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増澤信一郎の心模様 石井建築事務所ブログ

2005年08月29日

国際商品としてみる日本旅館の魅力 その3・建物と庭

toki niwa


        
 日本旅館の情緒性を施設作りから捉えると、庭と建物との関連をどう演出するかが肝心であり、その微妙な取り合いが大切である。
 内と外をつなぐ空間構成の一番大切な要素として軒先空間がある。室内から軒先をかすめ外に放たれ広がる庭があり、又庭が軒先をかすめて知らず知らずのうちに内部に入り込んでくる。遠く連なる山並みや町並みを借景として捉え、わが敷地の庭のボリュームに呼応させながらオリジナルな‘うち’だけの小宇宙を構成する。それが日本建築の美意識であり、旅館建築にはなくてはならないものである。
 又建物と建物の間に出来るいくつかの地べたを中坪庭として採光・通風・緑化に利用する先人の知恵にも学ぶところが多い。そして単に建物周りを樹木でふさぐのではなく、元々有った庭の中に建物を挟み込ませてもらったと言うような謙虚な気持ちと、後先なしの庭師と建築家との共同作業が肝要かと思われる。

       「庭は宇宙につながり、宇宙の神秘は軒先に宿る」

  

Posted by masuzawa05 at 10:25Comments(0)TrackBack(0)

2005年08月24日

国際商品としてみる日本旅館の魅力 その2・食事部屋出し

 hakone


日本の家の間取りは、本来、機能を限定しないノンファニチャーの世界であり、しいて言えば唯一の家具は造り付けの押入れであった。広い空間を間取って様々な室礼を施すことによって、そこは居間兼食堂になり、書斎兼寝室でも在りえた。それ故に何も置いてない座敷から縁側越しに眺める庭はシンプルで美しい。
 旅館の間取りもその例外ではなく、畳敷きの和室があらゆる用途にフレキシブルに応えていた。しかし、日常生活の延長線上の機能を求めるあまり、洋家具の似合う和室が求められつつある。現代の住宅が機能を限定した個室の集合間取りを生み、それ故に寝食分離の新しい客室の形態、機能別集合間取り旅館が生まれつつある。すなはち旅館のホテル化を生み出しているように思えてならない。京都の名旅館の布団敷きに見る所作の美しさを思い出してほしい、空間を間取ることによる無用途空間の用途化には気遣いと室礼に満ちた日本の美徳が宿っているのに・・・・。古い考えでしょうか。

hakone
今改めて食事部屋出しの魅力はと問われれば、二人きりや家族だけで他人と会わずにゆったりと庭を眺め・風呂に入り・憩い・食事をし・眠る。そして朝は爽やかであった。そんな伝統的な隠れ家旅館は外国のお客様にもピッタシかな・・・と思ったりしている。
 とはいえ、時代の流れには逆らえません。最近は折衷案として寝室と仕切られたスペースに居間や食事場所を設え、客室内プライバシーの確保に努めている。
  
Posted by masuzawa05 at 19:15Comments(0)TrackBack(0)

2005年08月15日

国際商品としてみる日本旅館の魅力  その1・露天風呂

 自然と一体となって四季を感じるオープンエアーのお風呂、ともかく気持ちいい!
この感覚皆と裸でお風呂に入る習慣の無い国の人々には分からないだろうな・・・・
 でも一度入ったらやみつきになる外国人も多いいと聞きます、むべなるかなです。しかしながら山上の露天ならいざ知らず、市街地に作る場合に大切なのは他から見られることへの配慮です。東屋・軒の出・敷地の高低・石組みや植栽・照明等でうまく視線を避けなければなりません。
 そして日常の生活ではあり得ない‘とっておきの’空間処理が必要です。いろいろの実例をご覧ください。


鳥羽シーサイドホテル
鳥羽







アソシア高山
アソシア







あせび野
あせび







季一遊
季一遊








愡海笋泙
露天







箱根吟遊
hakaone  
Posted by masuzawa05 at 16:39Comments(0)TrackBack(0)

2005年08月08日

伊豆は本当に美しいか

20c94a1e.jpg 海・山・川、美しき景。「マイペースIZU(伊豆)ユアーペース」去年の4月1日(エイプリルフール)、静岡新聞に広告を出しました。伊豆半島の地図はその時のものです。
 美しき自然の中、ゆったりとマイペースで歩む伊豆は貴方のペースと一致します。
石井建築事務所は伊豆の熱烈なサポーターです。

     
暑さ厳しい折、朦朧とした頭で徒然なるままにこう考えました。
我々は、天から授かった美しき天然の景観を人の作る工作物で壊したりしていないだろうか・・・・・。又、心の問題では、日々の生活の中で隣人と和し、且つ観光地にあって遠来の客をフレンドリーにもてなす心優しさを失っていないだろうか・・・・・。
 今ここに一通の手紙がある。
拝啓 大寒とはよく言ったもの、寒いですね、信じられないことですがそちら伊豆地方にも雪がちらほらとは先日のニュース。さて、ご無沙汰いたしました、お変わり御座いませんか。私はご案内の通り仕事を離れましたが、今までの仕事社会からいわば家庭社会に変わって、今まで見えなかったものが見えてきたような気が致します。
 先ず健康面の修復ですが、歯科、内科、それに泌尿器などの病院通い。それから精神面の修復として実家の寺、浄土真宗の教義について、県立図書館とか研究者との接触を図って、遅まきながらもう一度自分というものを少しでも見つめ直すことを考えています。
 お寺の仕事柄幼少の頃から葬儀に多く立会い、そして古希目前の年齢からいっても多くの人の死というものを見てきました。仏教で言う四苦八苦の四苦は生・老・病・死のことですが、特に死はその人生の総括です。どんなに偉い社会的な地位にあっても、富んでいても、死に逝く時は唯一人。そして結局はその周辺に見守る家族が居て「お蔭でいい人生だった、本当にありがとう。」と心から言える人、これが至福の人と言えるのではないでしょうか。
 仕事社会を離れて今、家庭社会に入ると、このことが際立ってはっきり見えるようになりました。私は自惚れでは無いですが女房をとても大切にしています。それはつまり私自身が家族から大事にされることになるからです。これを仏教では善果と言うのだそうです、つまり家庭生活こそ全ての人にとっての基本の単位の筈です。
 そのような見方を敷衍して考えますと、たとえば温泉ホテル、私が家族連れで宿泊した大ホテルの殆どは、それこそけんもほろろ良い顔をされません。そのサービスの悪さを指摘すると「うちは団体客です、家族客は別のホテルが有りますから」 つまり、利益の少なく手間の掛かる家族客はお呼びで無いと言うことです。莫大な借金漬けのホテルにとってまとめて処理できるほうが効率的ということなのでしょう。そんなことで私たちはついに伊豆まで足を延ばすことがありませんでした。仕事ですから、当時特に違和感がありませんでしたが、しかし今、仕事社会から家庭社会へと鞍替えして見えてきたことは、そんな商売が本当の商売として長続きできるのであろうか・・・と言う疑問・・・云々。
これは大手の建築関連の会社の常務さんから頂いた数年前のお手紙です。

 観光と言う名にかまけて、「稼ぐ」事に意識が集中しすぎて、もっとゆっくりと自然に浸ったり、住民と心と心で触れ合ったりする機会や場所を提供することを疎かにしていたのではないでしょうか!?
 身の回りや足元を美しくすること、その土地に自分たちが住まうことの楽しさを忘れてはいませんか。旅人はその地域を愛し、嬉々として生きている人達の日常を肌で感じ、愛して旅をするのかもしれません。
 「旅の発端は夢だったとしても  旅で出会うのは現実である。
  旅で出会うのが現実だったとしても
  その旅を持続させるのは・・・・やはり夢である。」

東京・谷中の「澤の屋」の澤功さんと国際観光施設協会で月に一回ご一緒します。澤の屋さんにお泊りの外国人のお客さんは、下町の生のままの風情を、日本人の普段の生活を見たり・聞いたり・感じたり・触れ合ったりしたいのだそうです。特別なことなどしなくても、あるがままの日本を感じてくれる。そう言っておられます。豊かな人情が流れ、そこには出所・年齢を問わない‘粋’が有ります。

自然の少ない東京の下町のアスファルトの路地は鉢植えの花や、時に発泡スチロールの箱にアジサイやツツジが咲いて狭い通りを飾っています。人は僅かな自然の息吹にも心洗われるのでしょう。
 伊豆には溢れんばかりの美しい自然と人情があるはずです。東京の下町と比較するのもなんですが、在るものを大事にしないと、どちらが美しいのか!との問いに窮します・・・

伊豆は本当に美しいのか?と。
  
Posted by masuzawa05 at 11:21Comments(0)TrackBack(1)
心を形に表す
建築空間にはいろいろの「想い」がある。
具体的な平面から容積のある空間へと立ち上げるさまざまな作業の中で、オーナーの使い勝手や心情が、私の心を通して色づいていく。
思い入れ豊かに熟成された建築空間には、オリジナルでしなやかな空気が息づき始める。
豊潤で美しく、時に凛々しい。
機能的であることは大切なことですが、美的な創意工夫も大切な要素です。
そう思いながら設計しています。


増澤信一郎
S22年10月11日生まれ
芝浦工業大学建築工学科卒業
静岡県伊東市宇佐美在住
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