  :お客様がどういう目的で泊まりたいか、良くリサーチする必要がある
        旅館側の理由ではなく、お客様のサイドで考える。

最後に理系の技術屋頭をクールダウンさせる次の言葉を初めて知りました

REVENUE MANAGEMENT(収益を最大化するために消費者の動向をマイクロマーケットレベルで予測し、在庫数と料金を最適化する統制・鍛錬された戦術、経営手法の実践、適用の事である)についてです。

DATABASE MINING(掘り下げる):アメリカのウォールマートではPOSデータ解析により、毎週金曜日の夕方、20歳後半〜30歳代の男性の購買動向を分析、掘り下げ、缶ビールと紙オムツを並置した。缶ビールの場所に紙オムツも!紙オムツの場所に缶ビールも!売り上げが飛躍的に伸びたのは言うまでも無い。

YIELD MANAGEMENT:最適な「在庫」を最適な「お客様」に最適な「時」に最適な「料金」で販売すること。旅館にとっては最適な客室を最適なお客様に最適な滞在期間で
最適な料金で販売する手法、考え方。

釈迦に説法ですが、我々設計士にも有意義な話でした。後日私共でお手伝いした旅館の二世経営者の方とこの話で盛り上がりました。参加されていたとは気が付きませんでしたが、皆さんよく勉強されているんですね!  社内でも資料を回覧しようと思っています。
  
Posted by masuzawa05 at 10:27Comments(0)

2006年05月15日

 居食屋革命・その5

春秋1春秋2









春秋3    





 




そのお店は東京日比谷、日生劇場の地下に在ります。‘春秋つぎはぎ’と言います。
スーパーポテトの杉本さんの春秋シリーズの最新作です。

名前の通りのつぎはぎだらけのインテリアで、マレーシアあたりの古材を使った、つぎはぎを売りにしたデザインです。TVでオープン前のドキュメンタリーを見て気にしていました・・・、使い古した物の持つ丈夫で・気の置けない・なぜか懐かしい感じは、すべてを許容する豊かさが有ります。居酒屋のような食事処です。

 居食屋とは居酒屋のような食事処のことで、私の造語です。旅館の食事処にピッタリだと思ってネーミングしていました。例えば、そのローカル色豊かなデザインの居食処に、オープンキッチンを配して、地物の旬の素材で、お客さんと付かず離れずの感覚でコミュニケイション出来れば最高でしょう。

 春秋つぎはぎでのメニューは大きく分けて、アラカルト・コース(金額に応じての3〜4コース)・5品程度のミニコース(3コース)の三本立てで、その辺のところも私の好む構成です。                       
季節の野菜が出ます、露地栽培の小蕪はまだ寒さの残る頃でしたので、小さいままですが硬くて甘く、野の味がしました。自宅に帰った翌日、捨てようと思っていた畑の小蕪をサラダにして食べました、店のものより旨かった。





野のぶどう1野のぶどう2









野のぶどう3

 




 



福岡の本店で始まった‘野の葡萄’丸の内東京ビル店に行ってきました。線路脇の高層ビルです。
テーマは 食彩健美(有機無農薬野菜なんでしょうか?其処のところは聞き漏らしましたが) バイキング形式の二時間2600円の食べ放題で、開店即満席で2ラウンド目も、客待ち即満席の繁盛でした。80種類有るそうで、健康志向が受けて女性が主役でした。
                                 
団塊世代のおじさんとしては多少不健康でも、夜はクセの有るツマミで一杯という方がいいような気もしますが・・・・・いかがでしょうか。

 旅館の朝食バイキングには参考になりそうです。
  
Posted by masuzawa05 at 13:39Comments(0)

2006年05月08日

M・O ホテルに行ってきました

マンダリン01     
 外資系の最新ホテルはどこもみんな一緒・・・・・と言うと言い過ぎでしょうか。
それは兎も角として、北欧出身の総支配人の拘りのインテリアや小物は徹底していて、多少飾り付けに和と中華がクロスオーバーされていますが、全体としては小気味良い。

 


喫茶・軽食・お酒を軽くいただけるラウンジには、中央に寿司カウンターを意識したオープンなミニキッチンが有り、ネタケースの中にはスペイン風小さなおつまみが、ままごとの様に綺麗に並んでいました。

 空間・人(お客様、支配人、ウエイトレス、コック)・食材・お晴れな気分、が渾然一体となり醸し出す雰囲気は、昂じる程に‘にぎわしく’それこそがホテルの顔であり、コックの白い服装や動きにも絵心を感じました。                         
そんなものをRYOKANでも設えたら愉しいのに・・・・・。

マンダリン02

 





ベッドの手前に有る塗り箱に浴衣とスリッパが入っています。旅館でもやるテクニックですが、柳行李や柿渋塗りの和紙でもいいでしょう。但し止めの鎖はいただけません。そう申し上げました。

マンダリン03
 

 




小坂竜氏デザインのレストランバーのステンレス鏡面ルーバーの壁は泥臭い土壁の荒々しさとステンレス鏡面の対比が美しく、それなりの存在価値は有りますが、空想する頭としては‘写真写り’の方が良かったです。最近のインテリアデザインとしては「そこまでやるのかい」と言いたくなるものが多いい様に見受けられます。必然性の有るデザインなんでしょうか?他に無いものに拘り過ぎて、テーマから逸脱したデザインが多いい様に思います。そう思いませんか(自分自身への反省を込めて)

マンダリン04

 

 




嫌な顔ひとつしないで案内していただいたフロントの女性、去年までJ航空のキャビンアテンダントとのこと、笑顔を絶やさず、こちらの訪問目的を良く理解してのそつない応対には恐れ入りました。(専属かもしれませんが)
 一流ホテルの見学でいつも思うこと;ホスピタリティー、それこそが宿泊産業の命であり、いまこそRYOKANにもなによりも必要で、みがきをかけたいですね。
      
Posted by masuzawa05 at 10:19Comments(0)

2006年05月01日

詩人の感性に学ぶ・その1

 「石佛」 −晩秋

うしろで
優雅な低い話し聲がする
ふりかえると
人はいなくて
温顔の石佛が三体
ふっと口をつぐんでしまわれた
秋があまりに静かなので
石佛であることをお忘れになって   
お話などなさったらしい
其処だけ
不思議なほど明るく
枯草がこまかく揺れている

吉野 弘さんの作品です。

 他にも
二人が睦まじくいるためには
愚かでいるほうがいい
立派すぎないほうがいい
立派すぎることは
長持ちしないことだと気付いているほうがいい・・・・・と続く「祝婚歌」も好きです。

 話し変わりますが・・・ある時、料理研究家の 辰巳芳子さんが、「ものが見えなくなったら、異文化で洗い直してみる」と仰っていました。
                           
生意気な設計士は詩心でデザインを洗い直そうなんて、大胆に思ったりしています。


気配・・・・・慈愛・ユーモア、ほのぼのとした、心のゆらぎ
そんなものを形に出来たら、愉しいだろう。


詩人

  
Posted by masuzawa05 at 15:07Comments(0)
心を形に表す
建築空間にはいろいろの「想い」がある。
具体的な平面から容積のある空間へと立ち上げるさまざまな作業の中で、オーナーの使い勝手や心情が、私の心を通して色づいていく。
思い入れ豊かに熟成された建築空間には、オリジナルでしなやかな空気が息づき始める。
豊潤で美しく、時に凛々しい。
機能的であることは大切なことですが、美的な創意工夫も大切な要素です。
そう思いながら設計しています。


増澤信一郎
S22年10月11日生まれ
芝浦工業大学建築工学科卒業
静岡県伊東市宇佐美在住
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