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増澤信一郎の心模様 石井建築事務所ブログ

2005年11月30日

民家(民芸)考・その1

民家01
 使わないものは捨て去る、現代の機能主義住宅もしく機能空間・・・・・。

 時に必要なものだけで組み立てた近代の住宅に心が休まるのだろうか。不要・無意味な思索がたまに必要なように、不要なもの達の中に必要なもののヒントがある。         

 

 何も無い空間は何かを満たす為のタオイズムの空である。そして、要・不要の選別には緊張感が要る。

 便利と不便の揺れる狭間にオリジナルな有用が生まれる。

 こんな意見が有ります。現代の生活はあまり動かないで用が足りる、それは便利というもので、機能主義に忠実であったとして評価されるかもしれない。しかし‘民家’の伝統を受け継ぐ和風住宅では「人を怠け者にする」と言って非難される。住まいは安らぎを得る場所だけではなく、‘肉体’と‘精神’を鍛える処と言われ、生活道場的な色彩を帯びていた。安易につかない凛とした日常があった。

 民家に残る井戸・囲炉裏・竈、現代の生活には不要ではあるが、それらにまつわる人の息吹を残す水・火・食、には人としての動物の持つ原初的な懐かしさが有る。
そして、現代に残された唯一の 有用 なもの、それは逆説的に言えば‘無駄’や‘不便さ’ではないだろうか。この揺れる狭間に生ずる緊張感には非日常の意外性が有る。

 設計士にとっては‘何を造らなかったか’も創造の内です。
  

Posted by masuzawa05 at 15:57Comments(0)TrackBack(0)

2005年11月22日

今どきの旅館に必要なもの・その2

   
 日本は北から南、沖縄から北海道まで細長い島国です。そして四季が有ります。
 
 気候風土の違いが地域特色を持った多くの文化を育んできました。
特に‘祭り’は其の際たるものだと思います。メインイベントは観光・誘客に寄与していますが、そうではない土着的なもっと地方の小さな行事の中に有る祭りや、季節の慣習を掘り出しピックアップして、オリジナルな旅館文化を創ろうではありませんか。
 
 旅館は四季折々、場合によっては月替りの‘祭り’を楽しむステージだと考えられないでしょうか、知恵と工夫で風土に根ざしたオリジナルなうちだけのイベント文化を創出する・・・・・。押しつけではなく、さりげなく、優雅に、センスフルに、そして芯は過激に。

 二十四節気の感性に学ぶ
陰暦の正月(2月)の節から刻まれる生き物としての人間のくらし、二十四のDNA感性。

 春(2月)

立春(りっしゅん) ;これから待ちこがれた春に入る
雨水(うすい)   ;小川の水音、さらさらと氷や雪が溶け始める時期
啓蟄(けいちつ)  ;冬眠中の虫たちがうようよと這い出る時期
春分(しゅんぶん) ;昼夜同じ長さ、これから昼が長くなりお日様の恩恵を被る 
清明(せいめい)  ;万物が動き、生まれ出ようとする時期
穀雨(こくう)   ;恵みの雨が穀物を育む

 夏(5月)

立夏(りっか)   ;暑くなる頃 
小満(しょうまん) ;陽気が満つる頃
芒種(ぼうしゅ)  ;次の種をまく時期
夏至(げし)    ;昼・真っ盛り、昼が一番長い日
小暑(しょうしょ) ;つゆが明け暑さが厳しい時期
大暑(たいしょ)  ;一番暑い時期、土用の丑の日ウナギを食べる

 秋(8月)

立秋(りっしゅう) ;秋に入る日、暑いけどなんとなく秋の気配が感じられる
処暑(しょしょ)  ;暑さがおさまり、朝夕は涼風が吹く
白露(はくろ)   ;野の草には露が宿るようになる、秋はいよいよ本格的
秋分(しゅうぶん) ;昼夜同じ長さ、夜長の季節に入ってゆく
寒露(かんろ)   ;秋も深まり、露を結び寒々として冷たい
霜降(そうこう)  ;霜が降りる頃、紅葉が見ごろとなる

 冬(11月)

立冬(りっとう)  ;冬の気配、光も一段と弱く日脚も短くなる
小雪(しょうせつ) ;北風が強くなり、遠い山の頂に冠雪が見られる
大雪(たいせつ)  ;寒さ厳しく、雪が多くなる
冬至(とうじ)   ;昼間が一番短い日、柚子湯を立てる
小寒(しょうかん) ;寒の入り、寒さも本格的になる
大寒(だいかん)  ;一番寒い時期、お日様は日増しに力が強まり春の足音が聞こえる

 特に 春の: 啓蟄、夏の: 芒種、秋の: 白露、冬の: 小雪。の感性が好きです。

歳降る毎に心で感じる二十四節気、自然は知らず知らずに貴方の心に分け入っています。                       

以心伝心、ナイーブな貴方なら倍の四十八節気を館内に盛り込みましょう。

沖縄風の盆






美瑛  
Posted by masuzawa05 at 09:50Comments(0)TrackBack(0)

2005年11月16日

今どきの旅館に必要なもの・その1

 どのような場所へ:豊かな自然環境と温泉があって、おいしい水と空気が在る所。

 誰と:家族・友人・知人との気のおけない旅。
   (上記で80%を占める。団体は盛時の半分に減り、二人旅が増える傾向に有る。)

 予算は:リーズナブルな値段で。
    (それなりに価値観があるもの。価値を認めれば高料金も厭いません。価値観は千差万別ですが、一般的には高料金よりは値ごろ感の有るもの)    

 これからは:団塊の世代、60代からの旅。
 少子化  :一人っ子、家付きの子供が増えます。彼ら、彼女らは家が有るので給料を丸々自分たちの為に使えます。いい車を買ったり、一流旅館に清々と出掛けて散財します。オバタリアンも出掛けますが、少々騒ぎ過ぎるのでヒンシュクを買います。(防音完璧な檻の様な食事処が必要です)

* 癒される・・・・・今良く使われる言葉です。病気や傷をなおす、飢えや心の悩みなどを解消する。と有ります。現代人はそんなに病んでいるのでしょうか。(そうなんですと言う声が聞こえてきますが・・・・・) 病むと悩むのとは違うように思います。元気を出すのは疲れます。ところで、何か大きな‘気’を貰う、そんな、疲れずに元気になる丁度中間の言葉はないでしょうか、例えば‘気貰い’とか・・・。昔、非常に悩んで頭が重かった時、温泉に入り大きくフッーと息を吐いたとき、胸の中から何かが抜けてからだが軽く、頭が楽になった思いがあります。 温泉の効用はともかくとして、‘気貰い’の空間・食事・もてなしが大切です。                    
   癒しと言う言葉、個人的にはあまり好きでは有りません。なにかもっと大きなものに包まれる 旅 してみたいと思いませんか、そう、 心の宿り。

* 生きざま・・・・・今良く使われる言葉です。ざまあみろ・死にざま・ざまあかんかん、あまりいい言葉ではありません。 せめて生き方と言って欲しいと常々思っていました。  旅館に‘人格’が有るのなら、いい生き方をしている‘旅館’にお邪魔して、豊かな 時 を過ごしたいと思いませんか、そんな旅館に出掛けましょう。貴方を必ずやリフレッシュさせてくれる筈です。
太郎杉  
Posted by masuzawa05 at 10:55Comments(0)TrackBack(0)

2005年11月08日

庭について

 春夏秋冬・四季折々、庭の緑や花々・・・冬枯れの柿の木に赤い実一つ。         
 自然は人の心を和ませます。

 ここでは作庭のテクニックについては造園設計に任せるとして、建築設計者である私が庭造りについて思う重要なポイントが一つ有ります。それは、昔からそう在ったように創ることです。(自然さを求めつつ、どこかに一点異質な創造を盛り込むのがミソですが。) 今作った庭であっても、元々‘そう在った’スペースの空き、もしくは一画を借りて建物を置かせてもらった。というような配慮をしています。
その為には、長い間風雨に晒されて出来た‘地成り’を大切にすることです。止むを得ず造成する場合でも、水途と地成りと隣地への心遣いを忘れずに。

建物と庭、卵が先か鶏が先かとお笑いでしょうが、ここでは‘地面’があくまでも先です。先ず元々在った大自然に敬意を表して、それと和すべく人工的な建物をそっと挟み込むのです。いや正確には挟み込ませてもらうのです。そうすると建物が自然な感じで仕上がります。
ネコの額のようなちょっとの庭であっても、元は広い庭があって、その一部の良いところを残してそれに合うべく建物を置いたんだと考えると、小さな庭でも大きな顔をして輝いてきます。


庭に限らず、どう思って創作活動をするのか・・・思い入れの仕方や・順序・方向性を整理し、その場に合った具体的に分かりやすい方法で組み立てる。‘地の気’を感じながらの思索で出来上がりの ‘見え’ が変わってくると思います。
そして木の種類、岩の形、流れの緩急や高低、風のそよぎや、お日様の動きまでもが建物の軒先をかすめ、ゆらぎ、季節と相まって豊潤なひと時を演出してくれます。


日本に生まれて良かった と思います。


中庭桜  
Posted by masuzawa05 at 10:44Comments(0)TrackBack(0)
心を形に表す
建築空間にはいろいろの「想い」がある。
具体的な平面から容積のある空間へと立ち上げるさまざまな作業の中で、オーナーの使い勝手や心情が、私の心を通して色づいていく。
思い入れ豊かに熟成された建築空間には、オリジナルでしなやかな空気が息づき始める。
豊潤で美しく、時に凛々しい。
機能的であることは大切なことですが、美的な創意工夫も大切な要素です。
そう思いながら設計しています。


増澤信一郎
S22年10月11日生まれ
芝浦工業大学建築工学科卒業
静岡県伊東市宇佐美在住
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